ネタバレ注意です。
「個性」や「セルフプロデュース」がキーワードと思われる本作。
第1話の感想(こちら)から、これはゆめさんが白鳥ひめさんのフォロワーではなくて、「個」としての虹野ゆめになるまでの物語……なのではなかろうかと書いていたのですが。
今話はもろに、白鳥ひめさんのステージの代役(的なポジション)としてゆめさんが初のソロライブに望むという、否が応でもひめさんとゆめさんが比べられてしまうシチェーションになっているエピソードでたいへんに盛り上がる回でした。第1クール山場のエピソードだったのでは。
白鳥ひめさんと違って、ゆめさんではチケットは売れない。能力値がひめさんには遠く及ばない。
というところで、すばる君の助力もあり、ゆめさん、「誰か一人のためでも歌う」という境地にしてスタートラインに開眼。お客さんはモブではなく、ローラや小春のような大事な友達なのかもしれないし、これまで縁があったような人達なのかもしれない。「個の輝き」という(作品の)テーマが、檀上のアイドルだけじゃなくて、お客さん一人一人にも適応されるんだという気付きの回。チケットが売れないのに気付いた後、裏方、ピアノの弦一本やコマ一つが大切な存在だというメッセージだった第4話(感想)の裏方のお兄さんと最初に接触する流れとか、細かい描き方が上手い。
「S4になりたい」という漠然とした憧れから、目の前のお客さん一人のためにと、ゆめさんが白鳥ひめのフォロワーから、アイドル「虹野ゆめ」として歩みだした回。
それと同期するように、ライブシーンは第一話冒頭の白鳥ひめさんのステージと同じ「スタートライン!」の曲なのだけど、サビの部分で演出がゆめさんオリジナルになるという演出にジンときましたよ。第一話のひめさんの時は「宝石」がモチーフで、今回のゆめさんは「虹」がモチーフ。これは憧れて見上げたひめさんのステージではなくて、ゆめさん個人としてのステージ。
ゆめさんの「個」としての本懐は(象徴としての「虹」から、そしてこれまでのエピソードでの立ち居振る舞いから連想されるに)「多様性」とか「架け橋」とかなんだろうなと感じられる、カッコいい回でした。
これ、「個性」や「セルフプロデュース」というのは、少し大げさにいうと「アイデンティティ」がテーマなんだろうなとは書いてたのですが、ゆめさんの中に多様な(ひめさんいわく)「可能性」が同居していて(「役割理論」みたいな感じ)、その中の一つが「すごいライブをするゆめさん」で、第一話とか今話で出てくるんだろうなと。
→挿入歌CD
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