- ブログネタ:
- ハピネスチャージプリキュア! に参加中!
ハピネスチャージプリキュア!第11話「謎のメッセージ!キュアハニーの秘密!!」の感想です。
今回の見所ベスト1。
第1位:平和とごはん
「ごはん美味しい」と「歌」のキュアハニーはやっぱり『スイートプリキュア♪』で描かれていたような「共有体験」がキーだと思ってるんですよ。生物として食事が大事なのは敵味方とか関係なく普遍的だし、歌も国籍とか立場とか違っても、それを媒介にして解り合える類のもの。一緒に理解の鍵を探り合える「共有体験」を作れるもの。
「いっしょに美味しいものを食べれば、争いなんて」(大森ゆう子)
で、ますますTJさんの「鍋プリ」BOOKの世界に入ってきてる感じですが、実際イデオロギーが違う相手を打倒したいとか支配したいよりも、共有体験(一緒にごはん食べて美味しいとか)を媒介に交流していきたい、という方がもはや一次元高い精神性に入ってきてる昨今だと思うので、キュアハニーはカッコいい。「飴はいかが?」はカッコいいな。収奪する側よりも、与えることができる側の方が実は強い。
そういう流れで、『ドキドキ!』から続いていると思われる文脈的には、ごはん大事とか平和が大事という「宝石」をハニーが配るんだけど、やっぱり受け取れない人、というのもいるわけで。前半で一緒にパンケーキを食べてたシーン、ラストの一緒におにぎりを食べてたシーンはゆう子のハートがちゃんと伝導して「共有体験」が形成されてたシーンだと思うのだけど、対照的にナマケルダさんは飴を受け取るのも歌を聴くのも拒否してしまうし、クイーンミラージュ様もそんな歌で自分の心は癒えない、と言う、と。『ドキドキ!』のレジーナにもマナさんの愛は届くのか問題を継いでる感じで、世界には「受け取れない」人もいるということ。そこでどうやっていくのか、という点にハニーの物語性がある感じ。
「美味しいご飯にこだわる」がキーなのかな。いきなりの美味を望むのではなく、過程を漸進的に踏んでいこう(素材の段階、料理の段階にこだわったり、農作業の段階から追及したり)というのは、これまでのストーリーにあった、いきなり伝説級のプリキュアにはなれないけど、まずは「立ち上がった街の人」から、いきなり友達100人は無理だけど、まずは友達1人から、と通じる姿勢。そういう意味で、いきなりピピピとテレパシー的にナマケルダさんやクイーンミラージュ様に「ごはんの共有体験」や「歌」が届くわけじゃないのだけれど、地道にやっていくよ、みたいな。
あと少し硬い話にも想いを馳せてみると、『映画プリキュアオールスターズDX1』の時に、プリキュア達が戦う相手は「グローバル化」(象徴されてるのが何でも飲み込んで同化してしまうフュージョン)だという趣旨の閃きを鷲尾プロデューサーが持っていたというインタビューがあるのですが、「食事のインスタント化」って、「グローバル化」側の概念ですよね。まあ、マクドナルド資本が世界の食事を同質化、消耗化の方向で席巻したみたいな話ですよ。そう考えると、コツコツ農作業にこだわり、素材にこだわり、料理にこだわり、インスタントじゃない「食」を追及するっていうのも、ある意味「グローバル化」に抗う方向の営みだと思ったりもするのですよね。
とかく気を抜いてると消耗化に流されがちな昨今なので(それくらい競争世界の上澄みのグローバル資本のパワーが強い)、だからこそ敢えてハチミツにこだわりぬく、みたいなハニー精神はリアルでも大事にしておきたい。
→キュアマーチ
→ハチミツ
→前回:ハピネスチャージプリキュア!第10話「歌うプリキュア!キュアハニー登場!!」感想へ
→次回:ハピネスチャージプリキュア!第12話「めぐみピンチ!プリキュア失格の危機!!」の感想へ
→ハピネスチャージプリキュア!感想の目次へ