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記事中はネタバレ注意です。
これは、『スイートプリキュア♪(感想)』でいう、
「レコード取り返そう、奏」
「OK、響」
を、リアルでやってやるというプロジェクトなのだと思いました。監督も、『スイートプリキュア♪』と同じ境宗久監督です。
「昔は楽しかったな」(北条響/『スイートプリキュア♪』第1話より)
『スイート』で象徴的に使われていた「想い出のレコード」=「この『セーラームーン』という作品」そのもの、というコンセプト、という感じで。
価値観が多様化し過ぎた現在、世の中はそれぞれの領域(クラスタ)に別れて、言い争いばかりしている。震災のように、共時的、通時的に「断絶」が起こるような出来事もあった。未だに仮設住宅暮らしの人と東京の都会で暮らしてる人の現実は違うし、中流層が解体に向かった現在、貧困層と上流層の見ている現実も違う。
そういう「断絶」を、「過去の共有体験」を媒介にして乗り越えていく、というのを描いたのが『スイートプリキュア♪』という作品だと思っています。現在はどうしようもなくバラバラだけれど、昔一緒に聴いていた音楽が、作品が、次の形の連帯のきっかけになれたなら、というお話。
『スイートプリキュア♪』開始当初から、三石琴乃さん(セーラームーン役)が配役されている点、小清水亜美さん(『明日のナージャ』のナージャ役)が配役されている点から、コンセプトとして、東映アニメーションの歴史的連帯、その初動が『スイートプリキュア♪』なのではという文章を書いておりましたが(こちらなど)、あれから三年半経って、ようやく本格的に解き放つ時がきた、という感じなのではないかと。
亜美ちゃんが金元寿子さん(キュアピース役/『スマイルプリキュア!』のキュアピースメッセージ回は境宗久監督が担当(第19話など))ですし、変身バンクは音楽もコンテも『スイートプリキュア♪』っぽいですし、境宗久全部投入感を感じております。
そんな感じで、『スイートプリキュア♪2』みたいな視点で視聴してみるつもりです。実際、懐かしいとかそういうコメント多数ですし、普段は全然別の領域で活動してる人たちでも、『セーラームーン』くらいは聞いたことある、という現実。明らかに現在の世に残ってる貴重な「過去の共有体験」です。海外向けへも全力展開ですが、そういう「想い出のレコード」的なものを取り返しながら、今を生きる力として、外貨とかばんばん獲得していったらといいんじゃないかと思いました。ど直球世代のわりにそんなに熱心に観てた経験はない僕でも、オープニングの「伝説のコンテンツ今再び」感は高揚するものがありました。キュアピースの精神で、逆境だけど大事なこと伝えてやるよ感を(海外向けも含めて)やっていってほしいです。
→次回:『美少女戦士セーラームーンCrystal』Act.2「亜美 -SAILOR MERCURY-」の感想へ