ハピネスチャージプリキュア！感想／第46話「愛と憎しみのバトル！誠司VSプリキュア！」:少女創作ファンブログ―The Girlls Fiction Fan Blog(GFFB)

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　「私の一番大切な人はあなただって」（愛乃めぐみ）

　ハピネスチャージプリキュア！第46話「愛と憎しみのバトル！誠司VSプリキュア！」の感想です。

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　今回の見所ベスト１。

第１位：大切な一人その２

　「世界を救った後に、一人幸せになれなかった主人公はどうするのか」という段階に入ってる本作。世界のように大きい話ではないのだけれど、めぐみさん個人にとってとても大切な一人である誠司くんが失われそうになる、という展開に。

　そこで、今度は個人的な動機で立ち上がろうとするめぐみさんの元に、テンダーさんやアローハプリキュアさんなど、かつてめぐみさんに助けられた人々が援軍に来てくれる。『ドキドキ！プリキュア』から続く、「宝石を配って回った幸せの王子と、それを受け取って立ち上がる街の人達」モチーフ再び。やってることは基本的に『ドキドキ！プリキュア』の第32話（感想）と第47話（感想）と同じなのですが、やっぱりこのメッセージは劇的だなぁ。

　さらに今作なりの文脈も追加されていて、今回まず最初に援軍に来てくれたのは、本作のテーマに忠実に「子供の頃に信じたイノセントな絆と再契約した」人達なんですね。まりあさんのストーリーは、途切れかけてたいおなさんとの繋がり（姉妹という、児童時間からの絆）を取り戻す物語だったし、今、テーマが分かってきた段階で振り返ると、アローハプリキュアのお話（第28話の感想）、これも児童時間の絆（こちらも姉妹の繋がり）をアップデートするお話なんですね。そんな、めぐみさんのおかげで、子供の頃からの大切な人との関係を大人世界になったなりに回復・進展させられた人達が、今度はめぐみさんと誠司くんという、児童時間からお互いに大切だった二人の繋がりが途切れそうになった時に、助け返しに来てくれるという構造になっている。

　最後に一人の元に駆けるために、背中は「立ち上がった街の人達」が引き受けてくれるというのも『ドキドキ！プリキュア』からの連続性です。『ドキドキ！』は最後「幸せの王子」マナさんがレジーナの元に駆けるために、街の方は二階堂君とか純くんとか「立ち上がった街の人達」が頑張ってくれるんですね。自分自身は溶鉱炉行きになるバッドエンドも示唆されていた中、配った宝石は無駄じゃなかった、双方向のリンクがあれば王子の方へも宝石（的なもの）が返って来ることもあるという。『ドキドキ！』はマナさんが駆ける「一人」が、TVシリーズでは同性のレジーナになっていたし、劇場版ではマナさんの結婚相手はボカされていたのだけど（個人的には、テーマ上二階堂くんなのかなと今でも思ってる）、今『ハピネスチャージプリキュア！』では、ストレートに恋愛的な意味で一番大切な「一人」である誠司くんの元にめぐみさん駆ける、みたいになってますね。

　「私の一番大切な人はあなただって」（愛乃めぐみ）

　世界を救うような大きい愛の話のあとに、とても個人的なだけど大切な愛の話になるというのは、「街の人」なりに頑張る話だった『ハピネスチャージプリキュア！』っぽい。また、ここでストレートに恋愛の話になるのは、何度か書いてるけど『ドキドキ！』でジョーカーを引いて（それこそ世界を救った後、一人個人的な幸せは得られなかっためぐみさんのように）世界は救われたけれど、恋愛のパートナー（アン王女）は失ったジョー岡田さんの話（第46話の感想参照）の「続き」という感じがするなぁ。

　「私の一番大切な人はあなただって」

　この台詞、トランプ王国国民が立ち上がってくれていたので自己犠牲に至る必要がなかったアン王女が、ジョー岡田さんに言ってくれた台詞だったらと思うと泣けますよ。

　そんな、『ドキドキ！』に残っていた文脈（前回の感想で使った言葉でいえば『非対称性』）を乗り越える意味も入ってるような勢いで、最後は「一番大切な一人」に関する物語。世界を救うのも素晴らしいが、自分の一番大切な一人を大事にすることも大切で、そこを飛び越えて世界がどうこういうのも実は何か違う。最後は個人的な愛の話になるという、「街の人」なりに頑張る話だった『ハピネスチャージプリキュア！』ラスト。「街の人」が立ち上がる立ち上がるって書いてたけれど、まずできること、丁寧にするべきことは、自分の一番大切な一人に、大事に接することなのかもしれない。

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