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本作定番の「想い」のかけ違い(=ディスコミュニケーション)が一旦生じるパート。
今話のメインはキラキラパティスリーとお客さんとの間に「噂」によってディスコミュニケーションが生じる……という部分なのですが。
他にも、印象的に「電話(ボックス)」「糸電話」などが描かれていて、コミュニケーション(=人と人との意思の伝達)という要素が強調されていた一話だったと思います。
逆に、ビブリーさんの「一人で人形のイルさんと喋ってる」、ジュリオ君の「仮面」などはコミュニケーションを拒絶している、閉じているというディスコミュニケーションの比喩要素ですかね。
あきらさんに糸電話を渡してきたファンクラブメンバーたちの面々は、第10話(感想)では一旦あきらさんとすれ違ってるんだよな。今話のこの辺りの描写は、一旦すれ違ってもまた復元できる……という描写なのかもしれない。
となると、ジュリオ君とビブリーさんがいる空間とこちらの世界との経路がどうやら「電話(ボックス)」みたいなのですが、この二人とプリキュアさんたちも今はすれ違ってるけど、やがてコミュニケーションは復元される……という暗示なのやもしれないです。
さて、今話のメインのビブリーさんが流した「噂」によるキラパティとお客さんとの「想い」のかけ違い(=ディスコミュニケーション)パートですが、「噂」の内容も、
・恋人と別れてしまう
・友達と仲悪くなってしまう
・ギャグがすべる
と、全部人と人との「想い」の伝達が上手くいかなくなる……というディスコミュニケーションネタなのですね。
で、このディスコミュニケーションが一旦生じた状態から、毎回のごとく「やり直せる」と色々やるパート、こっちは……
・チラシをつくる
・ビラをくばる
・聞き込みをする
・(「想い」を伝えるための)ミルクレープをつくる
と、全部広い意味での「相互理解」ネタ、「コミュニケーション」ネタになっています。
キリンミルクレープを食べてもらって少年に(「噂」という妨害を超えて)「想い」が届くくだりは、お菓子を届ける(=「想い」を届ける)という本作の比喩通りで、綺麗な感じだったのでした。
「ギャグがすべる」というマイナス要素をいちかさんが「これっキリンにしてね」って返すのも、本作定番の「昇華」要素ですしね。
なんか、あのキリンの置物(乗り物?)の面白さが果たした役割も大きそうでしたけどね(笑)。キリンはなぁ。破壊力高いよなぁ。ジラフ!
今話のポイントとしては、新キャラキラ星シエルさんも初登場。
これ、次の話数も既に観てるのでシエルさんの正体も知ってますが、やっぱりこれキラ星シエルさん=「幸せの王子」ポジションっぽいよなぁ……。
例年その年のTVシリーズのエッセンスも詰まっている春映画『映画プリキュアドリームスターズ!(感想)を観て以来、『ドキドキ!プリキュア(感想)』〜『ハピネスチャージプリキュア!(感想)』〜『Go!プリンセスプリキュア(感想)』三部作で主に描かれていた「宝石を配って回った『幸せの王子』と宝石を受け取って立ち上がる『街の人達』モチーフ」が、今作『キラキラ☆プリキュアアラモード』でもけっこう描かれているんじゃないか、という話を最近ちょくちょく書いておりました。
「キラ」という響きからして「宝石」も連想されますが、シエルさん自身は「幸せの王子」的に(海外で)スイーツを人々に与えて沢山の人を救ったんだけど、シエルさんが沢山の人を救ってる間に、「いちご山のスイーツ工房のみんな」という共同体は爆発して失われてしまった……っていう構図なんですよ。
これが、劇中での「幸せの王子」オブ「幸せの王子」であるいちかさんのお母さんと重なります。
いちかさんのお母さんが海外で医者をやって沢山の人を救ってる間に、いちかさんは犠牲になってるんじゃないのか? という構図です。第17話(感想)でジュリオ君にもいちかさんはそこを突かれてましたね。
この人助けをして回る「幸せの王子」と、その裏で出てしまう「犠牲」についての関係の物語が、とても『ドキドキ!プリキュア』っぽいです。
『映画ドキドキ!プリキュア マナ結婚!!?未来につなぐ希望のドレス!(感想)』で例えると、キラ星シエルさん&いちかさんのお母さんが入院中のお祖母ちゃんを見舞うため(手伝うため=救うため)駆けていく幼相田マナさん(=「幸せの王子」)で、一方で、いちご山のみんな&いちかさんがマナさんがお祖母ちゃんの元に駆けて行ってる間に犠牲になったマシュマロのポジションです。
で、いちかさんはおそらくキラ星シエルさんを助っ人するんだろうけれど、それは疑似的に自分のお母さんを助っ人する意味合いになっていくという。
もうすぐ、予告されてるキュアパルフェ初登場回(7月16日放送の第23話)ですが、キラ星シエルさんと宇佐美いちかさんが共に戦うということには、上記のような流れで、「幸せの王子」と「幸せの王子のために犠牲になった者」が共に戦う、というか、今度はどちらにも「犠牲」を出さない! という文脈が加わるので、熱いと思うのでした。
本当、『キラキラ☆プリキュアアラモード』は再び「世界」(を救うための方法論)の物語をやっていて、この壮大さと日常を行き来してる感じはイイな〜と思うのでした。
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→前回:『キラキラ☆プリキュアアラモード』第17話「最後の実験!変身できないキュアホイップ!」の感想へ
→次回:『キラキラ☆プリキュアアラモード』第19話「天才パティシエ!キラ星シエル!」の感想へ
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