「架け橋になろう」(相田マナ)

 ドキドキ!プリキュア第20話「クリスタルの導き!王女様のもとへ!」の感想です。
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 今回の見所ベスト1。


第1位:架け橋

 ある種の、自己中は必ずしも悪じゃないでしょ、という話がここしばらく続いている感じ。前回の「自己中=約束を破る」にしても、例えば第14話では六花さんが、母親との約束を破って、というかそれよりも優先して良い自分のやりたいことはあっても良い、という風にまとめられておりました。あの辺りの、他者志向の方にふれていたありす、六花、真琴が、少し自分志向の方にも動き出す、という話が、この中盤の山場であろうレジーナ(魂は自己中)の話に繋がっている感じ。前回の約束破りは無論良くない事として描かれる一方で、ああいう所有欲、支配欲的自己中が、例えば欲しているもの(王女様とか、今話のゲストキャラが目指した頂上とか)に辿り着かせたりもする、という辺りまで射程に入ってると感じる。

 引き続きレジーナの目が赤くなる描写は、キングジコチューから引き継いでる自己中が顕現してる状態、と仮定すると、レジーナのスイートプリキュア風に言うなら「自分のビート」は自己中、赤色なんだよな。だから、ロイヤルクリスタルもレジーナ担当と思われる色は赤色。自己中が改善されて、他人を思いやれる人になりました、めでたしめでたし、ではなくて、そのある種の正しさとしての自身の本質たる自己中を宿したままの赤きレジーナで行ってほしい。

 そんな自分が大事、ある種の自己中的正義の対照にずっといるのが、他者志向のマナさんとアン王女ですが、どうも、うまい具合に他者志向だけでは氷漬けだし、自己中だけでは石化(キングジコチュー)と、どうしようもない(この両者はプリキュアシリーズ定番のディスコミュニケーション状態の比喩かと思われます)、そこに意志の疎通たるリンク、架け橋がもし作れたなら、という流れが示唆されはじめた感じ。

 大きい話に他者志向の王女様と自己中のキングジコチューがあり、でも身近な話として、他者志向でどうしようもないマナさんと自己中でどうしようもないレジーナが「架け橋」になれたなら、という。「架け橋」はいよいよ出てきたキーワードですね。第7話、今話のクレパス、映画『プリキュアオールスターズNS2』の山場などなどと、断崖(リンクが切れている)に落ちてしまう人に手を差し伸べる、というシーンが比喩的に多用されてると思うのですが、他者志向の人が手を差し伸べるだけでは、美しいけどまだ危ういんですよ。たぶん、あの一連の断崖、断絶のシーンの回答は、「架け橋を作る」だと思うのです。新プリキュア登場も告知されて、お話も盛り上がってきてる感じです。

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→前回:ドキドキ!プリキュア第19話「クリスタルをかけて!ジコチューのゲーム!」感想へ
→次回:ドキドキ!プリキュア第21話「トランプ王国へ!王女様を救え!」の感想へ
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