「執事拳法三式」(セバスチャン)

 ドキドキ!プリキュア第33話「ありすパパ登場!四葉家おとまり会!」の感想です。
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 今回の見所ベスト3。


第3位:三人目

 特に前回、前々回で、ドキドキ!プリキュアは幸福の王子(マナさん)が他者を助ける→マナさんの愛が伝導した他者が立ち上がりリプライとして助け返す……というのが中核の作品なんだなと分かってきた感じです。で、前回のマナさんの台詞を借りれば、そういう誰かを手伝ったり、逆に助けて貰った時に感じるドキドキっていうのが、作品題『ドキドキ!プリキュア』の中心的な意味だと。

 そう思うと今話も、最初の出会いのシーンでマナさんがありすを助け、その後病弱だったありすは徐々に強くなり、やがて、


 「私もマナちゃんのようになりたい」


 に至る、と。

 マナさんの愛が伝導していた人間体シャルルが第二の相田マナ的な通りすがりのヒーローになる第29話、マナさんの愛が伝導していて立ち上がった前話の二階堂君や大貝中学の生徒たち。そういう流れの中の最初にいた人が、ありすでもあったと。幸福の王子の宝石、愛の散布がきっかけとなって病弱だった少女は立ち上がり、現在編の今バトルシーンでハートを助け、ハートから


 「助かったよ」


 が返されるという流れは綺麗。ちゃんと、リンクによる伝導が双方向化してる。

 六花はツバメポジションの二人目なのでまた少し別枠と解釈してるのですが、最初のマナさんから受け取り立ち上がった人、三人目がありす。


第2位:セバスチャン

 ずっと前から、プリキュアたちと、外部の世界の人達との中間のポジションにいるセバスチャンは超重要キャラなんじゃないかということを書いてるわけですが、今回も過去編でマナと六花−ありす間のリンクを繋いだのはセバスチャン。これ、セバスチャンからはありすパパに繋がり、ありすパパは大統領とかその辺りまで繋がってる(リンクがある)というのは伏線っぽいよな……。

 また、ありすパパ自体がそうやって世界中を飛び回ってリンクを繋ぐ人であり、そんな人を今回キュアロゼッタが助けている。上記の幸福の王子と街の人のリプライ理論からしたら、いつかありすパパからのリプライもあり得るわけで。

 ありす=キュアロゼッタに気づいてる描写といい、前回が大貝中学の一般生徒がそのままジコチューと戦う描写がある話で、その次にこのエピソードを持ってきてる順番といい、地味にプリキュアたち五人と外部世界のリンクの本格化に向けても仕込みはじめた重要回だったのかもしれない。


第1位:キュアロゼッタ

 第4話→守るためなら戦えるという境地へ〜第25話→守るだけじゃなく、守られていることも含有した時に次の境地へ……という順番だったありす回。バトルパートの戦い方がけっこうそれとシンクロしてるのが凄い。

 バリア属性、守る力を使いながら、攻撃にも無双できるようになったという今話の描写は良い。ジコチューも手紙とか列車みたいな、分かりやすくヘリコプターという移動手段、リンクを司るものだったので、それを守るためにロゼッタ大活躍というのはカタルシス。伊達に初メイン回で「世界を制するのは愛だけ」と言いきって視聴者を驚かせていない。セカイ系とか何言ってるの? というごとく、本気で世界と関わりながら世界を愛あるものに変えにいってる人。


 「行こう。外へ」


 幸福の王子から愛が伝導して、次の通りすがりのヒーローが現れる(立ち上がる)理論、最初の方に、どエラい人がまじっていた!

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→前回:プリキュア雑記(2013年9月19日"台座の下のリンク")へ
→前回:プリキュア雑記(2013年9月16日"二階堂くんのポジション")へ
→前回:ドキドキ!プリキュア第32話「マナ倒れる!嵐の文化祭」感想へ
→次回:プリキュア雑記(2013年9月23日"『幸せの王子』バッドエンドからの分岐条件と物語終盤の打倒対象")
→次回:ドキドキ!プリキュア第34話「ママはチョーたいへん!ふきげんアイちゃん!」の感想へ
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