ブログネタ
ハピネスチャージプリキュア! に参加中!
 「でもそれが難しいってことも分かってるの」(大森ゆう子)

 ハピネスチャージプリキュア!第29話「アクシアの真の姿!シャイニングメイクドレッサー!!」の感想です。
 ◇

 今回の見所ベスト1。


第1位:平和


 「誰かが不幸のまま、自分だけ幸せにはなりたくないの」(愛乃めぐみ)

 今の所『ハピネスチャージプリキュア!』のマイベストシーン、氷川さんがプリキュアの力と再契約する時の口上と、同じようなことをめぐみさんが語ります。第22話(感想)ですね。


 誰かを助けるとか、誰かを消すとか、そういう願いではどこかに不幸が残ってしまう。

 私はみんなを助けたい。みんなの願いを叶えたい。この手で。(第22話より)



 そのための方法が「プリキュアになる」ことだと。それまで流れ(お姉さん関係)で、あるいは少しファッションにプリキュアやってた感じがあったのだけど、この回から希望の象徴としての真プリキュアにという感じ。

 この覚醒回の決意は、ある種の犠牲を出さない道を求道する、そういう理想を追う、ということだと思うのですが、今話の台詞を追っていくと、それを氷川さんだけじゃなくめぐみさんも共有してる感じだし、ゆう子はもちろんそれが理想だと追っているのだけど(みんなでごはんを食べられるのくだり)、「でも、それが難しいってことも分かってるの」と述懐するという。

 プリキュアシリーズ的には、やっぱり「犠牲になったポジション」っていると思うのですよね。『5』〜『GoGo!』ならダークドリームさんに館長、アナコンディさん辺り。『フレッシュ』ならメビウス様は自爆してるし、『ハートキャッチ』ならダークさんやサバーク博士、『スイート』はそれを踏まえて一歩進んだ(「悲しみの共有体験」を媒介にノイズ様も排斥はしない)感じで、『ドキドキ!』だと、マナさん自身が犠牲になるかどうか問題が物語のけん引力だし、レジーナと亜久里どちらかしか存在できない問題もこの手のテーマ。最後までいっても、アン王女(とその伴侶の岡田)だけは犠牲になってると捉えられますし。

 そういう流れも感じた上で、「犠牲」が出ない、どこかに不幸が残らない解法を目指す、ということを『ハピネスチャージ』では掲げ始めてると思うのだけど、ゆう子の自覚通りそれは非常に厳しく、一種夢物語的とも思える。これ、犠牲や不幸が出ない世界って「平和」ってことだと思うので、今週の十周年挨拶がキュアピースなのはその辺りの繋がりなのかなと。『スマイルプリキュア!』第46話(感想)の、世界平和という夢をバッドエンドキュアピースに嘲笑われて、それでも頑張るよとピースを返した、辺りを思い出す。形のないもの、実現不可能かもしれないもの、メルヘンかもしれないもの、そういうものを体現してみせるという覚悟を決める『スマイルプリキュア!』の流れ。やよいさんにとってはお父さんやミラクルピース(いずれも実在はしない)がそれだったわけですが、最終的には「平和」もそんな文脈だと思うのですよね。現実にあるとは言えない、実現不可能かもしれない。綺麗事やメルヘンなのかもしれない。だけど、それでも追うよという類のもの。とりあえず、『ハピネスチャージ』でも現時点で少なくとも氷川さん、めぐみさん、ゆう子はそんな理想を抱いてしまってるというのは、シリーズ通してでも熱い。

 そして、今話ではブルーたちは「クイーンミラージュ様と話がしたい」ということを言ってるのに、ディープミラーが間に入って、クイーンミラージュ様には「ブルーがクイーンミラージュを倒すために本気になった」と伝わってるのが、プリキュアシリーズ的には定番の「ディスコミュニケーション」要素な感じ。もう、『GoGo!』の館長とフローラ様とのディスコミュニケーション辺りからずっと描いてる例の要素ですね。映画ASNS1の、あゆみさんとフーちゃんがすれ違うとかもこの要素。

 解法は50話ほどかけてキュアローズガーデンまで行った夢原さん、とりあえずイース様の元に走った桃園さん、あるいはフーちゃんの所まで走ったあゆみさん、去年だとしつこくレジーナ様に会いに行こうとするマナさんとか、「直接会いに行く」でシリーズ的には踏襲してるので、今回も直接ミラージュ様の所まで行くのだと思う。鏡ばっか見てても分からないことあるから、直接会いに行けよというような話ですかね。

 一方、ブルーとミラージュ様の恋愛バッドエンドは「一人の人を愛するか、全員を愛するか」問題を含んでいるので、これ子供達の恋愛話でバッドエンドをトゥルーエンドに乗り越える作劇だと思うのですけど、どう落とすのか楽しみ。いや、俺はめぐみ一人を愛するよ! になればトゥルーエンドな気もするし、めぐみさんのビッグな愛が世界(全員)に届いた、だけどめぐみさん個人の恋愛は成就しなかった、もそれはそれで(擬似相田マナさんエンド的で)切なカッコいい。

→品薄解消中



→後期エンディングテーマ曲



→前回:ハピネスチャージプリキュア!第28話「ハワイ上陸!アロ〜ハプリキュア登場!」感想へ
→次回:ハピネスチャージプリキュア!第30話「ファントムの秘策!もう一人のキュアラブリー!」の感想へ
ハピネスチャージプリキュア!感想の目次へ