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前回出てきた様々な味に変わるクルクルッキー。様々に「見え方」が変わり七変化するはーちゃん。そもそも、様々な姿にスタイルチェンジする今年のプリキュアさんの設定。……などなどと、多様性、つまり様々な「見え方」があってオーケーであるゆえに「変化」できることをヨシとしようみたいな感覚がある、本『魔法つかいプリキュア!』という作品。
なのですが、今話ではそれと対照されるように「変化しない」「見え方が変わらない」存在として、校長先生とドクロクシーさん、両サイドのトップが描かれます。校長先生の何年経っても姿(見え方)が変わらない設定とか、作品のテーマと連動したものだったのか……。一方で、ドクロクシーさんも骸骨(骨から変化しない)だし、なんか喋らないし動かないし、「変化しない」側の存在として描かれていると思います。
ただ、同じ「変化しない」校長先生とドクロクシーさんでも、テーマ上の意味合いは分けてきそう。
校長先生は、「変化しない」ゆえに、今話ではみらい&リコ世代とみらいのお祖母ちゃん世代を繋げるきっかけになっています。どちらかというと、魔法商店街の像、人魚の里の神殿、これらも「変化しない」側ですが、そういう、「変化しないゆえに過去と未来をつなぐ」ポジションに近い気がする。あと今話だと、「変わらずにあった煎餅屋さんと"つなぎせんべい"」がこのポジションですね。まんま「つなぎ」と言ってるので、変わらないゆえに過去と未来を、人と人とを「つなぐ」ポジションなのかなと。
写真の中の若かったお祖母ちゃんと現在のお祖母ちゃん、かつては少年だったけど今はおじいさんのアイザック先生。こういう「変化」を伴ってる方が自然で、「変化しない」校長先生の方が実は歪な存在と捉えられそうです。今回明かされた断片的な情報から察するに、校長先生にも魔法を封印するに至った「過去」の何かがあるのでしょう。校長先生も、第1クールのリコさんのように、どこかで「過去」を癒して「変化」に向わないといけないポジションってことか。
●参考:リコ(=Record)が過去を赦して未来に目を向け始める〜『魔法つかいプリキュア!』第1クールのエッセンス
校長先生が「助けてあげないといけない人」ポジションだったのか。『ドキドキ!』の岡田さんとか『ハピネスチャージ』のブルーさんとかもだけど、最近のプリキュアシリーズはわりといわゆる「岡田枠」の人は救済対象だったりするのですよね……。
一方でドクロクシーさんサイド。ただドクロクシーさんに従うのみというガメッツさんが分かりやすく「変化」を拒否してるポジションなんですが、そうなると、ドクロクシーさんに疑念を抱き始めているバッティさんは「変化」の兆候があると、まさかここでバッティさんをちょっと重要なポジションとして描いてきましたよ。
キュアバッティか……。バットマンオマージュで。最近のプリキュアシリーズ制作陣は普通じゃないレベルで作り込んでくるので、バッティさん、スパルダさん、ガメッツさんも、それぞれ「バットマン」「スパイダーマン」「タートルズ」で、「見え方」の違いネタを表現してるような気がしてきましたよ。アメリカだったらヒーローなのに、日本だと「見え方」の違いで悪役になる、的なことの表現。鷲尾天氏のエッセンスが本作では滲み出ていて、比喩的に(良くない感じの)グローバル化(均質化)と、地域多様性を守るプリキュアたちが戦う的な構図が見て取れるということを書きましたが。↓ドクロクシー様の存在に疑念を抱き、仲間に慈悲を向けるバッティさん…これもしかしてプリキュアの追加戦士フラグじゃないですか…?
— TJ-type1 (@tjtype1) 2016年5月29日
●参考:鷲尾天氏のエッセンス〜均質化に向かう世界で「見え方が変わる」を守るということ―魔法つかいプリキュア!第15話「ハチャメチャ大混乱!はーちゃん七変化!」の感想(ネタバレ注意)
けっこうストレートに、ドクロクシーサイドはグローバル資本の中心アメリカのヒーローモチーフで、彼らは彼らで自分たちが正義だと思ってる。プラットフォームもコンテンツも最高だから世界中Amazon、Apple、Googleとかで巨大資本映画観ようよ、くらいの感じで、「闇」超良いよ、同じになろうよ、飲み込まれようよ、と迫ってくる。なのだけど、日本的プリキュア的「見え方」からするとそういうのは悪役に映ったりもするということをやってるっぽい。
1クール目でリコさんを中心に「見え方」が変わる。物事の捉え方は「反転」し得るというのを描いておいた上で、今後、補習メイト達の「欠点」が「長所」に「反転」しそうな展開や、一方の「正義」が「悪」に「反転」しそうな展開を仕込んでるっぽいのは上手いなーと。
ちなみに追加戦士枠に関しては、僕的には、様々な箇所で「初代」オマージュを意図的にやってると思われる本作なので、三人目は何らかの超常存在(『MaxHeart』のひかりさん的存在)ではーちゃんが本命なのかなぁと。そこは、ストレートにくるのか、サプライズ狙ってくるのか。はーちゃん、何かエメラルドと関係があるのはオープニングでネタバレしてる感じだし。
次回予告、この流れで、ガメッツさん(たぶん)最終戦という盛り上がる回で、最近出てないな、今か今かと待っていたルビースタイル爆現っぽい。魔法商店街(地域伝統文化ネタ)回で手に入れたスタイルなので、テーマ的にも熱い。ディズニー(グローバル資本映画)は面白いけど、ガーターベルト分が足りないんだよ!
→個人的にはルビースタイル派
→『映画プリキュアオールスターズ みんなで歌う♪奇跡の魔法!(感想)』のBlu-ray特装版
→Amazon・ビデオでプリキュアシリーズを観る(初代〜ドキドキ!へのリンクまとめ)
→前回:魔法つかいプリキュア!第16話「久しぶりっ!補習メイトがやってきた!」の感想へ
→次回:魔法つかいプリキュア!第18話「魔法界再び!リンクルストーンを取り返せ!」の感想へ
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