ハピネスチャージプリキュア!第1話「愛が大好き!キュアラブリー誕生!」の感想です。
今回の見所ベスト3。
第3位:物悲しい雰囲気
めぐみさんとその友人周囲の明るいパートとコントラストをなすように、背景に広がってる世界観とか雰囲気がしんしんと物悲しい。
ひめの王国は侵略されて亡命中。立派な亡国の姫君。
プリキュアによる防衛線は突破されて、身近な「街」は浸食されてる風景がもはや自然で、戦時下。
頼みの綱のプリキュアは連敗中で、
「もう頑張りたくても、どう頑張ればいいか分からない」
とか言っている。
それを言い出すとクイーンミラージュ様(国府田マリ子さんボイス!)もなんかオープニングで涙を流しているし、
「全ては幻よ」
とか言っていて悲しい。ミラージュ様の周囲のお菓子的、メルヘン的な要素はたぶん「ミラージュ様にとって都合がいい(幻的な)世界」っぽいですしね。
もうなんか、敵も味方も苦しくて悲しい感じ。幸せ、どこいった、という趣。
第2位:白雪ひめ、キョドる
10周年作品ということもあり、各所に色々なシリーズのモチーフが見られたのですが、ひめの「友達いない」「話しかけられない」は『映画プリキュアオールスターズNS1』の坂上あゆみさんの物語を連想したかな。
ヒメルダ・ウィング・キュアクイーン・オブ・ザ・ブルースカイと、肩書きは立派なのですよ。『ドキドキ!プリキュア』より、色々繋がってると解釈すると、肩書きは大貝中学生徒会長とか四葉財閥のご令嬢とかに、全然引けを取ってないのです。でも、『ドキドキ!プリキュア』で「幸せの王子と街の人達」モチーフ的に、街の人達、様々な人たちがプリキュアになるんだ、立ち上がってリソースを追加して問題解決していくんだ、とは言われてみたものの、肩書きだけで、スペックが、何よりハートが追い付いていない。そういう意味で、いきなりドキドキ!組みたいなヒーローにはなれない。
「知らない人に話しかけるの怖い」とか、「初対面の人と話そうとするとキョドる」とか、「友達いっぱいの人をみかけるといたたまれなくなる」とか、僕は男だけど、現代人一般的に感覚として分かる。年頃の女児&女子だと、なおさら深刻に共感する部分なのやもしれない。
第1位:愛乃めぐみ変身
毎年第1話の変身シーンはグっとくるから凄い。
『ドキドキ!プリキュア』から繋がるモチーフ的には、この時点ではめぐみさんは「幸せの王子」から贈られた宝石を受け取ったただの街の人(ひめ(王族)が愛の結晶(宝石的なもの)を投げる→街の人が受け取るが、「幸せの王子と街の人達」モチーフとして連続している。)。
なのだけど、この時点ではファッションな感じだったとしても、「友達」になったひめの危機に、敵さんの前に立ちはだかって言ってやる。
「見て見ぬふりをして自分の身を守る。それが賢い生き方ですぞ」(ナマケルダさん)
「自分だけよければイイなんて、私は嫌だ」(愛乃めぐみ)
女の子が帽子を落として困っていた所にめぐみが手を差し伸べる、今度はめぐみが転倒しそうになった所で、イケメンの幼馴染(誠司)がめぐみに手を差し伸べる、という前半の描写の仕込みから連続する感じで、身近な大事な人の苦難に手を差し伸べる、ということが描かれる。
この、マナさんみたいな超人的、幸せの王子としてのプリキュア有資格者とは違うのだけど、ただの街の人でも、その大きな愛の点でこの子はプリキュア有資格者だと思わせる描き方カッコいいな。めぐみさん変身。
立ち上がった街の人、「次の」ヒーロー。
「感動した」「師匠!」「愛乃めぐみ、行きます!」と、その言葉、ポーズまで決めたり、何やら男前。武装は「愛」。
色々物悲しく、劣勢で、街の居住が既に浸食されてるような状況だけど、とりあえず言ってやった。
「不幸はここまで。このキュアラブリーが、みんなのハピネス、取り戻すんだから!」
この逆境からハピネスを注入開始する気とか。熱い。
◇◇◇
話題の10周年記念歴代プリキュアお祝いコメント映像、初回はキュアブラック。まだ関東圏で学生やってた頃に『ふたりはプリキュア』第1話を観たのは今でも鮮明に覚えています。2011年以降でシリーズとしていくつかの点が変わったと思うのですが(これはプリキュアシリーズに限らず、日本の創作作品全般かと思いますが)、この、過去のヒーローも今に力を貸してくれる。そこから想起される、視聴者それぞれの過去の頑張り、過去の時間はきっと今に力を貸してくれる、という感じの企画は、良いです。
ナージャさんの逆境(僕はナージャ好きだったんですけどね。ほぼ全話感想書いてましたしw)から、なりふりかまわず徒手空拳で、逆襲を開始する、やってやる、という美墨さんのノリは今に反映させていきたい。負債? スーパーコンテンツを作って返してやるよ。
→オープニング主題歌&エンディング曲が予約開始
→プリキュア10周年公式アニバーサリーブックが予約開始
→前回:ドキドキ!プリキュア第49話(最終回)「あなたに届け!マイスイートハート!」感想へ
→次回:ハピネスチャージプリキュア!第2話「ひめとめぐみの友情!ハピネスチャージプリキュア結成!!」の感想へ
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