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 『魔法つかいプリキュア!(公式サイト@朝日放送公式サイト@東映)』第27話「Let'sエンジョイ!魔法学校の夏休み!」の感想です。
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 新作小説の執筆にかかりっきりだったため、四話分ほど(一か月分!?)感想を書いてなかったですが、少しずついきます。全部、素晴らしいエピソードだったので。

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 主に(僕が)以後視聴中涙ぐむことが多くなるきっかけの回。


 「悲しいお別れは、もうしたくないんです」


 みらいさんの一番のコアになる気持ちが描かれ、同時にそれは危うく、儚い……というキレキレの作品になってきたと思ったのでした。

 みらいさん、リコさん、はーちゃんの三人が「家族」がモチーフになってるのは明らかと思われる作品ですが。

 世界が進んでいく新自由主義の帰結としてあらゆる共同体が崩壊していくけれど、最後まで抵抗するのは「家族」という共同体だろうと書いていたのは柄谷行人ですが(『世界共和国へ』)、個の充実のために効率的でないものは切り捨てよとホリエモンがドヤ顔で家族捨ててますと書いてる本が売れ、介護や子育ての不自由さと再契約できない幼稚さを誤魔化すための「新しい家族の形」論が飛び交う世の中で、プリキュアはあえてこれをやるのですね……。

 「いっしょにいたい」というみらいさんの一番の願いが描かれる中、この回辺りから同時に、「やがて終わる」モチーフが多数作中に採用されるようになってきます。今回からの「夏休み」しかり、次回の「花火」しかり、そして「命」しかり。いっしょにいられる時間というのは、終わってしまうもの……。

 それでも終わらないでほしいと願ってしまうのは、いけないことなのか、というヒーロー像。世界を救うとかよりも、エゴが前に出てるようで、強い言葉でいえばダークヒーローチックでこの回からみらいさんの魅力は爆増ししたのでした。世界を救う方策の試論だった「幸せの王子」三部作のうち、マナさんとはるかさんとは、みらいさん相性悪そうだ……(逆に、最後に「私の願いはぴかりヶ丘でみんなと幸せに暮らすこと。友達と、家族と、誠司と一緒に生きていくこと」に帰着するめぐみさんとは相性が良さそう)。

 特にはるかさん。「夢」の位置づけを前作『Go!プリンセスプリキュア(感想)』と変えてきてるのは感じるところで、『Go!プリンセス』でも扱っていましたが、「夢」は追えば、「いっしょにいる」状態を壊す力学として働く面があります。それを、『Go!プリンセスプリキュア』は離れていても繋がっているよエンド的に帰着させていたのですが、『魔法つかいプリキュア!』でいよいよ出てきたみらいさんとリコさんの「夢」要素は、ちょっとそっち方向で帰着しても万々歳とはならない雰囲気を感じております。

 はーちゃんは、第23話(感想)で「大好きなみらいとリコとモフルンと ずーと一緒にいられますように」と魔法をかけた。

 みらいさんは、今話で一番の願いは「一緒にいること」と言い切ってる。

 あとは、リコさんの選択によるのかな、という感じがしてきています。やがて魔法界へ帰らないといけないリコさん、第22話(感想)で能動的に一旦魔法界に帰るという選択を選びかけていたリコさん……辺りは、『ふたりはプリキュアMaxHeart(感想)』のほのかの進路話をオマージュしつつ、本作の一つの視点となってると思うのですが、リコさんがどうするかにかかってくるのかな。第23話で、「ずーと一緒にいられますように」の魔法、みらいさんははーちゃんに追随するんだけど、リコさんは(恥ずかしがって?)やらなかった描写はちょっと気にかかっていたのでした。

 僕個人としては、夢を追って凄い魔法使いにならずとも、いっしょにいたい人がいる、ということがあってもイイと思うのですが、さてはて。

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→前回:魔法つかいプリキュア!第26話「想いはみんな一緒!はーちゃんのクッキー」の感想へ
→次回:魔法つかいプリキュア!第28話「魔法界の夏祭り!花火よ、たかくあがれ!」の感想へ
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