「いやー、暑苦しい子だったなぁ」(天ノ川きらら)

 『Go!プリンセスプリキュア(公式サイト@朝日放送公式サイト@東映)』第12話「きららとアイドル!あつ〜いドーナッツバトル!」の感想です。
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 今回の見所ベスト1。


第1位:過程で熱い(あとドーナツも熱い)


 きららとらんこさん、ガチ勝負の間もドーナツの宣伝を忘れないプロ精神熱いなw。

 登場当初の第4話(感想)はトップモデルという自分の夢にストイックで一直線に描かれていたきららさん。その後、第5話(感想)にて、友達(はるか)の存在、プリキュアもやってみる、など、むしろ一直線のみじゃなくて色々やってみるのも120パーセントを目指すなら意味がある、というような感じに物語が進んでおります。

 そういう、第4話風に言うなら100パーセントどまりじゃなく120パーセンントを目指すための敢えての回り道。それが今回はテレビのリポーターのお仕事。案の上、ゆるキャラデザインにおいては、きららは自分の理想を反映させ過ぎてトップモデル風のデザインを考えてしまうのですね。そこは、需要とか場に合わせて「根性ドーナツ君」をデザインするらんこに学ぶものがあると。

 思うに、きららは自分個人の内面にある理想のイメージが強くてそれに一途過ぎて、他者との関わりから吸収する態度が弱かったみたいなキャラ造形だと思うのですね。それが、はるかと関わって良い方に進んだので、社長もそれを見抜いていて、らんこという強い個性の他者と関わらせる仕事をさせてみたと(だから、きららがらんこという他者を意識して本気を出した所で社長は満足して去って行く)。

 また、コメディ調ながら「夢」は、それに一途なだけでなく、達成できないラストになったとしても意義があるということを描いていた、わりと全体の物語でも重要そうなエピソード。らんこさんは結局競争ではきららに勝てなかったけれど、夢に本気な過程で見せた根性ドーナツ君の精神で、既に回りの人達を熱くさせて幸せにしてるのですね。本人の夢は「アイドル」なのだけど、当初の自分の内面の理想であるアイドルとは違っても(ここが、自分の内面の理想に一途過ぎるきららとの対比っぽい)、コメディ調の立ち回りで十分みんなを幸せにしている。

 「当初思い描いた夢とは違っても」は、またキーになってくるのかもしれない。『ハピネスチャージプリキュア!』でも、『映画人形の国のバレリーナ(感想)』で描いておりましたね。

 はるかの夢の「花のプリンセス」もフワっとしていて一途に具体化される類の流じゃない気がするし、みなみさんの父や兄のようになるという夢もそこからもう少し変わりそうなフラグと感じますし、きららの夢もモデルはともかく、単純な母のステラコピーの方向とは変わっていきそうな素地が描かれていると思います。

 そんな時、一途にアイドルのイメージのみを追わずに時に「根性ドーナツ君」をデザインしたり、勝利という当初の目標が達成できなかったりしても、十分に回りのみんなを感動させて幸せにした、その生き様自体に意義があったという、今回の一条らんこさんのエピソードは意味を持ってくるのかもしれない。

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