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本作の最終戦で、みらいさんが、プリキュアさんたちが「取り戻さないといけないもの」が主立って二つ描かれていた回だと思いました。
その二つが、ついに襲来したデウスマスト様によって「奪われてしまった」展開なのですね。
1.未来
ちとまだ明示的な描写はないですが、TJさんも書いてるけど(こちら)、ラストはその日の朝にループして、「明日が来なくなった」という描写なのだと思います。みらいさん達、明日はとりあえずいっしょだ〜みたいなことを言ってたのですが、その明日が来なくなってしまった状態。
それぞれの将来のことに想いを馳せたり、宿題を片付けたり、花が咲くことを想って花壇を手入れしたり、成長を志してサッカーをしたり、いずれも明日が、「未来」があればこそ、「未来」を願うからこそ……という描写で、それがデウスマスト様襲来で奪われてしまった。
最終戦の一つの見どころは、この「みらいさんが未来を取り戻す戦い」ということかと思います。
こ、これは……メタにプリキュアシリーズそのものになってるじゃないですか……。
み、みんなが『魔法つかいプリキュア!』終わらないでほしい〜とか言ってたら、本当にループ展開になって終わらなくなってしまって(笑)、だが、それでもみらいさんが未来、新番組『キラキラ プリキュアアラモード(公式サイト@朝日放送/公式サイト@東映)』を取り戻す! っていう展開ですよ。
本作は鷲尾天氏プロデューサー時代の初期プリキュアシリーズの2016年版総決算の趣がある作品ですから、この部分も『Yes!プリキュア5GoGo!(感想)』〜『フレッシュプリキュア!(感想)』の時にテーマになっていた部分ですよね。
「凍結」「ずっと変わらない」という方向での「永遠」を志向したエターナル館長に対して、「受け継ぎ」「変わり続ける」「でも繋がってもいる」という方向での「永遠」を選択した夢原さんたち。
その展開が、ちょうど『Yes!プリキュア5』第3期はなくて、新番組『フレッシュプリキュア!』へと新展開していくというメタな演出になっていたのでした。
その頃の精神を、今一度。くどまゆさんが引退し、榎本温子さんが結婚し(え)、それでも変わり続ける中に受け継がれるものはあるんや。
2.インターナショナル/グローバル
もう一つは、ナシマホウ界と魔法界が「融合」してしまった展開で、これは『映画プリキュアオールスターズDX』シリーズ的には「フュージョン」ということですから、やっぱり違う、となるのだろうと。
上記、鷲尾天プロデューサーの考え方の一つに、無謬のものとして「グローバル化」をどんどん押し進めるという方向性は何か違う、というものがあります。インタビューとかもあります。『映画プリキュアオールスターズDX みんなともだちっ奇跡の大集合!(感想)』の敵役「フュージョン」が「グローバル化」の比喩だったという話は、プリキュアシリーズファンにはわりと有名な話だったりです。
参考:鷲尾天氏のエッセンス〜均質化に向かう世界で「見え方が変わる」を守るということ―魔法つかいプリキュア!第15話「ハチャメチャ大混乱!はーちゃん七変化!」の感想(ネタバレ注意)
強大な力が暴力的に何もかも飲み込んでいってしまって「融合」してしまうのは何か違うと。それでは、たとえば「地域伝統文化」とかが飲みこまれて消滅してしまうから。地球全部食生活がマックになれば良いわけじゃなくて、和食も大事でしょ。「繋がる」形があるのだとしたら、和食は和食のまま保持して、その上で他の食文化と手を繋ぐと、そういうことでしょ、と。いうなれば、「グローバル」化万歳というよりは、ある種の「インターナショナル」感を残しておく方よりの考え方かと思います。本作も、序盤は「人魚の里」とか、地域伝統文化とかをプリキュアさんが守る話が多かったのでした。
そういう大きい話が、一個人と一個人の関係の描き方にも関わってきて、二人が「融合」してしまうのは違うでしょ、と。別々な、バラバラな二人が「手を繋ぐ」から「ふたりはプリキュア」なんでしょ、と。うう……『ふたりはプリキュア(感想)』〜『MaxHeart(感想)』、『Splash☆Star(感想)』辺りに回帰してきていて、オールドファンを泣かせにきてるよ、これ。「だからプリキュアはふたりなの!」
2016年〜2017年まで12年間シリーズが続いて、再びテーマ的には『映画プリキュアオールスターズDX みんなともだちっ奇跡の大集合!』の結論に辿り着いたとも言えます。これ……これでラスト3のどこかで大塚隆史監督演出回とか来たら、僕泣いて飛び上がるぞ……。『ハピネスチャージプリキュア!』でも『Go!プリンセスプリキュア』でも単独演出回あったから(それぞれ、ハピネスチャージプリキュア!感想/第44話「新たなる脅威!?赤いサイアーク!!」と、Go!プリンセスプリキュア第37話「はるかが主役!?ハチャメチャロマンな演劇会!」の感想(ネタバレ注意))、あり得るよね? あ、大塚監督、『映画プリキュアオールスターズDX1〜3』の監督、および『スマイルプリキュア!(感想)』のSDの方ね。僕より一つ上なだけでこの戦歴。きー。だけど、この鷲尾天氏プロデューサー初期作の文脈でいうと、『Splash☆Star』ラスト2(感想:神回です!)の演出をされた方という方が通りが良いかもしれない。
●そしてNAVEへ
そして、上記二つの最終戦で「取り戻したいもの」の象徴として、まさかの「鍋」が機能しているという展開。
みんなで囲んで食べようと約束していたのに(未来への願い)果たされないままデウスマストさんが襲来してしまった展開なので、「鍋」を食する時が、未来を取り戻した時という本作のゴールです。
一方で、たぶんだけど、全部混ぜこぜに「融合」してしまうんじゃなくて、それぞれの「具」が独立したまま「鍋」全体で調和を保ってるとか、そういう意味合いもかけてるんでしょ。
プリキュア的テーマで考えると「一人で食べるよりみんなで食べる方がおいしい」ってテーマなのだろう。ケーキというのは大概において切り分けてみんなで食べるものだからテーマにも合っている。
— TJ-type1 (@tjtype1) 2016年11月28日
だが、「みんなで食べる」コトが前提の料理なら「鍋」でもいい。
新番組「鍋パーティープリキュア」
鍋パーティープリキュア≒魔法つかいプリキュア!
— TJ-type1 (@tjtype1) 2017年1月8日
繋がった…
『鍋プリBOOK』は本当に面白いですよw。TJさん四年早かったな!鍋プリBOOK 電子版 https://t.co/grpZMUxn6t #booth_pm
— TJ-type1 (@tjtype1) 2017年1月8日
鍋とプリキュアについては、4年前に本になってるよ
てか、オールドファンを殺しに来ている側面もあり、『魔法つかいプリキュア!』、個人的にここまで愛せるシリーズになるとは。最終戦は「キラメク誓い」流れるのかな? それとも「初代」〜「MaxHeart」オマージュだから、ストレートに主題歌かな?
いずれにせよここまできたら「約束された勝利の号泣」なので、またRubyさん(ブログ)とかTJさん(ブログ)とか三十路さん(ブログ)とかさかいさん(ブログ)とかだいずさん(ブログ)とかに、最終回の夜はチャットしましょうのメール送らないと(え)。
てか、最終回が本当にみらいさんたちもオルーバ様たちもバッティさんたちもみんなで「鍋を囲む」エンドだったら、「鍋」オフ会やりましょう!
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→Amazon・ビデオでプリキュアシリーズを観る(初代〜ドキドキ!へのリンクまとめ)
→前回:魔法つかいプリキュア!第46話「魔法のクリスマス!みらい、サンタになる!?」の感想へ
→次回:魔法つかいプリキュア!第48話「終わりなき混沌!デウスマストの世界!!」の感想へ
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