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 劇場で観てきた『魔法少女リリカルなのは The MOVIE 2nd A's(公式サイト)』の感想です。ネタバレありなので注意です。
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 冒頭からリインフォース2が自分の前身(ルーツ)だったリインフォース1にまつわる話を伝え聞いたのを振り返る……という出だしだったので、全体的にエピソード1的な趣がある映画でした(2ndだからエピソード2か)。これ、The Movie 3rd(があるとして)でStrikerSまでを前史としてまとめた後は、スターウォーズ方式で後半のエピソードに進んで欲しいな。なのはシリーズは国宝ですよ。

 TVシリーズと同じく、クライマックスのフェイトが虚構世界から出てくる所と、はやてさんがリインフォースに名前をあげるシーンがシンクロする箇所がやはり一番じわっときた。

 1stでは、アリシアの身代わり的な虚構存在だった事実に一旦折れたフェイトが、それでも「名前を呼んでくれた」となのはさんから受けたアイデンティファイを頼りに立ち上がる所がクライマックス。で、2ndではアリシア、リニス、プレシアらとの穏やかな生活、という虚構世界からフェイトが(つらい現実だけど)友だちが待ってるとなのはさんの所に帰ってくるのがクライマックス。1stでなのはさんから貰ったフェイトという存在は本物なんだというように。なのはさんがピンチの所を虚構世界から戻ってきたフェイトが巨大剣で助ける所がカッコいい。ここでなのはさんが別に何も言わないのもイイ。すぐさま一緒に並んで構えるだけ。フェイトちゃんなら戻ってくるでしょ、くらいの信頼関係。1st時点では救った人と救われた人の関係だったのが、2ndでは本当にパートナーになった感じ。

 そして、フェイトのこの虚構からの帰還劇と、はやてさんが魔導書のプログラムという虚構存在だったリインフォースに名前をあげるシーンがシンクロして描かれる。フェイトパートとはやてさんパートが補完しあって、虚構存在が名前を獲得して本物になる、というのが描かれる。これ、もし3rdが作られたら、「雷光」の回でフェイトさんが真ソニック使う所でまた水樹さんの挿入歌流れるんだろうな。それくらい、3作全てがそこがクライマックスという、「虚構存在だとしても他者のために本物になれる」はなのはシリーズに通底するテーマ。

 「強くなろう。悲しいことを見過ごさないで済むように」となのはとフェイトが稽古する所が印象的でした。全体的にエピソード1仕様なので、例えばStrikerSではやてさんがどうして世界のためになら死ねるくらいの勢いで生きてるのか、その原点にあった動機を描いていたエピソードだった気がする。悲しいことを無くしたかったんだけど、この2ndの物語では結局リインフォース1だけは救えなかった。それが、その後のはやてさんの強い動機なんだろうな、と。

 ラストは冒頭のリインフォース2の現在パートに合流して、リインフォース2にはリインフォース1の物語というルーツがある。それゆえにリインフォース1の生は無駄ではなかったし、リインフォース2も偽物なんかじゃないというのが描かれる。それがちょうど、アリシアの生も無駄じゃなかったし、アリシアから生まれたフェイトという存在も偽物なんかじゃない、というストーリーとシンクロしていって終劇する。入念に再構成したであろうだけあって、非常に美しい物語でした。ルーツを慈しみ、偽物めいてる自分を本物にしていこうっていうのは普遍的なテーマだよな。なのはシリーズはなのはさんカッコいい、フェイト可愛いというのもあるけれど、胸にくる物語が大変素晴らしいと思っています。

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