「ケロケロケロケロケロ」(謎の目覚まし)

 ドキドキ!プリキュア第10話「転校生は、国民的スーパーアイドル!!」の感想です。
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 今回の見所ベスト1。


第1位:ちょっとだけ自己中

 「でもそれって、当然ですわ」(四葉ありす)

 作品全体としては自己中はよくないという表面的な道義を掲げる作品なれど、そうは言っても人間だもの、ある種の自己中はあり得るというようなお話。例えば愛する人を独り占めしたいという気持ちは誰しも抱きえる。それを、自己中よくない、愛する人を分割してみんなに分け合いましょう、となるとそれでいいのか? 感が出てきてしまう。僕世代かそれよりちょっと上くらいで本とか読む人には澁澤龍彦の評論とかに出てくる話ですな(一個のリンゴは分け合うべきなのかとか、そういう話)。この流れが、自分度外視して無制限に愛を散布しようとする序盤のマナさんについてまわる疑問符と関係してくるのか。一人で全員に愛は分け与えられない問題と、マナさんは全員に愛を分け合いたい反面、受け手はマナさんを独占したいというディスコミュニケーションが発生してる問題と、二点。

 自己中がある側面ではありなんじゃないの? 的な話は、第8話の「寝たい」は自己中って言ってもアリなんじゃないの? あたりから仕込まれ始めてる感もあるんですよね。あの話も、寝たいなんて自己中です、他人のために寝ないで働きなさい! というのは、何かおかしい。だから、寝たい自己中がジコチュー化した結果、お疲れのサラリーマンもひと眠りできたし、敵幹部さんも眠れて吹き出物が取れてハッピーと、何だか本当の意味での良い悪いが逆転してるように映る、不思議なお話。

 この流れと関係するのかしないのか、今話ではありすがエラく重要なポジションなんだけど、ありすという名前だし、第2話(『幸福の王子』に最初に言及した回)で六花さんがそれを元にした台詞を言ってるし、『不思議の国のアリス』も何か本作にかかってるのかもしれない。例えば、だけど、自己中をまったく廃したらあの物語は始まりもしない。他人優先で、大人しく、本を読んでるお姉さんの横で行儀よく待ってるだけだと思うので。


公開初日に観てきた『映画プリキュアオールスターズNewStage2 こころのともだち』の感想はこちら(ネタバレ注意)


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