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 『Go!プリンセスプリキュア(公式サイト@朝日放送公式サイト@東映)』第19話「はっけ〜ん!寮でみつけたタカラモノ!」の感想です。
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 今回の見所ベスト1。


第1位:変化


 雨の日の女子寮を舞台に、はるかやはるかの影響を受けた周囲の人々が少しずつ変化していることが描かれる。冒頭こそバイオリンにバレエに色々とやってはいるものの、果たして自分は成長しているのか? というパートが描かれるものの、印象的には花壇の変化や鏡に映る自分の変化で、「少しずつ変わっている」ということが(おそらくは作中是として)描かれます。

 そして、この「変化」がはるかサイドとトワイライト様サイドとの並行描写になっている。前回でプリキュアに敗北したのを機に、トワイライト様にも変化が現れはじめる。その「変化」サイドの行き着いた所として、トワイライト様がプリンセスパフュームを手にするという引き。

 「本物」のプリンセスで「正統性」を有してるトワイライト様の方が、変化の先にプリキュアに辿り着いていくというのは面白い。歴代だとアコと亜久里とヒメルダが(王族という意味で)正統性を有したプリンセスだったけれど、特にそういった正統性、元から高貴である(一般人とは違う)点で有資格者ゆえに葛藤する……というような物語は中心ではなかったと記憶しています(それぞれのキャラクターに別の主軸となる物語があったので)。

 『ドキドキ!プリキュア(感想)』〜『ハピネスチャージプリキュア!(感想)』、もう一歩遡って『スマイルプリキュア!(感想)』の年、特に『映画プリキュアオールスターズNewStage みらいのともだち(感想)』で一般人の坂上あゆみさんがプリキュアに変身することで象徴的に描いたように、ここ最近の流れは「特別な有資格者がプリキュア(ヒーロー)になるわけではなく、普通の一般人がプリキュア(ヒーロー)になる」というものだったので、ここで逆にじゃあ元から特別な側にいた人(トワイライト様)はどうするんだ? というのを描いておくというのは面白いです。

 「宝石を配って回った幸せの王子とそれを受け取って立ち上がる街の人達」モチーフからすると、『ハピネスチャージプリキュア!』が「街の人」が「幸せの王子」になる視点が強かったのに対して、トワイライト様の物語は「幸せの王子」が「街の人」側に(台座の上から)降りてくるのか? という辺りを扱っている感じ。

 思い出すのは、歴代でもう一人いた王族プリキュア、『ふたりはプリキュアMaxHeart(感想)』の九条ひかりの物語です。あれは、ひかりが「正統者としての光のクイーンとしてのアイデンティティ」と「普通の人である九条ひかりとしてのアイデンティティ」との間で揺れる物語でありました。最終的になぎさとほのかにとってはひかりは別に世界がどうこういう特別な光のクイーン様ではなくてただの友達の九条ひかりなんだと描いたラスト3、第45話「無限の闇 永遠の光(感想)」は感動的なエピソードです。あの物語も、今なら九条ひかりが「幸せの王子(光のクイーン)」として自己犠牲的に大きい存在として世界を助けるのか、ただの「街の人(なぎさとほのかのただの友達のひかり)」として生きるのか、その葛藤の物語だったと再解釈できる気がします。

 あれから十年経った現在、もう一度トワイライト様は「特別」な正統者なのか、ただの個人(それこそただの友達だというような)なのかという物語をやるというのは、ある意味十年越しの原点回帰的でニクいと思うのでした。

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『ドキドキ!プリキュア』のマナ×六花二次創作SS

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→次回:Go!プリンセスプリキュア第20話「カナタと再会!?いざ、ホープキングダムへ!」の感想へ
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