ブログネタ
ハピネスチャージプリキュア! に参加中!
 「私とデビットの」(大森ゆう子)

 ハピネスチャージプリキュア!第31話「まさかの急接近!?キュアハニーとファントム!」の感想です。
 ◇

 今回の見所ベスト1。


第1位:純真性


 例年テーマ提示回が集中する第31話・第32話近辺に『ハピネスチャージプリキュア!』も突入(『ドキドキ!』だと学園祭でみんなが立ち上がってくれる話が第32話、『スマイル』だとメルヘン時間の終わりが意識され始めるロイヤルクロック回が第31話)。


 「だから私はあの子のために、元気になるごはんを一生懸命作ったの」(大森ゆう子)


 幼い頃、傷ついた犬のデビットにごはんを作ってあげた、そうして元気になってくれた喜び、作る喜び、食べてくれる喜びを知った、というゆう子さんの原体験。序盤のハニー回から、食べ物を通じて対立する相手とも何らかの共有を持てると探ってるフシのあったゆう子さんのコアが明らかに。

 そして、その児童時代の原点を、この大人時代の戦時下でも敵であるファントムに慣行。傷ついてたから、おかゆ作ってあげた。食べてくれた。ごちそうさまって言ってくれた。

 児童時間の純真な原点を、過酷な大人の世界に入り始めた現在、それでも貫く、というのが前回のめぐみさんと同じです。

 人助けが喜びだったというめぐみさんの子供時代の純真な原点。過酷な大人世界では、能力がない人間が人助けしようとなんかしたって無力だとアンラブリーに突きつけられたのだけど、それでもこの厳しい大人の現実で「誰かのため」という自分の原点と再契約してみせる、という話だった。

 ゆう子さんの、傷ついた人にごはんを作ってあげて通じ合う、というのもこの流れで、幼少時の犬と、過酷な大人時代の敵兵とでは、本当は全然違うわけです。大人の現実は綺麗事では済まないこといっぱいだろう、と。それでも、自分の純真だった頃の原点を過酷な大人時代でも貫いてみる、ということ。

 そうしたら、ファントムも子供時間(相当)の純真な記憶と、戦いの現実に摩耗してる現在とがあった。思い出した光景が巫女時代のミラージュ様の姿なことから、ファントムも子供時代に該当するような過ぎ去った過去、純真にミラージュ様に仕えていた思い出があるのでしょう。その幸せな過去の紐帯(ゆう子とデビット、ファントムと昔のミラージュ)が今は途切れてしまってるのも同じ。その点が、ゆう子と共有できた。ごはん、作ってみて良かったよ、ということ。

 プリキュア10周年作品なのです。10年前純真にプリキュア観てた子供も、過酷な現実に打ちのめされてる頃です。それでも、児童時間の純真な自分なりの真実は、強いもののはずだから。過酷な大人世界でも突破口になる類のものと信じたいから。

 前期エンディング『プリキュア・メモリ』の歌詞は「大人になった時も忘れないでね。愛と勇気」。

 その流れで、次回発動するらしき新フォーム名がイノセントフォーム。純真性との再契約みたいな感じでしょうか。過酷な大人の現実は前提で、あえてイノセント。メルヘンのようにはいかない過酷な現実は前提で、あえてプリンセス(メルヘンの象徴)フォームを名乗る『スマイル』と感覚は近いでしょうか。『ハートキャッチ』の時の「スーパーシルエット」(あくまでプリキュアたちは当人の問題を助っ人する影)とイイ、新フォームの名称は毎回作品の核心と連動していて上手いと思っているのでした。

→カレンダー

2015カレンダー ハピネスチャージプリキュア!
ABC・東映アニメーション
エンスカイ
2014-09-17


→後期エンディングテーマ曲



→前回:ハピネスチャージプリキュア!第30話「ファントムの秘策!もう一人のキュアラブリー!」感想へ
→次回:ハピネスチャージプリキュア!第32話「いおなの初恋!? イノセントフォーム発動!」の感想へ
ハピネスチャージプリキュア!感想の目次へ