ドキドキ!プリキュア第14話「夢か約束か!六花おおいに悩む!」の感想です。
今回の見所ベスト1。
第1位:自分と他人
自分志向と他人志向との間の折り合いを少しずつ進める話が多いと感じるここ数話。大事な他人(マナさんら友達)のためにブチキレて暴力をふるう自分を抑制していたありすは友達との関係性が進展した結果自分に返りはじめ(暴力としての武道を忌避するだけでなく、守るために自分の意志で攻撃もできるようになった)、大事な他人(お母さんとの約束。また医者自体が他人のため要素が強い職業)のために勉強していた六花さんは、何やら自分のやってみたいこととして競技かるたなんてものを見つけてくる。
競技かるたが、人の心情に想いを馳せるという百人一首が絡んでる設定なのも上手い。つまり、相手の気持ち(ハート)が分からないまま他人に尽くし続ける(他人主義)幸福の王子と、相手の心情(ハート)に想いを馳せながら自分のやりたいことをやる(自分主義)はどっちがいいのだろう、という対立に今の所なっている。ありす、六花さんという順番できたけれど、他人主義で一番色々こじらせてるのは幸福の王子本人たるマナさんなので、このパートがどう主人公の物語に繋がっていくのかは楽しみ。他人に助けを求めず、助っ人だけで自分の物語がない、という現在のマナさんが、今回の他人の心を考えながら自分のやりたいことをやってみた、という六花さんと一番対照のポジションなんですな。
そして、今話は手紙で繋いでいた菱川家のリンクが本当に繋がっていった(ハートが通じ合っていた)という親子関係のリンクと、レジーナさんとキングジコチューという親子関係のリンク(今の所まだハートが通じ合ってるようには見えない)との対照の話でもあると感じました。他者や家族とのリンクを是とかかげるプリキュアサイドが、キングジコチューやレジーナさんを倒してしまったら、それは彼女たちの親子のリンクを切ることになってしまうという構造。敵を全否定して倒してしまうと自分たちが大切にしていたことをも否定してしまう。自己中テーマの方も、最近の流れのようにある種の自己中、というか「自分」は大事でもあるとするなら、やはりレジーナさんをはじめジコチューを全否定して倒してしまうと、自分たちのことも否定することになってしまう。そんな、「自己否定」が物語にからまっている平成仮面ライダー的構成。マナさんは最近のシリーズの中でもいつにもましてヒーローっぽい主人公なので、この辺りのヒーロー物語がどう進展していくのかも楽しみです。
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