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 「まみさんの夢をバカにしないで」(愛乃めぐみ)

 ハピネスチャージプリキュア!第33話「わたしもなりたい!めぐみのイノセントさがし!」の感想です。
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 今回の見所ベスト1。


第1位:イノセントその2


 子供の頃の純真性は、大人になってくるとそのままではいられないけれど、あえてその頃の気持ちと再契約してみせるというような最近のお話。

 今回もオレスキーさんにさんざん「結局なーんもできんのだ」「お前では無理だ」と大人世界の厳しさを突き付けられながらも、めぐみさんが「それでもやっぱりまみさんの力になりたい。まみさんの夢をお手伝いしたい」と立ち上がるあたりは、めぐみさんの子供の頃の純真性である「人助け」を、大人になった今でも貫いてみせるというパートに見えます。

 もう一つは深大寺まみさんその人で、ロケットを飛ばすというのも言ってみれば子供的な純真性であって、大人世界のオレスキーさんからしてみれば「ただのお遊びではないか」という類のものです。このパートは、同じ長峰シリーズディレクターだからというのもあるけど、四年ほど前の『ハートキャッチプリキュア!』最終回でつぼみさんが宇宙飛行士という夢を見つけるのだけど、そんなのは子供だから言える世迷いごとだと、大人の世界に入るにつれて突きつけられる。だけど、そんなロケット、宇宙関係の夢を、めぐみさんに応援されながら、本当に目指す人もいるよ、みたいな劇外の文脈も感じたりしました。

 なのだけど、今話だけではめぐみさんのイノセントフォーム発動せず。子供の頃の原点の気持ち、「人助け」を大人になってももう一度……という所までは描いてる気がするのですが、それだけでは足りない模様。

 のびしろがあるとすれば今話で二つくらい感じていて、一つ目は、


 「こんな小さなものでも、ロケットを宇宙に飛ばすためには大切なパーツなんだよ」


 のネジに関するくだりで、ここは作中縦軸でも重要台詞の可能性を感じます。

 世界各地のプリキュアたちとか、プリキュアじゃないけどそれぞれの持ち場で頑張ってる増子さん(第16話感想)とか、潜在的な「街の人」としてのヒーローである卓真くん(第14話感想)とか、これまで描かれてきた様々な人たちは、様々な人たちなりに本然とリンクした役割がある、ネジ的、パーツ的な人たちとも言えると思います。だけど、ロケットを飛ばす、世界を救うには、それらのパーツを調整するポジションの存在が必要になる気は以前からしていました。一つは、本人はネジにすら今はまだなれない(今話でも人助けは失敗ばかり)めぐみさんが、そういうポジションでの能力を開花させるのかも、という可能性。調整者がちょっとニュアンスズレるなら、応援者、ですかね。一人ではなく皆の助力が前提みたいな能力。その人がいてくれるから、各々の役割に花開かせられると、そういう人。

 二つ目は、オレスキー将軍が「ならばお前が守ってみせろ」って言ってたあたりや、しきりにめぐみさんが「力になりたい」「お手伝いしたい」と言ってたあたりから、自分本人は子供の頃の純真性を大人世界で貫けるのか分からないけど、他人のそういう純真性とか、子供の頃の夢みたいなもの、そういうものは守りたい、と、そっちの「イノセントの守り人」みたいな方向にめぐみさんがいく可能性。『スマイルプリキュア!』の、自分自身はメルヘン時間をやがて卒業するのだけど、他人の、次の世代のメルヘンを今度は守るよ、に近い感覚。プリキュアを作ってるような方々が、リアルのこの手の純真性の守り人ポジションにも思えるので、こっちもあるかな、という気がします。自分が子供の頃の純真性を守れているかというと、怪しい、ましてや子供の頃の夢が叶っているかどうかなんて、やっぱり大人世界は厳しい。だけど、それはそれとして、他人や次の誰かが抱いている純真性や、未来への夢や希望、そういうものは守りたい。これはもう、東映さんがずっと追ってるヒーロー像の一つとも思います。

 そんな感じで色々感じつつ、めぐみさんのイノセントフォーム覚醒回は楽しみ。話数的にもかなりのクライマックスなので、物語全体での重要イベントももってくるやもしれない……。

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→前回:ハピネスチャージプリキュア!第32話「いおなの初恋!? イノセントフォーム発動!」感想へ
→次回:ハピネスチャージプリキュア!第34話「ひめ大活躍!?盛り上げよう!はじめての文化祭」の感想へ
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