「自分にとって、何が一番大切なのか」(星空みゆき)

 スマイルプリキュア!第22話「いちばん大切なものって、なぁに?」の感想です。
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 今回の見所ベスト3。

第3位:メルヘンランドは引きこもり国家だった

 バッドエンドの分かりやすい形として「みんなバラバラになってしまう」は当初からあった作品でした。緑川さんのいずれ家族がバラバラになる不安しかり。一緒にはいられないポップとキャンディという兄妹の話しかり。

 そんなこんなで訪れてみたメルヘンランドは、女王様が封印されてからは、みんな気力を失って引きこもりの国になってました。ポップとキャンディがバラバラだどころの話じゃなかった。ガチ無縁社会になっていました。これが現実。


第2位:現実を見る

 さらにジョーカーさん襲来で、そのままプリキュアさんたちも絶望。最後の希望だった星デコルも奪われます。ついに、薄々気づいていた現実を見る時がきました。

 絶望後、いったんバラバラになって、それぞれで考えるのがよかった。メルヘンと言いながらみんなバラバラで引きこもってる国で、これまで仲間だみんなだと連呼していたプリキュアさんたちもバラバラになって考える。色々と、理想と現実の境界線上のお話でした。

 ここにきて、絶体絶命の現実の中、理想の方が徐々に整理されていく。女王様の復活は、実はバラバラになって引きこもっているメルヘンランドの人々の繋がりを取り戻すことにも繋がる意味合いがありそうなこと。キャンディの笹の葉の願い、「ずっとみんな一緒」。星空の下でみんなでそれを願ったという比喩での星デコルを取り戻すということ。キャンディか家族かどちらを選ぶのという状況の中、友だち、家族、キャンディが一緒にいられたここまでの時間こそが理想だったのかもしれないこと。そう信じるに足る実感が心の内側にあること。


第1位:理想(メルヘン)を追う

 ただみんなと一緒にいて笑っていたい。そんなことが大変なメルヘン(=理想)になってしまった現実だよ、ポイズン。

 バラバラになった引きこもり国家の中、一旦絶望した後、バラバラになって色々考えてみた五人がまた同じ場所を目指して歩いてくる所がよかったですよ。結論というか理想自体はバラバラになって考える前と変わっていない。家族と友だちとキャンディと、みんな一緒にいたい。ただ、改めてバラバラになって考えてみても、その理想の形が五人ともまだ共有できた、その点に意味がある。背負ってる個別テーマ上、緑川さんが決意の表れとして髪を結いなおしてる所がよかった。また、笹の葉、いっしょにいたい願い、ペガサス、星空の下などのコンボで、「星空みゆき」の名前の由来も見えてきた気がする。

 「私のウルトラハッピー」とまずみゆきさんが語る理想の形を、「私たちの、やろ」と火野さんが訂正するのもイイ。打開策なし。全体的に、こうやってそれでもまた一緒にいられるのを目指そうとみんなで集まれる、それ自体がメルヘン(現実世界ではめったになかろうという意味で)、という批評性も感じる展開だった。それでも、そのメルヘンを願って、第6話、バラバラ状態のポップとキャンディ兄妹から、それでもやっぱりスマイルがいいよね、と着想を得たチーム名とみんなで考えた名乗りを呪文のように唱えて敵地突撃。歴代でも屈指の勝算ゼロ度な気がする。どういう流れで広報されてるプリンセスフォームが発動するのか楽しみです。

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→前回:スマイルプリキュア!第21話「星にねがいを!みんなず〜っと一緒!!」感想へ
→次回:スマイルプリキュア!第23話「ピエーロ復活!プリキュア絶体絶命!!」の感想へ
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