ブログネタ
アイカツスターズ! に参加中!
 アニメ『アイカツスターズ!(公式サイト)』第11話「密着!白鳥ひめの一日」の感想です。

 ネタバレ注意です。
 ◇◇◇

 「個性」や「セルフプロデュース」がキーワードと思われる本作。

 第1話の感想(感想)から、これはゆめさんが白鳥ひめさんのフォロワーではなくて、「個」としての虹野ゆめになるまでの物語……なのではなかろうかと書いていたのですが。

 前回、白鳥ひめの「代役」というひめさんとの比較が意識されるシチェーションながら、白鳥ひめではなく虹野ゆめ個人としてのファーストステージを全うしたゆめさん。

 そこまでお話が進んだ上で、今話は改めてゆめさんの憧れであるひめさんとはどんな人なのか。ゆめさんはこのままひめさんの後を追っていって良いのか。そういうのが問いかけられてる感じのエピソードでありました。

 正直なところ、前回が、「虹野ゆめは白鳥ひめとは違う!」という方に大きく振れたのに対して、今話はゆめさんに台詞としてひめさんのようになりたいと言わせたり、「やっぱり虹野ゆめは白鳥ひめのようになりたい!」にけっこう揺り戻ってしまったような印象を受けました。

 とはいえ、その「揺れ」がこの作品のドラマの中核でもあります。

 今話も、あからさまにひめさんとゆめさんを比べてる要素として、「ファンといっしょに写真を撮る」シチェーションが描かれているのですが、ひめさんが沢山のファン達と一緒に写真を撮るのに対して、ゆめさんは二人と大変少ない。これで、このままゆめさんはファンの数を増やしていって、「ひめさんと同じくらい沢山のファン達と写真を撮れるようになれ」ればそれでイイのか? という問いがあるのですね。単に、ひめさんのフォロワーとして数字的に追いつけば、「ひめさんのようになった」状態になるのか? 「個性」や「セルフプロデュース」というテーマの観点からは、それでイイのか? というドラマですね。

 「姫ルージュ」がけっこう危険アイテムで、あれは、大袈裟に言えば「白鳥ひめの模造品を大量に生み出すシステム」なのですね。姫ルージュを引けば姫さんのように美しくなれますが、その反面自分自身の唇は失うという側面があります。  これ、どこかで「分岐」が訪れて、ゆめさんは「姫ルージュを私も引く」的な方向にはいかず、「虹野ゆめ自分自身の唇で勝負する」方にいくんじゃないのかなぁと感じてるのですけどね。

 『アイカツスターズ!』の作中のみならず、リアルのデータカードダスの『アイカツ!』の方も、今回の新型は憧れのアイドルをトレースするだけじゃなく、自分で自分自身を作って、それでWEBにアップできてアピールできる、自分自身のコーデで勝負する、みたいになってきてるじゃないですか。

 リアルアイドルの話だとAKB48があまりにアイドルをシステム化してしまったので、そういうシステムの硬直性に対する反発心がこういう物語&ムーブメントとして生まれ始めてる。そういう仮説も立つ気がします。

 先日AKB48総選挙で指原莉乃さんが頂点に立ちましたが、じゃあ、そのトップオブトップに憧れる女の子たちは、指原さんのファッションを真似したり、指原さんがセンターの歌をカラオケで歌ったり、(一部のディープファンのように)指原さんグッズを身に纏ったりするだけで、そういう「指原ルージュを引く」的なことをやってるだけで、これからの時代イイのかな? っていう問いですね。

 話を二次元の『アイカツスターズ!』という作品に戻すと、このアイカツ『システム』のトップは、校長先生と白鳥ひめさんです。で、どうやらこのトップ二人の思惑が違っているらしいのがこの物語の面白いところ。

 どちらかが、「アイカツ『システム』を普及させる派」で、どちらかが「アイカツ『システム』を撃破ってくれる『何か』を実は求めてる派」なのかなとは思うのですが。

 ストレートにいくなら校長が前者なのですが、個人的には、白鳥ひめさんが前者の方が面白いと思います。システムの頂点、ラスボスが白鳥ひめさんで、そのシステムをブチ壊すのがゆめさん、というパターンですね。

 かつひめさんは「ひめ」なので、0歳からアイドルをやっていて、もはやアイドルというシステムと一体化してるひめさんを、お「姫」様ポジションとして救出してあげなきゃみたいな要素も入ってくるとなお燃えますね。

 最後は、破壊されたアイカツ『システム』の残骸が散らばる荒野で、ゆめさんがひめさんをお姫様抱っこしてる……的な。もちろんアイドルもの作品ですが、エッセンンスとしてはそんなSFノリまで内包してる作品だと思い始めてるのでした。

→挿入歌CD



→Blu-ray

アイカツスターズ! Blu-ray BOX1
富田美憂
Happinet(SB)(D)
2016-10-04


→前回:『アイカツスターズ!』第10話「ゆめのスタートライン!」の感想へ
→次回:足が遅く「システム」からは排斥される側の弱い人間だとしても〜『アイカツスターズ!』第12話「はばたくガールフレンド♪」の感想へ
『アイカツスターズ!』感想の目次へ