「ついにこれを手にする時がきたようです」(セバスチャン)

 ドキドキ!プリキュア第25話「華麗な変身!ニューヒロイン登場!?」の感想です。
 ◇

 今回の見所ベスト1。


第1位:キュアセバスチャン

 マニアックな話から入ると、『仮面ライダー555』で「変身ベルトがあれば誰でも変身できる」が描かれたりして、その頃から主題として顕現してきた話だと思ったのです。誰でも変身できるからこそ、本人の資質が問われる。ヒーローって何だ、と問われるという話だと思うのですね。最終回のカイザが草加じゃなくて木場なのにはちゃんと意味があると僕は思ってるんだよね(え)。

 そういう訳で、キュアセバスチャンまではわりとアリというか、偽プリキュアだけど守りたい心は本物、みたいな。でも、同じ人工コミューンを使って変身しても、キューティーマダムの方は自己顕示が動機になってしまっていて、それはやっぱヒーローじゃないだろう、というような。

 今週のプリキュアの誓いの三つ目はここまでで一番良かったかな。


 「愛することは守り合うこと」


 『スマイルプリキュア!』の児童化回における、そっと幼みゆきたちを見守っていたお巡りさん相当が、今回のセバスチャンみたいな感じですかね。自分が大切な人を守る、そのためには戦えるという境地には既にいたありすが、「また、自分自身も誰かに守られている」という実感に到達した時、もう一ステージレベルアップするというのはカッコいい。最近やっていた自己中と他者愛の融合みたいな視点にも立っていると思う。こちらが守ってるだけという認識は、他者愛のようでいて自己中にも思える。自分も守られていると思った時に、ある種の自己中から、他人も含めた世界に開いて行けるというのは共感できる。

 だから、ここ数話のパワーアップ回は主要四人がステップアップするきっかけが、四人内部の内輪だけじゃなくて、外部という他者からもたらされてると思うのですね。マナさんは亜久里に、真琴はアン王女に(少し解釈別れるか……)、ありすはセバスチャンに、そして、次回予告から、六花はおそらくイーラに、でしょうか。

 この「思いがけず他者に守られている」は、予感として物語に組み込まれているマナさんの破綻の回避、あるいは立ち直りに、結構重要要素な気がする。先行してシリーズの主題を凝縮している春の『映画プリキュアオールスターズNS2』も、マナさん本体は自分がないかのような「助っ人」なんだけど、振り向いてみたらこれまでのプリキュアたちが支えてくれていた……っていう所がクライマックスだし。

 また、その表現が、ドキドキ!プリキュアはおそらく各シリーズの要素を意図して取り込んでいるのではないかというRubyGillisさん説がけっこうそうなんじゃないかと僕も思い始めている中、メタ演出として効いてくる。「思いもかけず守られている」のは、これまでのシリーズにもかもしれない。もっと文脈を広げて、頑張ってくれていた現実の先人たちにかもしれない。

 その文脈で、次回は雨の河川敷で敵側の少年との物語、対するは夫か嫁かで言ったら嫁ポジションの六花さんと、「無印」回(キリヤ君の物語のあたりね)だよな……。これ、本当に「フレッシュ」回きたら僕ボロ泣きしそうだよ。

→キュアエース

ドキドキ!プリキュア キュアドール! キュアエース
ドキドキ!プリキュア キュアドール! キュアエース [おもちゃ&ホビー]

→『映画プリキュアオールスターズNS2』のBlu-ray&DVD

映画プリキュアオールスターズNew Stage2 特装版Blu-ray
映画プリキュアオールスターズNew Stage2 特装版Blu-ray [Blu-ray]

→前回:ドキドキ!プリキュア第24話「衝撃!まこぴーアイドル引退宣言!」感想へ
→次回:ドキドキ!プリキュア第26話「ホントの気持ちは?六花またまた悩む!」の感想へ
ドキドキ!プリキュア感想の目次へ