「とっても楽しくて、キラキラした時間だった」(星空みゆき)

 スマイルプリキュア!第44話「笑顔のひみつ!みゆきと本当のウルトラハッピー!!」の感想です。
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 今回の見所ベスト1。


第1位:ロイヤルクロックが12時になる

 児童時代のケイティ・モーリス(『赤毛のアン』に出てくるアンの空想上の友達)的存在からスマイルの大切さを貰ったというみゆきさんの原点的エピソード。第一話同様、『赤毛のアン』で有名な「曲がり角(色んな比喩的な意味がある)」のシーンがあり、アンとダイアナの関係に憧れていたみゆきさんが今は現実にダイアナ的友達(たち)がいるという流れといい、個人的には『赤毛のアン』のオマージュが良かったと思いました。「曲がり角」はくだけて言えば想像力や可能性や世界の幸せの比喩なんですが、曲がり角から友達(になれる児童たち)がやってくるという表現も上手い。もう最終回はみゆきさんに"God's in his heaven, all's right with the world.(神は天にあり、この世はすべてなにごともなし)"って囁いて(wispered)欲しいよ。ダイアナの部屋に灯るアカリをみつめながらアンがこうつぶやくのが『赤毛のアン』のラストシーン。

 ケイティ的みゆきさんの児童時代の友達と、今回みゆきさんが守った女の子が重ねて描かれていることで、今度はみゆきさんが児童時間・メルヘン時間を守る側になった、という表現になっている。


 「誰かの優しい気持ちって心が温かくなるね。それを感じている時は、とても幸せな気持ちになれる」

 「みんなの優しさは壊させない。それだけは私が守る」


 ついに自分の幸せを悟ったみゆきさんが、優しさの伝導の守り人に。映画オールスターズNSのラストで描かれた役回りからしてこの帰結は示されていたわけだけれど、優しい気持ち、児童時間、メルヘン時間を守るというのには、キュアエコーがフーちゃんを抱きしめたような「綺麗事的な理想」のようなものを守るために頑張るよ、というのも含まれているのだと思う。最初から現実は厳しいというのは悟ってるように描かれたみゆきさんにも、友達いなかったとかそれなりのバックボーンがあり、だけど友達とか優しさとかそういうメルヘン的なものが大切だと知っているから、誰かのそれは守るよ、変身っ、というような個人的には今一番共感できるジャパニーズヒーロー的なヒロインでありました。


 「これからはみんなから受け取ったその優しい気持ちを、色んな人に分けていきたい」


 個人的に今年の映画のミラクルライト(つばさライト)のコンセプトの一つと感じていた「貰った優しさを次の誰かに分けよう」。一番好きな第19話の、ピースの、


 私はパパからいっぱいの愛をもらったおかげで、人に優しくしようって思える。
 優しさはきっと、人から人へと伝える愛の表現なんだ。
 あなたに愛がないのなら、パパからもらった愛を受け取って。



 とも通じる精神です。

 クリスマスの季節的には、サンタさんにプレゼントを貰う時間はそろそろ終わりで、今度は私がサンタになる! という展開です。ロイヤルクロックの12時(=児童時間の終り)をどう表現するのかは楽しみだったのですが、やはり自分がメルヘンや児童時間を守る側になる、だったのだと思いました。

 毎年本編の圧縮リビルド版になってる映画の展開的には、今回のケイティ的少女が、ピエーロ様か女王様かどっちかなのかな。名前を思い出せないことも含めて。人に笑顔を=道化、だけど自身は虚構存在。虚構(メルヘン)の守り人として、スマイルの守り人として最終章盛り上がっていきそう。

→色々

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