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 「何かはるはるに言いたくなっちゃったんだよね」(天ノ川きらら)

 『Go!プリンセスプリキュア(公式サイト@朝日放送公式サイト@東映)』第5話「3人でGO! 私たちプリンセスプリキュア!」の感想です。
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 今回の見所ベスト1。


第1位:友達


 天ノ川きららさんの物語は(芸能関係設定・黄色繋がり連想などでも)『Yes!プリキュア5』〜『Yes!プリキュア5GoGo!』の春日野うららさん物語っぽいと前回の感想で解説がてら長々と書いたのですが、きららさん、「夢も仲間も」といううららさんの100話あまりの物語に、本格登場から実質二話で到達。しかも、うららさんの頃の物語よりもバージョンアップしてるし!

 『Yes!プリキュア5』の第03話「はじけるプリキュアは誰?」(感想)って、『となりの801ちゃん』内でネタにされたり、その感情表現の素晴らしさにおいてアニメ業界全体でも稀代のエピソードで、後の十年続くプリキュアシリーズ伝説のターニングポイントの一話くらいに思ってるのですが、それの2015年verが観られるとは幸せでした。

 うらら物語とかも知ってるとなお味わえるとも思うのですが、まず前話で描かれた天ノ川きららの素晴らしい夢への求道心というのは、肯定される大事なものである反面、今話で明らかになるのは、母ステラへの後追いの想いでもある点なのですね。その点で、このまま一人でトップモデルへの道を驀進しても、ステラコピーどまりになってしまう可能性が示唆されている。きららの言う「100%」どまりですね。

 で、「ノォン」とか言ってるボアンヌさんはボンクラじゃなくて、その点、母ステラ的な方向での美しさは相当なものでも、「きらら自身の美しさ」が足りないと見抜いてくれる。

 そして、その母ステラとは違う天ノ川きらら自身の美しさの象徴=「星」は、友達が、はるかかが持って来てくれる。そこでボアンヌさんがもらす「スタープリンセス……」という言葉。「星の輝き」という己の本質の美しさを見出されるという素敵な瞬間を切り取っていましたね。

 そして、まだ明示的にこのままでは母ステラのコピーどまりだとは本人も気づかないけれど、何か、このままはるかさんと袂をわかって独りで自分で夢にまい進することに、モヤモヤを感じ始めてしまう。

 春野はるかは、何か変で、何か違う。クラスの級友たちは夢大事だからお誘いとかお断りしますと言ったらあとは誘いもしてこなくなったのに、謎人間はるはるは、天ノ川きららの夢を一番に追う生き方を肯定した上で、応援するって言ってくれる。この、リアル中学生女子共同体にありがちな(え)正体は同調化圧力でしかない「お友達ごっこ」と「本当の友達」の違いにきららさんが無自覚に気づき始めるくだりは最高ですね。すごい、機微を表現してる。

 そして、ボアンヌさんから合格の知らせを聞いた時に、まず一番に思ってしまった。はるはるに伝えたいと。そこでついに自分の本心に気づいてしまう。気付いたら駆け出していた……という流れがヤバ過ぎでありました(そこでボアンヌさんに伝えた言葉が無音な演出とイイ!)。

 前話で、あれだけ凄まじく大切なもの、己の一生を捧げる類のものとして強調された「トップモデルになる」という夢と、互角になるくらい春野はるかの存在が大きくなっていたのに、気付いてしまったのですよ。この表層の付き合いじゃなく、本当の友達に気づいてしまうっていう、人生上の出来事を淡々と、感情表現に乗せるような音楽で表現してる所凄い。

 トップモデル・母ステラの広告に背を向けてはるかの元へきららさんが走ってくる絵に色々詰まっていて、プリキュアシリーズの大事な視聴者層の一つは親御さん層ですが、ああ、子供って、最初はお父さんお母さん大好きで、ともすればそのコピーになろうとしたりするのだけど、いつかその子自身にとって本当に大事な人ができて、親を背にしてそっちに走って行っちゃうんだよなぁという、物悲しさと、でもそれで良いという気持ちを感じた親御さん視聴者も多かったのじゃないでしょうか。あなたは、あなた自身になりな。


 「私はトップモデルになる。その夢は変わらない。変わらないけど、同じくらい大切なものができたの。だから、私はプリキュアになる」(天ノ川きらら)


 その流れで、母・ステラのコピーではなく、本当の友達の助力もともなった天ノ川きららという個人の本然を全うする生き方を目指して歩んでいくために、「スタープリンセス」たるきららさん、キュアトゥインクルとしても発進。まだ言葉にならない、心の羅針盤は、母よりも先を指し示している。はるはるとなら、200パーセント行ける!

 ラストシーンは、「だったら一緒に喜んでよ」と、クールキャラの自己イメージなので、無邪気にあなたのことめっちゃ大切な友達だと気付いたとは言えないんだけど、顏を赤らめて告白→はるはるは無邪気に抱き着いてくる……という、今宵はPixivに「はるか×きらら」がいっぱい上がるだろうから、調査員は二次元へと飛んだ! 的、ごちそう様でした……というシーンで引き。

 この一話で来世までの徳も積まれたような、『Yes!プリキュア5』の第03話級の一話でありました。「友達は(も)大事だよ」っていう子供視聴者向けのストレートなメッセージのエピソードを、ここまで満ち満ちたものにできるの凄い。

→2011年に出た『プリキュアぴあ』の2015年版が予約開始



→「スイートプリキュア♪」「ドキドキ! プリキュア」の高橋晃氏の画集!



『ドキドキ!プリキュア』のマナ×六花二次創作SS

→前回:Go!プリンセスプリキュア第4話「キラキラきららはキュアトゥインクル?」感想へ
→次回:Go!プリンセスプリキュア第6話「レッスンスタート!めざせグランプリンセス!」の感想へ
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