ブログネタ
魔法つかいプリキュア! に参加中!
 『魔法つかいプリキュア!(公式サイト@朝日放送公式サイト@東映)』第21話「STOP!闇の魔法!プリキュアVSドクロクシー!」の感想です。
 ◇

 クルクルッキーとか、七変化するはーちゃんとか、スタイルチェンジするプリキュアさんとか、作中に「様々に見え方が変わる」要素が幾重にも描かれている本作。

 前回の、校長先生→若い外見に見えていたのが実はおじいさんだったと「見え方」が変わる。ドクロクシーさん→なんか悪いラスボスかと思ってたら実は校長先生の旧友クシィさんだったと「見え方」が変わる……のコンボもなるほどという感じだったのですが、今回の、「闇の魔法」に関して、ドクロクシーさん(クシィさん)視点からすると、最初は「大いなる厄災に備える力」と捉えていたのに、いつの間にか欲望に取りつかれて「(自分のために)世界全てを飲み込む力」と「見え方」が変わってしまっていたというのは、さらになるほどという感じでした。「見え方」が変わることがネガティブ方面に作用してしまうこともあるのねん。

 そこで、第19話(感想)から「独りで抱え込む」要素が指摘されていた校長先生が、相変わらずみらいさんとリコさんに逃げるように言うんだけど、ここでまた「見え方」が変わるが発動。校長先生から見たみらいさんとリコさんの「見え方」が、「守ってあげなくてはならない教え子」から戦ってくれる「伝説の戦士(魔法使い)」に変わる。

 ここの流れはみらいさんが熱かったなー。ひるまないのカッコいい。メタネタで視聴者ポジションから見るなら、なんか明るくて性格良い普通の子くらいの印象から、やはりヒーロー(プリキュア)有資格者だった! に「見え方」が変わった勢い。それで、「伝説とか闇の魔法とかいきなり言われても私にはよく分からない。そんなことより、そんなことより、はーちゃんを返して!」って、世界どうこうのマクロの話よりも身近な日常の大事な人たちという、まんま無印『ふたりはプリキュア』のなぎさみたいなこと言いだして、やっぱこの子はプリキュアや! となって。えらく時間をかけてこれまでの二人の「手を繋ぐ」回想をやって、ここでも、やっぱりこの子達はプリキュアや! となって。

 ここで、校長先生の「孤独」要素は一つ解消に向かったようにも感じます。「大いなる厄災」に備えて一人で魔法力貯めたりしていたのだけど、一人で戦わなくてよいということ。保護対象だと思っていた生徒さんが、プリキュアとして立ち上がってくれる……という流れは、『ドキドキ!(感想)』〜『ハピネスチャージ(感想)』〜『Go!プリンセス(感想)』の「宝石を配って回った『幸せの王子』と宝石を受け取って立ち上がる『街の人たち』」モチーフ三部作を思い出したりです。

 そこから、何もかも飲み込んで均質化させてしまうドクロクシー様と、各々が独立したまま「手を繋ぐ」プリキュアさんとの、まさに鷲尾プリキュア的な決戦になるのですが。↓


●参考:鷲尾天氏のエッセンス〜均質化に向かう世界で「見え方が変わる」を守るということ―魔法つかいプリキュア!第15話「ハチャメチャ大混乱!はーちゃん七変化!」の感想(ネタバレ注意)


 鷲尾P時代のプリキュアつながりでは、ここでも、マジカルのシューティングスターっぽい攻撃(夢原さん!/@『プリキュア5GoGo!』)、踵落とし(美翔さん!@『ふたりはプリキュアSplash☆Star』)、ダイヤモンドエターナル時のなぎほの手繋ぎ(なぎさ&ほのか@『ふたりはプリキュア』)と、鷲尾P時代のシリーズの技をオマージュでこの一話に詰め込んでるような気もして熱かったですね。本気で、鷲尾P時代のプリキュアシリーズ初期作の2016年ヴァージョンをやってやるよ的作品なのかもしれない。

 そんなこんなで、最後にドクロクシーさんの怨念みたいなものが出てくるんだけど、それは成長したはーちゃんが浄化するというラスト。ここでも、はーちゃんの「見え方」が変わっていて、本当、「見え方」が変わるネタ一点突破で怒涛の前半2クールクライマックスイベントを描いたなぁと。はーちゃんの「見え方」が変わってるのは、表面的に赤ちゃんの姿から中学生くらいの姿に「見え方」が変わっているのと、みらいとリコにとって「守ってあげなきゃならない対象」だったのから「共に戦う仲間」に「見え方」が変わり始めそうという意味とでね。

 この辺りは、僕はリアルで子育てはしたことないのだけど、親御さん視聴者さん的にはグっとくるところなのかもしれない。「保護対象」だと思っていた自分の子供が、ある時自分達と「同等」に頼れるくらいに成長したなーって「見え方」が変わる時、訪れるのかもしれない。

 これ、第18話(感想)ではーちゃんがプリキュアに憧れを抱く描写が入っていたので、はーちゃんが自発的に「未来の自分の姿(見え方)」を選んだ的な話っぽい気がするんだよなぁ。

 第1クールは、「過去」の「見え方」を変えて受け取り直すというのが物語のエッセンスだったのではという話を書いたのですが。↓


●参考:リコ(=Record)が過去を赦して未来に目を向け始める〜『魔法つかいプリキュア!』第1クールのエッセンス


 ここから先は、「未来」の「見え方」を変える。このままだと「大いなる厄災」という未来がちらついているのだけど、その「見え方」を変えてハッピーエンド&トゥルーエンドに向かう物語になっていくのかもしれない。そういう方向に展開していくなら、現在はまだ具体的な目標がないというのに言及されていたみらいさんの「未来」探しエピソードともリンクできそうですしね。

 TJさんの、「玩具」とか「シリーズ構成」にまで「一つの存在/事象の『見え方』が変わる」ネタ仕込んでるんじゃないの説は面白い。それだと、今作は主題歌が後期から新verになるのも、同じ曲なんだけど「見え方」は変わるみたいな感じでこのテーマにこじつけられるしなぁ。

 次回からが『MaxHeart』編相当だとしたら、もうこれ、ラスト3で「はーちゃんはエメラルドじゃなくてはーちゃんだよ!」ってみらいとリコが叫ぶ展開じゃん!


●参考:第45話「無限の闇 永遠の光」/ふたりはプリキュアMaxHeart感想


 オマージュも豊富で、オールドファンを(も)泣かせに来る手法ズルい。さらにこれも、メタに「過去(の作品)」の受け取り方、「見え方」が2016年だと変わるよネタなのかもしれないしなぁ。

→上北ふたご先生のコミックス版がそろそろ



→『映画プリキュアオールスターズ みんなで歌う♪奇跡の魔法!(感想)』のBlu-ray特装版



Amazon・ビデオでプリキュアシリーズを観る(初代〜ドキドキ!へのリンクまとめ)

→前回:魔法つかいプリキュア!第20話「ドタバタでヤバスギ!魔法界に生まれたエメラルド!」の感想へ
→次回:魔法つかいプリキュア!第22話「芽生える新たな伝説!キュアフェリーチェ誕生!」の感想へ
魔法つかいプリキュア!感想の目次へ