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 「パフー」(パフ)

 『Go!プリンセスプリキュア(公式サイト@朝日放送公式サイト@東映)』第3話「もうさよなら?パフを飼ってはいけません!」の感想です。
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 今回の見所ベスト1。


第1位:口に出して、行動もする


 本作の題材の一つ「夢」に関して。夢というかこうしたい、という願い・願望に関して、ちゃんと口に出して伝えて、それを実現するために行動もするというのが描かれていると思います。

 今話だと、パフを飼いたいという願いをちゃんと口にしてみんなに伝えてから、票を集めるために行動もしていくという。そういう風に夢とか願いを口に出して行動も始めちゃうと、それに抵抗する、否定する勢力も現れて逆風として向かってくるのが世の常なのですが、そういう部分もちゃんと描かれております。今話の逆風ポジションの代表は如月さん。

 第一話、第二話もこんな感じでしたね。

 第一話は、「プリンセスになる」という夢を口にする所がクライマックスだし、逆風としては、それを笑ってやるというクローズさんが設定されておりました。

 第二話だと、「みなみさんとお近づきになりたい」という願望を、ちゃんとバレエを教えて下さいという形で口に出して伝えるということが描かれ、逆風としては、それは抜駆けなんじゃ? という態度で吹いてくる普通のみなみさんを遠目に見てるだけの一般生徒たち……というのが描かれている。

 全体として、同調化圧力に合わせて本当にやりたいこと、夢、願望を口にしないで生きてるのは楽だけど、そこから一歩踏み出して、逆風の中でも進んでいったら? という感じ。第一話の、下がりかけるんだけど、一歩踏み出す→夢宣言→初変身……の流れは本当色々と詰まってる感じですね。

 少女創作の流れ的には、寄宿舎ものということで、過去の文脈に想いを馳せながら視聴していたりもします。幼少期に王子様に出会い、何かを受け取ってる……というのが少女漫画の金字塔『キャンディ・キャンディ』っぽかったりします(カナタ王子=丘の上の王子様、ドレスアップキー=バッジ)。

 また、『キャンディ・キャンディ』にも寄宿舎要素ありますが、日本の少女小説史的には氷室冴子先生の『クララ白書』とかも思い出したいし、そういう少女小説方面の想像力から影響を受けた奈須きのこ氏(『TYPE-MOONエース』のインタビューで影響を受けた作家さんの名前に氷室冴子さんをあげている)が『空の境界』の第六章「忘却録音」で森の奥の女学園(寄宿舎)を描いて、オタクサブカルチャー方面にもそれが輸出されたり。そんな感じで漫画だアニメだのサブカルチャー作品方面でもよくある設定として普通に認知されてる寄宿舎要素が、今回は再び少女向けの文脈で、『プリキュア』に帰ってきたみたいな印象を個人的には受けていたりします。それを言い出すと、氷室冴子先生の前には吉屋信子先生がいるわけで、この上下左右に連綿と繋がってる感に一人で感動してたりします。吉屋信子先生といえば「百合」で語られることも多い感じで、オタクカルチャー方面にも百合ブームいってから、もともとオタク文化要素的には百合っぽい話で楽しんでた大人視聴者もいたプリキュアにまた戻ってきて、だったら今度は同じプリキュアで百合! みたいな方向で観るにしても吉屋信子先生的、文芸少女小説要素に再統合されていくんじゃ!? とか。もちろん、その辺りの黄金コバルト文庫系の文脈からゼロ年代ムーブメントの一つになっていった『マリア様がみてる』も忘れたくないし! みたいな。

 前作『ハピネスチャージプリキュア!』が十周年作品ということでプリキュアシリーズとしては一区切りして、個人的にはまた少女作品史みたいな広いスパンに立ち戻って今回の『Go!プリンセスプリキュア』は観てる感じです。

→少女小説



→「スイートプリキュア♪」「ドキドキ! プリキュア」の高橋晃氏の画集!



『ドキドキ!プリキュア』のマナ×六花二次創作SS

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→次回:Go!プリンセスプリキュア第4話「キラキラきららはキュアトゥインクル?」の感想へ
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