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 「何故かしら、胸が疼く」(トワイライト)

 『Go!プリンセスプリキュア(公式サイト@朝日放送公式サイト@東映)』第16話「海への誓い!みなみの大切な宝物!」の感想です。
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 今回の見所ベスト1。


第1位:つなぐモチーフ


 第14話(感想)辺りから入ってる、親から子へ、的なお話。

 これは、春野父母からはるかへ、海藤兄からみなみへ、母ステラからきららへというようなお話だと思うのですが。

 前提として、個人の夢をだけ追っていくと、このラインの繋がりは希薄になったり壊れていったりというのがあります。第14話がまさにその辺りを扱っていて、ももかからはるかへの心情、みなみから兄への心情、きららからステラへの心情が重ねて描かれていて、それは「家族」のような昔あった「繋がり」が「夢」で分断されていく切なさ・寂しさのようなものです。現実でも、夢を追って一人上京すれば、昔過ごした地域や家族の繋がりはおいていくことになる……という側面はあります。

 この親から子へ要素は、『ドキドキプリキュア!(感想)』〜『ハピネスチャージプリキュア!(感想)』のラインでは、「幸せの王子」から「街の人」へという文脈で重ねて描かれていました。親や「幸せの王子」ポジションの人から「宝石」を受け取って、子や「街の人」ポジションの人が次のステップへ進んでいく、立ち上がっていくというストーリーラインですね。

 この要素が、さらにもう一層奥、「過去のプリキュアシリーズ」と「現在放映中のプリキュア」の関係ともメタに重ねられるのだろうというのは、以前からこのブログでは書いていた通りです。今年の春のオールスターズ映画、『映画プリキュアオールスターズ 春のカーニバル♪』は特にこの要素が強く感じられますね。

 で、今話ですが、第14話もそうなのですが、みなみにとっての(第14話でははるかにとっての)親ポジション、「幸せの王子」ポジションだった兄のわたるが閉じ込められてゼツボーグ化してしまう展開なのですね。それを、第14話の親と妹がゼツボーグ化させられてしまったはるか同様、みなみが救ってみせる話だと。つまり、「街の人」が「幸せの王子」の「夢」を守る展開だと。『ドキドキ!プリキュア』がどちらかというと「街の人」達を助けて回った「幸せの王子」の視点からの話(特に序盤)なのに対して、今作は(現在わりと序盤なのに)逆転してるのですよね。

 先に書いたように、「夢」をただ一心不乱に追っていくだけだと、親ポジション、「幸せの王子」ポジションの人は置いて行ってしまうという側面があって、だからこそ現実は大都市一極集中で地方は老人ばかりなのですが(苦笑)、この作品、そのかつてあった親ポジションの人と子ポジションで夢追い人(はるか・みなみ・きらら)との繋がりを、必ずしも切らない感じ、むしろ、夢追い人達は、親ポジションの人達の夢すら守ってやるよくらいのことが描かれていると思うのですね。この流れなので、次回も母ステラの夢と子のきららの話なのかなと。

 「幸せの王子」〜「街の人」モチーフのラインとしては、「幸せの王子」相田マナさんの夢を、彼女から宝石を受け取った純くんとか二階堂くんが守ってやるぜみたいな話で熱いですし。

 「過去のプリキュアシリーズ」〜「現在放映中のプリキュア」のラインとしては、『Yes!プリキュア5GoGo!』最終回(感想)以来の(『映画プリキュアオールスターズDX1』もこの年)、親から子へ的に新陳代謝はしていくのだけど、何かしら繋がりは切れない、そういう意味での「永遠」を目指したいみたいな話が感じられる部分です。(その意味で、今年の『春のカーニバル』に「夢」繋がりで夢原さんとはるかさんが共演してるのは熱いですね。)

 以上の流れの上で、「閉じた」真のプリンセスであるトワイライトさんはみなみとわたるの兄妹のつながりに胸が疼く。(ここ数話は、以上の流れの、「家族」や「自分に宝石をくれた幸せの王子」に対する、トワイライトさんとはるか・みなみ・きららのポジションの違いを描いているものと感じます。)

 そして、夢追い人三人の「花」、「海」、「星空」のモチーフは、何らかの上述の「繋がり」モチーフでもあるのですね。


花:そのまま『Yes!プリキュア5GoGo!』最終回の哲学。花から種子へ、そして次の花へとの途切れない繋がり。

海:今話でわたるさんが「海で世界を繋ぐ」という趣旨のことを語っている。だいたい言いたいことは分かります。

星空:次回で何らかの形で描かれると感じますが、『映画プリキュアオールスターズDX みんなともだちっ奇跡の大集合!(感想)』の夢原さんの「同じ空の下にいる」という意味での「繋がり」なのかもなと。


 この世相でもあえて「夢」追うって言うよ。でも、代償として「繋がり」を犠牲にするっていうのはちょっと違うよ、という。例年ですが、時代性がある辺りを、果敢に攻めていると思います。かつて自分に宝石をくれた兄の夢すら守ってみせる、それがプリンセス! っていう今回のみなみさんはカッコ良かったですよ。

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『ドキドキ!プリキュア』のマナ×六花二次創作SS

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→次回:Go!プリンセスプリキュア第17話「まぶしすぎる!きらら、夢のランウェイ!」の感想へ
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