ネタバレ注意です。
ゆめに対して、ちょっと感じ悪い風に登場してきた桜庭ローラさん。第2話にして早くもデレる。短いツン期だった……。
第1話から「個性」と「セルフプロデュース」という言葉が何度も出てきて、本作はそういうのをテーマにしていきますよというのを宣言してる感じなのですが、久方ぶりの言葉を使えば「自分探し」のプロセスみたいなのを改めてこの2016年に描いてるのかなと。
ゆめさんの最初の夢の共有者は小春さんなのですが、小春さんは「うつくし組」に惹かれるものがあって、ゆめはここから先は一人で行ってもらえるかな、みたいなこと言われちゃう……というのは「個性」にまつわるけっこう切ないパート。違う人間だからね。しょうがないんだね。「自分」というものに還っていく途中で、今まで同じ場所にいた人と違ってきちゃうことも、あるのですね。
一方で、第一話で凄いステージを披露した虹野ゆめと、今話からのわりと普通のゆめさんとは違う。ゆめさんは凄いステージをやったいわば「もう一人の私」的な時の記憶がない……という設定は、「個性」とか「自分探し」テーマとの繋がりで、いわゆる「アイデンティティクライシス」ネタやってるのかなと。どれが本物の「ゆめ」なのか。主人公がアイデンティティクライシス抱えているというのは、けっこうハードな女児アニメですねw。三田誠広の『僕って何』の頃なら自分とアイデンティティの問題は学生運動とかと絡めて描かれ、現在ならアイドル活動と絡めて描かれると。
そんな中で、凄いステージをやった「虹野ゆめ」として外部から見られて、等身大の普通の「ゆめ」さんとしてはちょっと苦しい……というパートが描かれるのですが、その「揺れ」を、今話ラストではローラさんが「凄い「虹野ゆめ」とは違うかもしれないけどこのゆめさんも本気だった。一生懸命だった」と承認・同定してくれて、ゆめさんは乱してた心ちょっと穏やかになるという。既に、なんかとても心の深い所で触れ合っている。百合です(え)。
マジで、『コードギアス反逆のルルーシュ(感想:別ブログ)』みたいな話で、「自分」とか自分一人でじゅんぐりじゅんぐり考えていても分からないから、他者からどう承認されるか、アイデンティファイされるかも大事……みたいな話だよな。今回は、「凄い虹野ゆめ」を求めてギャップを感じる幾人かにどう思われようと、ローラさんに今の自分を承認してもらえたのがゆめさん嬉しかったと。
→僕って何
→主題歌CD
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