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クルクルッキーとか、七変化するはーちゃんとか、スタイルチェンジするプリキュアさんとか、若かったりお爺ちゃんだったりな校長先生とか、ラスボスさんだったり校長先生の友人だったりなドクロクシー/クシィさんとか、作中に「様々に見え方が変わる」要素が幾重にも描かれている本作。
今話でははーちゃん視点から世界の「見え方」が変わったのと(大きくなったから)、みらいとリコの親視点からはーちゃんの「見え方」が保護対象から仲間に変わったのとが平行して描かれます。
両方「あるある」でなんとなく全体的に素敵な雰囲気。自分の方が成長した(大きくなった)ので、これまでと同じ事象が違って見えてくるというのがまず「あるある」です。昔大好きだった特撮が、今観るとけっこうアラが観えるとか、「あるある」です(え)。
一方、子供にしろ後輩とかにしろ、今までどちらかというと保護対象、守ってあげなきゃなと思っていた人が、気がつけば共に戦ってくれる戦力になってるとかも「あるある」です。はーちゃんがフェリーチェになると敬語になるのも、この感覚を補強していて萌える感じです。
その上で、共に戦ってくれる風にまでなったはーちゃん。戦力どころか、未来へのイメージを元に、無から有を具現化する能力を有している模様。「魔法」は未来へのイメージが大事なのは例えば第6話「特訓!魔法の杖!先生はリコのお姉ちゃん!?」(感想)とかで描かれていて、みらいさんはそれが得意とは描かれておりましたが、それでも、水という元となるマテリアルがないと何も作れませんでした。それが、はーちゃんは何もマテリアルがない状態から具現化が可能。
オールドファン的には、これ、何度か書いてるように鷲尾プリキュア2016年版的な趣もあるであろう本作ですし、『ふたりはプリキュア』でポルンとルルンが持ってた能力ですよね。「MaxHeart」最終回は最後どうしてああなったのか分からないと言われることも多いですが、端々を拾っていくとポルンとルルンが合わさるとこの「未来実現化」能力みたいなのが発動すると読める……というのは放映時の「MaxHeart」最終回感想で少しだけ当時考察書いておりました。
うーむ。ガチで、『魔法つかいプリキュア!』は前半2クールが無印『ふたりはプリキュア』、後半2クールが『ふたりはプリキュアMaxHeart』という一作品に「見え方」が違う二作品が入ってるというコンセプトだろうか……。
そんな究極の力とでも言うような未来実現化能力ではーちゃんが願ったのは、世界の救済とかではなくて、みらいさんとリコさんとモフルンとはーちゃんと、「ずっと一緒」というありふれた幸せ。う、うむ。『ドキドキ!プリキュア』みたいに世界を救う視野まで入ってる作品も素晴らしく、マイベストシリーズは『ドキドキ!』なのですが、こっちの方が視点が「日常」に寄り添う元祖プリキュアって感じですのう。僕も、共感のベースとしては、総理大臣が夢だった「幸せの王子」相田マナさんと対になる解答として、『ハピネスチャージプリキュア!』で「街の人」愛乃めぐみさんが「私、自分の願いを見つけたよ」「私の願いはぴかりヶ丘でみんなと幸せに暮らすこと。友達と、家族と、誠司と一緒に生きていくこと」っていう夢を語り出す所がグっときましたからね(参考:「ハピネスチャージプリキュア!第47話「ありがとう誠司!愛から生まれる力!」の感想)。
夢は口にすると願いが叶うじゃないけれど、そーゆう未来に対する言葉こそが魔法。はーちゃんの名前は、花海ことは(言葉)と決まります。
「みんなの言葉が、私のここにいーっぱいつまってるの!」(花海ことは)
という台詞が、「ワクワクもんだし」ということはさんの口癖が、みらいさんの「ワクワクもんだぁ」の口癖とリコさんの「だし」という口癖の合体になってるのが、積み重ねが細かい。大人視聴者向けには、親の言葉、絶対子供が吸収するから、大事にね、という警句にもなってる感じ。
●リコ(=Record)が過去を赦して未来に目を向け始める〜『魔法つかいプリキュア!』第1クールのエッセンス
という記事を書いて、第1クールで「過去」を受け取り直した上で、物語は「未来」の受け取り方を変える方に向かうと予想していたのですが、「未来」を作る段階に入っていって、フォーカスされるのが(マイク型玩具の販促もあるにせよ)「言葉」というのは良い。体は食べ物で作られる。心は聞いた言葉で作られる。そして、未来は話した言葉で作られるんじゃ。
これも、「見え方」の違いネタで落とせそうだけど、今話の、はーちゃん/ことはさんが、
「大好きなみらいとリコとモフルンと ずーと一緒にいられますように」(はーちゃん/ことは)
と「魔法」をかける所は最終回のラストシーンに繋がる級の物語全体でも大事なシーンですが、最後にこの願いが叶うとして、
・「魔法」なんて関係ない、「言葉」が「魔法」だったんだオチ(アンチファンタジーオチ)
・実は、本当にエメラルドの力の「未来実現化」能力が発動して、究極の魔法は既に今話でかかっていたんだよオチ(やはりファンタジーはあるオチ)
の両方に「見え方」次第で捉えられるようにしてほしい感じ。最近は受け手(視聴者)次第でダブルミーニングになるオチ(いわゆる裏エンディングとかあるオチ:参考:表エンディングと裏エンディングを用意する技法〜コードギアス、ひぐらしのなく頃に〜@メインブログ)は避けられる傾向もある感じですが、プリキュアシリーズはやれる地力あるでしょ。
恩師だと思ってる今年亡くなった脚本家の方に「やはり言葉」と言われ、12年とかやってるメインブログ名はランゲージダイアリーだったりな僕だったりなので、ここに来ての「言葉」押しは運命感じますよ(え)。本当に素敵な作品です。
あと、英語でも軽く感想書きました。
→香川久氏の東映アニメーションプリキュアワークスがそろそろ
→『映画プリキュアオールスターズ みんなで歌う♪奇跡の魔法!(感想)』のBlu-ray特装版
→Amazon・ビデオでプリキュアシリーズを観る(初代〜ドキドキ!へのリンクまとめ)
→前回:魔法つかいプリキュア!第22話「芽生える新たな伝説!キュアフェリーチェ誕生!」の感想へ
→次回:魔法つかいプリキュア!第24話「ワクワクリフォーム!はーちゃんのお部屋づくり!」の感想へ
→魔法つかいプリキュア!感想の目次へ