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 「世界を照らす永遠の愛」(キュアフォーエバーラブリー)

 ハピネスチャージプリキュア!第48話「憎しみをこえて!誕生!フォーエバーラブリー!」の感想です。
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 今回の見所ベスト1。


第1位:どうせ終わるのに


 相変わらず秋の映画はその年のTVシリーズのエッセンスが凝縮されてる良い映画で、今回もつむぎさん=レッドな感じでありました。


●参考:『映画ハピネスチャージプリキュア!人形の国のバレリーナ』の感想


 スケール感は違いますが、つむぎさんの「足が動かなくなってしまった」とレッドの「惑星レッドは滅びてしまった」が、抜本的な解決方法がない「どうしようもないこと」として重なる感じでしょうか。子供の理想的な夢や愛だけでは、解決できないことがある。

 映画と同じ解法なら、誰か併走してくれる人がいるなら、形が変わったなりの幸せがある、となるはず……という所で次回最終回。

 レッドさんの愛も幸せも幻で何もかもダメだどうせ全部滅びて終わりだ演説が続く中、十周年作品、万感の連続性の中、プリキュアシリーズの核心ワード「永遠」ワードがめぐみさんの口から登場した所で引き。

 レッドさんの何もかもダメだどうせ終わる演説はようは『映画フレッシュプリキュア!おもちゃの国は秘密がいっぱい!?』(感想)のルーレット伯爵の、「行きつく先はゴール(死)なのにどうして幸せなんて求めるのか」問題だったりで、プリキュアシリーズではずっと問いかけ続けられてるのですよね。

 それに対して、『Yes!プリキュア5GoGo!』最終回(感想)では館長のずっと閉じ込める「永遠」ではなく、変化し次の世代に受け継がれていく「永遠」という解答を夢原さんが出してるし、フレッシュプリキュア!の映画でも、トイマジンさんは桃園さんを媒介にした愛で、一度終わっても(あれ、死の比喩だよね)バザーで熊のぬいぐるみとしてまた始まっていく。その光景には、確かに愛が何かしら意味があったように訴えかけてくる……という解答を出している。もう、めぐみさんが「永遠」を口にした瞬間に「既に勝っている」感。

 そういう、夢原さん解答、桃園さん解答を、実際に『Yes!プリキュア5』も『フレッシュプリキュア!』も終わってしまった後に、この『ハピネスチャージプリキュア!』が存在していることで証明してしまっている。愛も幸せも一瞬かもしれないが、愛も幸せもそれが満ちていると次の徳ある存在を生み出していくから、無意味ではないんだよ。いや、単純に男女の愛で子供が生まれる的な話だけじゃなくて、何かしら大切なものと連続性がある次の作品が生まれていく、的な意味でも。これ、「どうせ死ぬのに何で頑張って生きるのか?」に答えを出してる感があって、だからプリキュアは宗教っぽいと思ってるんですが(笑)。『アイカツ!』は宗教? 『プリキュア』も宗教だよ!(キリッ)

 ていうか、最後にこう繋がるから、春のオールスターズ映画も今年は『永遠のともだち』だったのか。相変わらずよくできてるのう……。


●参考:『映画プリキュアオールスターズNewStage3 永遠のともだち』の感想


 そんな、愛の永遠性を証明するために最後はみんなの力を借りて最終フォームに変身……も『ドキドキ!プリキュア』と同じなんですが、やっぱりテーマ的な続編作品っぽく文脈を継ながらもちょっと分けてて、みんなの愛を受け取る素体のスペックが違いますよね。

 『ドキドキ!プリキュア』最終回(感想)の、プロトジコチュー様が「(愛など)まやかしだ!」と叫んで殴り掛かるも、背後の建造物などは全て破壊されても、パルテノンハートは微動だにしない……のシーンの、「『愛』凄い!」感は凄くて何度も観てるんですが(ていうか『ドキドキ!』の最終回は何回も観てる)、あの凄さは、皆の愛を受け取る素体も「幸せの王子オブ幸せの王子」、「ヒーローオブヒーロー」の相田マナさんだからですよね。比べて、今作の素体のめぐみさんは普通の人、街の人。めぐみさんは普通の人なんで、本当、みんなの愛の助力を受けないと最終回で戦えないんですよ。


 普通の人なりのヒーロー性、という作品。


 前回で見つけためぐみさんの夢・願いが「総理大臣」みたいな凄いことじゃなくて、「街で普通に暮らしていくこと」だったのもここに繋がるし、この作品の序盤の、プリキュアも何だか沢山いるし、しかも弱いし、プリキュアの権威も地に落ちた感も、こう裏返すためだったってことですよね。

 大量消耗品みたいにわらわらいて、しかも一人一人が弱い今作のプリキュアたちだったのだけど、徐々に、エピソードを通して(『アローハプリキュア!』の回(感想)は今考えると大きいですね)、そんな普通の一人一人でも「かけがえのない存在だ」というのが分かってくる。ラストは、そんな普通の人なりのプリキュアたちの祈りで愛が伝導して、普通の人であるめぐみさんがフォーエバーモードに。

 毎年だけど、序盤の微細な違和感が、第30話近辺から裏返り始めて最後にカチっとハマるの凄いな。今年だと、


・めぐみさんが幸せハピネスウザい。
 →子供の理想は現実では通じないという展開を描くという「タメ」だった。そこから、厳しい大人の世界で子供の頃の純真性と再契約する。

・プリキュアがなんか大量にいてしかも弱い。僕らの強くカッコいいプリキュアはどこに。
 →そんな大量消耗品的にいる一人一人の普通の人が実はかけがえがなく大切だ。そんな普通の人たちなりのヒーロー性が最後の鍵になる。


 という感じでしょうか。

 最初にひめが宝石(のようなもの)を投げるシーン、頼れる凄いヒーロー特性の人に渡すわけじゃなくて、どこにでもいる街の普通の人のめぐみさんにたまたま当たった所から始まる物語。ある意味、「街の人」への信頼だ。

 例えば第1話の、街角で普通の人の誠司くんが普通の人のめぐみさんが川に落ちそうになったのに手を差し伸べた優しさ。おそらくはスーパーなバレリーナなんかにはなれない普通の人のつむぎさんに、普通の人のめぐみさんが側にいると言ったこと。そういう世界に散らばる普通の人々の愛が、いつか永遠に繋がるという作品であった……。

→[『映画ハピネスチャージプリキュア!人形の国のバレリーナ』Blu-ray&DVD予約開始



→「スイートプリキュア♪」「ドキドキ! プリキュア」の高橋晃氏の画集!



『ドキドキ!プリキュア』のマナ×六花二次創作SS

『映画ハピネスチャージプリキュア!人形の国のバレリーナ』の感想へ

→前回:ハピネスチャージプリキュア!第47話「ありがとう誠司!愛から生まれる力!」感想へ
→次回:ハピネスチャージプリキュア!第49話(最終回)「愛は永遠に輝く! みんな幸せハピネス!」の感想へ
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