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『映画Go!プリンセスプリキュア Go!Go!!豪華3本立て!!!』は公開初日に観てきて感想もアップ済みですが、毎回のごとく、二週くらいは感想記事中で映画の「コアな」ネタバレはなしの方向で(軽くは触れちゃいます)。その後は普通に言及していきます。
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前回ラストで、自分の夢の拠り所だったカナタ王子本人から自分の夢を否定されて絶望したはるかさんが、プリンセスになるという「夢」を自分自身のものと引き受けて復活する回。
なのだけど、カナタ王子からの承認という支えがなくても自分だけで自分の夢を追えるほどに自立できました万歳っていう方向ではないんだよな。
前回の感想で言うと、「夢を追うゆえにみんな離れて行って孤独になって、心の支えだった児童時間の「幸せの王子」からは否定され、でもそれでも、残ってる真実性・ホンモノ性があるのだとしたら。」という点。
最後に残っていたのは、昔お母さんから貰ったお母さんと同じカタチの髪飾りだったという展開。はるかの夢の応援者はカナタ王子だけじゃなかった。もっと前に、お父さんとお母さんが応援してくれていた。
今回の秋の映画『パンプキン王国のたからもの』の感想で、「ちょっとズレてしまった「親」と「子」のリンクを、もう一度新しい関係性なりに縫合しなくてはならない。」、そういう物語だと書いたのですが、映画の「家族の味」相当の概念が、本第39話で炸裂。お母さんに貰った「花」の髪飾りで再変身&BGM「プリンセスの条件」スタートは泣いたよ。
第9話(感想)の、
「私小さい頃、夜が怖い時とか寂しい時に、いつもお母さんにこうして貰っていたんです」(春野はるか)
辺りから仕込まれていた。一般人で普通の人なんだけど、はるかのお母さんがちゃんとした人だという描写。そういう、親から児童時間に貰っていた愛情が、(伝播して暗闇の中にいる人を助けられる類の)本当の強さになるんだ、という『スマイルプリキュア!』第19話(感想)近辺から顕著になってきた、近年のプリキュアシリーズのメッセージ。
自分自身が「夢」になるは、『スマイルプリキュア!(感想)』の自分自身が「メルヘン」を体現する、という解答とも近いです。『Go!プリンセスプリキュア』はより、そして、その夢は自分だけのものではないという側面を前に打ち出してきてる感じ。自分一人の自己実現ではなくて、親や家族をはじめ、応援してくれる人たちとの繋がりも込みでの「夢」。お母さんに応援して貰ったのを原点に、自分自身が「夢」になるという所まで辿り着く。そのタイミングでこれまでその「夢」のおかげで出会った人々が回想されるのも(OPのプリキュア以外の数多の人々がバックに流れるシーンとシンクロする感じで)熱い。「夢」と「人々とのリンク」という二大作中是が繋がった瞬間。
「夢」そのものが「人々とのリンク」と同義なので、必ずしも孤独じゃない……まではよくあると思うのだけれど、とはいっても、その土台の土台には、親御さんからの夢の肯定(という形での愛情)というような、「お守り」となる最後のボーダーライン・セーフティネットがあるから立ち上がれるんだよな、と描いてるのは、適度にウェットで熱い。『スイートプリキュア♪(感想)』の頃から書いてるのですが、プリキュアシリーズは自由とか個人とかを無制限に礼賛するのには懐疑的なのだよな。ある種の不自由性である「家族」のようなものを、大事なものとして捉え続けている。
はるかが復活した事で、「幸せの王子」カナタ王子も復活(ここしばらく感想に書いていた、昔「幸せの王子」に助けて貰った「街の人」が、「幸せの王子」を助け返す文脈)。同格の二人として並び立つ「幸せの王子」と「プリンセス」の絵も熱い。
昔助けてくれた人として、「幸せの王子」=「親」の連想があると思うとずっと書いてきました。「幸せの王子」カナタ王子の新しい夢は「はるかの笑顔を守ること」。はるかの両親の夢は「はるかの夢」(第14話「大好きのカタチ!春野ファミリーの夢!」参照)。効率性とか結果だけが重視されがちな世界では、ともすれば一笑にふされがちなその夢が、その応援がはるかを「プリンセス」にする。正統性とか真偽とか関係なく、はるかに向けられてるその気持ちはホンモノだから。
現実でも、家族との関係のような辺りを切り捨てて夢を追ってます実現してますと表層的に叫んでる人が、いくらお金の量とか影響力の大きさを手にしていても、どこか「ズレ」たままの暴力装置になってるというのは度々見かけるので、そうじゃないでしょ、まずは夢、幸せ、愛とかのルーツにある家族とかの関係性でしょ、本当の強さに辿り着ける人はそこをちゃんとしてる人でしょ。という感じで、「プリンセス性」みたいな一見華やかなものの土台に児童時間のお母さんからの承認を持ってきたのは熱いと思いますよ。そこがあるから、私は夢を張り続けられるんだ。たとえそのせいでまた絶望することになっても。自分が限りなく偽物的であったとしても。
今話で一区切りという感じもしますが、こういうストーリーラインを受けて、次回はトワ様のご両親が登場する模様。映画の展開も鑑みるに、今話でこういう境地にまで辿り着いたはるかが、今度はトワ様たちの親と子のリンクも守る、という展開になりそう。ラストは本物と偽物のプリンセス共闘でしょうか。残り話数も十話をきってるくらいと思われるので、終盤を見届けたいと思うのでした。
●『映画Go!プリンセスプリキュア Go!Go!!豪華3本立て!!!』の感想へ
●『ドキドキ!プリキュア』のマナ×六花二次創作SS
→こんなBlu-rayも出る模様
→こんな雑誌も出る模様
→前回:Go!プリンセスプリキュア第38話「怪しいワナ・・・!ひとりぼっちのプリンセス!」感想へ
→次回:Go!プリンセスプリキュア第40話「トワの決意!空にかがやく希望の虹!」の感想へ
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