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 『キラキラ☆プリキュアアラモード(公式サイト@朝日放送公式サイト@東映)』第10話「ゆかりVSあきら!嵐を呼ぶおつかい!」の感想です。
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 『映画プリキュアドリームスターズ!』は公開初日に観てきて感想もアップ済み(こちら)ですが、毎回のごとく、二週くらいは感想記事中で映画の「コアな」ネタバレはなしの方向で(軽くは触れちゃいます)。その後は普通に言及していきます。

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 一旦「想い」のかけ違い(=ディスコミュニケーション)が生じて、それが「昇華」される……という繰り返されている本作の物語のフォーマット。

 今話は、ゆかりさんとあきらさんという二者間の「想い」のかけ違いと、ゆかりさん&あきらさん二人といちかさん(&ひまりさん・あおいさん)の間の「想い」のかけ違い(疑惑)と、主立っては二つが描かれます。

 ゆかりさんとあきらさんは同じ学校というだけでそんなに親しいわけでもないし、どうも二人には考え方に違いがある模様。

 一方で、高スペック高校生のゆかりさん&あきらさんへの「想い」は、いちかさんからの一方方向で、二人は別にいちかさんと一緒にいたいなんて思っていないんじゃ? ということが、ゆかりさん・あきらさんガチ勢(え)ファンクラブ的な人々から指弾されたりもします。

 まず、ゆかりさんとあきらさんの「想い」のかけ違いの方は、二つのイベントで「昇華」(違うからイイという方向に行く)されます。

 一つ目がゆかりさんの方の、少女が大人びたブローチを選ぼうとするのを後押ししてあげるエピソードで、二つ目はお年寄りがなくした宝石をあきらさんが探してあげるエピソードです。そして、それぞれのエピソードを通して、お互いがお互いの(自分とは違う)良いところを見ています。

 こうして、ゆかりさんとあきらさんの関係が進展したところで、二人がいちかさんの元に戻ってくる。やっぱり、いちかさんからの一方方向の「想い」というだけではなくて、二人もいちかさんといたいと思ってくれていた……と、こちらの関係性もちょっと進展します。

 注目したいのは、ゆかりさんの方のエピソードの少女のブローチも、あきらさんの方のお年寄りが失くしたものも、どちらもまあ「宝石」モチーフと言って差し支えない点です。

 「宝石を配って回った『幸せの王子』とそれを受け取って立ち上がる『街の人たち』」モチーフの三部作は、『ドキドキ!プリキュア(感想)』〜『Go!プリンセスプリキュア(感想)』で一区切りした感じはあるのですが、そう言いつつも去年の『魔法つかいプリキュア!(感想)』でも「宝石」は大事なモチーフだったりで、「宝石」はプリキュアシリーズを通して大事なモチーフになってきた感があります。本作でも、キラキラル(なんか輝いてるエネルギー)の設定や「キラキラパティスリー」というお店の名称など、やはり少し迂言的でも「宝石」モチーフは入ってる作品であると感じます。

 そうなると、何かと他人の「想い」は守ろうとするけれど、自分の「想い」はどうなるのか? というような物語を滲ませているいちかさん。キラッ(「宝石」の輝きと類似)と閃くのもいちかさんですし、今話の「宝石」っていちかさんのことだという暗示なのではないかと深読みしたくなります。シリーズ構成も、『Go!プリンセスプリキュア』で鬼の構成美を見せた田中仁さんですし。

 第7話(感想)の他人(ペコリン)の「想い」を守ろうと一人奮迅して吹き飛ばされてしまって、そんないちかさんをひまりさん、あおいさん、ゆかりさん、あきらさんの四人が支える……という構図も先の物語の暗示だと感じていますが、今話も、今後の物語で「宝石=いちかさん」に危機が迫った時に、ゆかりさんとあきらさんがそれぞれのやり方で支えるという暗示なのかな? と想像してしまいます。

 この先、いちかさんも何か自分の本懐を遂げられなくなりそうな時が訪れて、その時にゆかりさんが後押ししてくれるのかもしれない。

 あるいは、いちかさんがロスト状態になるような展開が訪れて、その時にあきらさんが探してくれるのかもしれない。

 そういう時、ゆかりさん(今話では基本自分主義)とあきらさん(今話では基本他人主義)と、むしろ今話では考えが違う、一旦は「想い」がすれ違う二人だからこそ、むしろ二系統の側面からいちかさんをサポートできて良い、ということになりそうな気がします。アニマル要素は「個性」の比喩という制作陣インタビューの話はけっこうアクロバットだなと思っていましたが、今話に関しては、ネコっぽい(自分中心で自由)ゆかりさんと、イヌっぽい(他人・ご主人様につくす、あと「宝石」を探してるシーンがイヌチック)あきらさんと「個性」がバラバラの二人がいることで、いつか訪れるいちかさんの危機のサポートを多角的にできそう……と、良い感じの仕込みになってると感じたのでした。

 『映画プリキュアドリームスターズ!!』の感想(こちら)で書いたのですが、そういう意味で、いちかさんは『ドキドキ!プリキュア』の相田マナさんチックな要素がある主人公像かと感じ始めています。他人の「想い」を守り続けながら、自分の「想い」は届かないまま。いちかさんのことは誰が守ってくれるのか? という、やはり「幸せの王子」的な物語を背負っている。

 これは、『ドキドキ!プリキュア』第32話(感想)相当のエピソード来そうですぜ……。今から、準備しておかないと(え)。

 そうなると、今話では三つ目の「想い」のかけ違いとして、地味にゆかりさん&あきらさんと、それぞれのファンクラブメンバーたちとの「想い」のかけ違いにも注目してみたいところです。

 この二者の関係、「宝石」的なものを配っていて愛されている側の人(ゆかりさん&あきらさん)と、それを支える人達(ファンクラブメンバーたち)との関係が、そのままいちかさんと他の四人のメンバーの関係に対応していると思うのです。

 その二者間に発生した「想い」のかけ違い(=ディスコミュニケーション)を、物語を通して最後にハリネズミフルーツタルト(いちご=いちかさん、マスカット=ゆかりさん、ブルーベリー=あきらさん……かな)を皆で食べて「和」に至る! というのが今話のエピソードなので、これのアップデート版の物語が、縦軸の物語全体のクライマックスでも来そうだよな〜と。

 まあ、タルトじゃなくても、このテーマを表現するなら「鍋」でイイんですけどね(え)。『魔法つかいプリキュア!』第47話(感想)の「鍋」要素が劇中で明確には回収されなかった僕とTJさんの喪失感を埋めるべく、本作は是非「鍋」展開をやってほしい。キラッと閃いた! 「鍋」的なスイーツ!!??

 でもまあ、テーマ的にはそっちの方向と感じています。他人の「想い」を守りながらも自分のことに無自覚な「幸せの王子」的な人とそれを支え・慕う「街の人たち」的な人(この二者間は、いちかさんのお母さんといちかさんの関係とも対応している気がする)、その間の「想い」は少しかけ違ってるなりに、みんなで「鍋」を食べよう。『鍋パーティプリキュア!』

 キラッと今後の物語にも想いを馳せたところで、次回は謎の少年が本格登場の模様。「想い」を届けるのを守るのが主人公側だから、やっぱり「断絶」とか「分断」とか、そっちの要素の敵キャラになるのかな〜。

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→前回:『キラキラ☆プリキュアアラモード』第9話「キラパティがあなたの恋、叶えます!」の感想へ
→次回:『キラキラ☆プリキュアアラモード』第11話「決戦!プリキュアVSガミー集団!」の感想へ
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