「またの名を」(青木れいか)

 スマイルプリキュア!第43話「れいかの道!私、留学します!!」の感想です。
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 今回の見所ベスト1。


第1位:またの名を

 メルヘンに耽溺していていいのか、もう現実で頑張らないといけないのか、というどちらかが客観的に正しいと錯覚しがちだった二択を嘲笑うかのように、青木さんもう一ステージ上へ。

 僕の中盤までの作品解釈だと、最後はプリキュアを卒業、メルヘン時間を終わらせて現実で頑張っていこう、メルヘン時間は糧として力をかしてくれるさ……までだったのだけど、今回の青木さんでその次元も突破。自分が信じた道を行く過程で、メルヘンも現実も行ったり来たりな勢いです。カッコいい。憧れる生き方です。どこで死ぬことになっても後悔しなさそう。そりゃ、専用キャラソンも流れて謎の氷結結界も発動しますよ。

 夢を捨て、人を裏切るのですか、というジョーカーさんの言葉はもっともでかつ重く、例えば個人での夢追い上昇志向(自由主義・競争主義の枠組みで取ると現実で是とされがちな価値観)よりも、仲間たちとの時間を過ごすことを選ぶというのは、第31話・第32話での「ずっと仲間と一緒にいられる怠惰なメルヘン」に閉じこもったようにも見えて、そっち側なら怠惰な永遠のメルヘン志向側のジョーカーさん的には大喜び。思想戦で、勝った。……はずだったのだけど、それに「私の名は青木れいか、またの名をキュアビューティ」と返す青木さんがカッコよかった。青木さんクラスになると、二重存在や現実とメルヘン間の移動が可能。思想戦、青木さんの方が一歩上だった。

 そこから続く、道は一つじゃない=剣は一つじゃない、そもそも弓とかアリです、と思考の広がりを感じさせる縦横無尽の闘劇に、ラストの、初変身回の第5話では現実的方法で客観的に見破った鏡の選択肢を、主観的に謎のメルヘン能力で貫く青木さん、というフィナーレまで見事過ぎでした。青木さんすげー。

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 次回はついにみゆきさんのアンとダイアナ時間の話で、ロイヤルクロックが12時になる回。ああ、現実にかえる時が、くる。第7話からの長い伏線でした。それでも、それ(児童時間・メルヘン時間)が大切だと知っているから、守るよ……変身っ! みたいになっていくんだったらボロ泣きだなー。

→色々

スマイルプリキュア!ボーカルベスト

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