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 『魔法つかいプリキュア!(公式サイト@朝日放送公式サイト@東映)』第2話「ワクワクの魔法学校へ!校長先生はどこ!?」の感想です。
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 リコさんがリンクルストーン・エメラルドを探していたのは、「補習を受けたくなかったから」というエラく個人的な理由でした。これまでのシリーズにあった「世界を救うための使命」とかの理由に比べると、とても小さいです。ミクロです。

 これ、「敵がとりあえず目の前からいなくなってくれればまずはヨシ」という第1話から続いてるスタンスといい、行動の動機がミクロ、というか「自分の回りの身近なこと」に起因してるのは、意図してやってるのかなぁとも。

 各所に初代『ふたりはプリキュア』を意識してる表現が見られると思うのですが(「プリキュアダイヤモンドエターナル」時の手繋ぎが「プリキュアマーブルスクリュー」の手繋ぎなど)、絵的な表現とかは置いておいて、初代っぽい点として、この「自分の身近なことが最初の動機」というのもあげられると思います。

 『ふたりはプリキュアMaxHeart』の最終回(感想)で、絶対絶命の状況の中、なぎさとほのかが「あさりの味噌汁」に関する話を始めるのですが、あれはそういう日常=「自分の身近なこと」があくまで戦う動機だという部分の確認になっていたりで。ここ数作、特に『ドキドキ!』〜『ハピネスチャージ』〜『Go!プリンセス』が、「幸せの王子と街の人」をモチーフに、世界を良くしていくにはという大きい(マクロな)視点がある話だったので、今作『魔法つかい』でグっと、世界とかともかくまずはみらいとリコの「ふたり」という最小単位。そして、そこから見える範囲(ミクロ)に視点が揺り戻ってるのは面白いなと。

 自分以外の異世界と交流していくというベクトル(異世界の受容)と、自分たちに見える範囲以外の世界はあっちいけというベクトル(敵さんは目の前からいなくなってくれ)とが既にあって面白いなと。視点を変えると、交流によって全てが変化していくのを是とする気持ちと、交流によって今ある大事なものが変わってしまうことを忌避する気持ちとは、両方あるというような話。僕ら視聴者も、グローバル化だし異文化交流とかして世の中良くしていくのに参加したいみたいな気持ち(マクロ=世界の変化への希求)と、とはいってもまずは生活費のために仕事だ・まずは学校行かなきゃという身近な課題(ミクロ=この日常を維持したい気持ち)とで揺れてると思うので、この辺りの世相も反映しているような感覚には敏感でいたい。みらいさんが今は「あちら」の世界たる魔法界にワクワクもんだぁでいられるんだけど(春休みという設定)、じゃあ「こちら」の世界たる自分の世界での身近な諸々はどうするんだ? という段階に物語が入ってからが、まずは面白そうです。

 とはいえ、今話時点では異なる世界、ファンタジー世界のワクワクパートの方がメインだった印象。カタツムリの電車とか、木の上の魔法学校とか、僕ら世代なら(今からするともう古典的位置づけみたいな)ファンタジー小説、少し前なら『ハリー・ポッター』とかでみんな一度は経験するワクワク感を、現在の女児は今作で最初に経験するのかもなぁと思うと、さすがに手堅い作りで、僕子供とかいないけど子供に安心して見せられるのは安心のプリキュア品質。『スマイル』の「メルヘン」も、『Go!プリンセス』の「夢」も結局同じことだと思うのですが、物質とか現実に還元されきらない「形のない綺麗なもの」を、やはり子供のうちに手にしてから生きていく世界であってほしい。大人になっていく過程でいずれ劣勢になっていく類のものかもしれないのだけれど、それはやはり大事なものだと思うから。本作における「魔法」もそんな類のもので、既にみゆきさんがメルヘンを、はるかさんが夢を守ろうとしたように、「魔法」的なものの意義を守る戦いも同時に、始まっているのかもしれない。

→主題歌CD

魔法つかいプリキュア! 主題歌シングル(DVD付)
アニメソング
Marvelous Entertainment Inc.LDC(PLC)(M)
2016-03-02


→キャラポスコレクション



→前回:魔法つかいプリキュア!第1話「出会いはミラクルでマジカル!魔法のプリキュア誕生!」の感想へ
→次回:魔法つかいプリキュア!第3話「魔法商店街でショッピング!目覚めるルビーの力!」の感想へ
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