「絶望の物語だ」(ピエーロ様)

 スマイルプリキュア!第47話「最強ピエーロ降臨!あきらめない力と希望の光!!」の感想です。
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 今回の見所ベスト1。


第1位:絶望の物語の前でも

 絶望に落ちた人間が立ち上がれるとしたら、そういう希望とは何なのか、というお話。みゆきさんが希望とは「友達」だと言い切るのは、孤独少女時代からここに辿り着くまでの物語だったのかと感慨深いです。絶望の沼のような場所に落ちていくみゆきさんにキャンディ(メルヘン的友達)が手をさし伸ばしてくれるのですが、こういう友達って、メルヘン時間の共有体験からできるんだよなーなどと思うと色々繋がってるのを感じます。本当、物語中盤とか、トラウマの救済とか共に高い意識でミッションをこなすとかじゃなくて、ただ一緒にメルヘン時間を遊んでただけですからね。そんなメルヘン時間なんて無駄なもので、虚構的なものでしょ、という感覚が始終つきまとうのだけど、一つ言い返せるなら、でも友達ができたよと。最後の謎の通信能力は、現実だったら電話だな、などと思って見ていました。少なくとも、絶望に落ちかけた時に電話かけてきてくれる友達がいるなら、確かに希望と言って良い気がする。デコルを集めれば女王様が復活するも、何でも叶えてくれるミラクルジュエルも虚構という方向でのメルヘンだったと明らかになった中、ロイヤルクロックが12時を迎えた後の今、じゃあ残ってる最後の希望ってなんだっていう段階なので、そこで友達だよって言い切るのは熱いなーなどと思って観ておりました。

 逆に言うと、メルヘン時間も共有体験もなくて完全に閉じこもっていたら詰んでいるということなので、そこは恐ろしくもあるのですが。だからこそ、ずっとシリーズを通して一人ではダメなんだとか、他者に会いに行こう、ということを言い続けてるのがプリキュアシリーズだとも思います。何度も書いてますが『映画プリキュアオールスターズNS』は何重にもスマイルの主題の圧縮になっているのだと思っていて、だからあの映画も、一般人である坂上あゆみさんが自分が主人公になって、まず勇気を出してクラスメイトに話しかけてみるという一歩を踏み出す所で終劇してるのだろうなと。みゆきさんが最後の希望とまで言い切った「友達」だけど、最初のはじまりは、メルヘンから貰ったスマイル作戦で、スマイルで一歩踏み出してみた、という所から始まっているのでした。

 ラスト3は自分についての話でした。バッドエンド自分をどかして、かつて掲げた理想の自分である名前の由来にアイデンティティとして到達するお話。利己に堕ちず、他者との関係性の中で進んでいくという理想(メルヘン)を追うよ、頑張ってみるよ、という話。そしてラスト2が他者(友達)が希望になるというお話。そしてあと一話残ってるのですね。どういう風にフィナーレさせるのか、とても楽しみにしております。


→色々

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