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 「一番じゃないと誰も見向きもしてくれなくなる。相手にしてくれなくなるからだ」(オレスキー将軍)

 ハピネスチャージプリキュア!第37話「やぶられたビッグバーン!まさかの強敵登場!」の感想です。
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 映画は初日に観てきて感想もアップ済みですが、毎回のごとく、二週くらいは感想記事中で映画の「コアな」ネタバレはなしの方向で(軽くは触れちゃいます)。その後は普通に言及していきます。

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 今回の見所ベスト1。


第1位:子供時間と大人時間


 卓真くんも、当初は『ドキドキ!プリキュア』から続く「幸せの王子と街の人」モチーフ的に、やがてヒーローとして立ち上がる「街の人」ポジションなのかなくらいに思っていたのですが、最近のテーマを鑑みるに、「まだ子供の頃の純真性の中にいる」ポジションでもあるのですね。

 で、一方でもうそういう子供の頃の純真性は摩耗してしまった、というか大人になる過程でやらかしてしまったような大人ポジションの登場人物もいて、ブルーとかオレスキーさん辺りな感じでしょうか。女の子に囲まれてる様子も、卓真くんとブルーで対比になっていると感じました。卓真くんも三角関係フラグは立ってるのだけど、まだまだ子供時間的な話。一方で、ブルーはもうミラージュ様と恋愛沙汰でやらかしてしまった大人時間の後なりの描写。

 オレスキーさんと卓真くんがぶつかる辺りも上手いと思って、子供なりの連帯とか、その中で自分はヒーローだとかまだ純真に信じてる卓真くんに対して、オレスキーさんは、何か人間関係・信頼関係で挫折した後の大人らしく、現在一番を目指してるのは何らかの過去の痛みの代償行為らしい、と。

 そういう話を、「ハロウィン」っていう、子供はお菓子を求め、大人も仮装してある意味童心に返る舞台でやってるのとか、大変上手いよなと。

 一方で誠司くん。


 「あのケーキもっと大きくなるとイイんだけどな」


 色んな含意がありそうですが、めぐみさんとの関係に関して、子供時間のようにケーキを分け合ってるだけでは満ち足りなくなってきてる感じなのかなと。

 この作品、ちょうど中学生くらいの昔プリキュアとか観ていた層が見れば、タイムリーにそういう気持ちを感じるかもしれないし、大人視聴者が見れば、かつてそういう頃を経験した、という気持ちで観られるかもしれないしなのですが、そういう子供時代から大人時代に変遷する頃の境界領域の「揺れ」を扱ってる辺りがイイんだなと。めぐみさんが「幸せハピネス」を連呼する背後に、ちゃんとある種「痛み」を伴うということを綿密に描きこんでいる。

 RubyGillisさんの感想に書いてあったこれも熱いなと思って、プリキュア=子供の頃の純真性……だとすると、ミラージュ様がラブリーに心穏やかじゃなくなったり、ファントムにアンラブリーの能力与えたり、キュアテンダーを切り札にしたりしてるのは、ミラージュ様も子供時間相当の「プリキュア」だった頃に未練があるというか、まだどこかで信じているというか、やっぱり「揺れ」の中にいるのかな、みたいな。

 映画の内容なども鑑みるに、プリキュア=子供の頃の純真のヒーローでも何でもできるわけじゃなくて、大人になる過程で何らかの挫折を伴うのだけど、でも全て現実はこんなもんさと諦めたくはない、そういう「揺れ」のお話で。やっぱり、子供の頃の理想通りにはならなかったとしても、現実を生きるなりのヒーローを追うって感じなのかなと。

 プリキュアという子供の頃の純真性が大人の現実の前で通用しなくなるであろうのはミラージュ様もめぐみさんも同じ。大人になる痛みが恋愛関係の話で象徴されてるのも同じ。で、どこかに二人の分岐を描くのだとしたら、やっぱり誠司の存在な気が僕はしてるのですが。苦しい時でも併走するというヒーロー像、という映画の方向性とも合致しますし。これ、何気に残り話数も少なくなってきてるのですが、誠司くん関係の山場は泣いてしまいそうだな……。

 映画、もの凄く良かったので、ネタバレなど観ないで劇場に足を運ばれますことをお勧めします〜。

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