ドキドキ!プリキュア第30話「最後の試練!伝説のプリキュア!」の感想です。
今回の見所ベスト1。
第1位:一万年前とリンク
マナさんらの物語の層と、アン王女らの物語の層(トランプ王国関係の物語)だけでも中々に複雑だったところに、さらに「一万年前の物語」という層が追加されて、ますます重層な物語構造に。や、あるいはキングジコチュー様とレジーナの層はむしろ今回の「一万年前の物語」と関係があるのか? 幼少時の記憶がない伏線もあり、今一つレジーナが何者なのかも謎を呼ぶ感じなのですよね。
他者愛を優先し過ぎて「リンクが切れてしまったバッドエンド」がアン王女の層(アン王女が真琴の手を自分で離すシーン)、キュアエンプレスがどんな人だったかまだ不明なれど、今回だけ見ても、例えばメランはリンクを閉ざして島にこもって暮らしていた。あるいは最近では亜久里も、一人で過ごしていた。
そういう「分断されてしまった孤独」、というバッドエンドを、マナが一度分断されたレジーナとのリンクを取り戻すことで、乗り越える、先に進む、という所にまず物語は向かっているように感じます。
一万年前の物語と、現在の物語のリンクは今回描かれていて、「絶対諦めない」が一万年前の物語のキュアエンプレスと現在の物語の相田マナとで繋がる要素だったということ。断絶を超え得るリンクはある、ということ。「絶対諦めない」は全プリキュアシリーズで、主人公たちが最終局面で叫んできた言葉なので、各プリキュアシリーズのリンク、みたいなメタな意味合いも感じたりしました。
で、三種の神器なるミラクルドラゴングレイブ、マジカルラブリーパッド、エターナルゴールデンクラウンが提示されたので、それを集めていく過程が、「リンクを繋いでいく過程」に比喩されるような感じになるのかな。これ、リンクを繋ぐんなら、最後は全部装備したりするのかな(『仮面ライダー』脳)。
主要二つの層である、「一旦途切れたレジーナとのリンクを取り戻す」マナと、「一旦途切れたアン王女とのリンクを取り戻す」真琴は、物語的に見ていてたいへん熱いです。こういうことに信念をとす姿は美しい。
真琴とマナが最初に本当の意味でリンクした回も、食事(オムライス)を一緒にした回なんだよな。亜久里とリンクする回も、一緒にお祭りでスイーツを食す。今回も、メランと一緒にカレーを食す。
「まあそう言わずに、一緒に食べない?」(相田マナ)
食を共有するというリンクの方法。
これ、最終戦の決着はもう皆で一緒に鍋を食すしかないよ。TJさんの「鍋プリBOOK」は先見性があり過ぎたよ、これ(え)。
→ラブリンク
→Yes!プリキュア5Blu-rayBOX
→前回:ドキドキ!プリキュア第29話「マナのために!シャルル大変身!」感想へ
→次回:プリキュア雑記(2013年9月5日/テーマが光り始めるこの時期)
→次回:ドキドキ!プリキュア第31話「大貝町大ピンチ!誕生!ラブリーパッド」の感想へ
→ドキドキ!プリキュア感想の目次へ