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ネタバレ注意です。
第1話から続いて「当初イメージしていた未来が思ったように実現できない」という話が今話でも繰り返し描かれます。
というか、「今話」、「物語縦軸」、「メタ(リアルとの関連)」の三つで、この「当初イメージしていた未来が思ったように実現できない」がテーマとして関連し合いながら描かれていて、豊かな表現になっています。
まず、「今話」。
はぐたんのご機嫌をなおすもの(=ミライパッドに表示される点)が、「当初イメージしていたもの」からどんどん変わってゆくのが描かれます。
「日本庭園」をイメージしたゾ!→違った。
「移動動物園」をイメージしたゾ!→違った。
最終的に「はなさんのお母さん」に行きつきますが、これは「当初イメージしていた未来」とは違うものです。
でも、もちろんネガティブなニュアンスでは描かれていません。
第1話で、はなさんが「当初イメージしていた」通りに前髪を切れなくても、切り損ねた前髪が案外似合っていたように。イメージしていた未来とちょっと違うところに辿り着いてしまったけれど、「見え方」を変えてみると、それでけっこう良かった!
次に、「物語縦軸」。
これは、「世界」と「キャラクター」に分けられます。
・「世界」
第2話の感想で書いた通り、はぐたんが未来軸の世界から来ているとすると、そのクライアス(=暗い、明日)社に時間を止められてしまった世界は、「当初イメージしていた未来が思ったように実現できな」かった世界ということになります。こんな世界じゃなかったはずなのに! ですね。
どういう物語で展開していくのかは分かりませんが、全体的に「世界」レベルでも、「当初イメージしていたのと違った未来(世界)」を捉えなおすという物語であるようです。
・キャラクター
薬師寺さあやさんと、輝木ほまれさん。
公式設定で何らかの挫折を経験していることが明らかにされていますが、この「挫折」という要素も、言い換えると、この二人は「当初イメージしていた未来が思ったように実現できな」かった人たちなのですね。
そこから、イメージ通りにいかなかった今の自分を、どう捉えなおしていくか、という物語がこの二人にはあるように思います。
「世界」も、「自分」も、「イメージしていた通りの未来」は実現できなかった。でも、それでオシマイダーなのか? 違うよネ?
最後、「メタ(リアルとの関連)」。
宮本佳那子さんが主題歌を担当されてるのが、メタキャスティングのように感じます。
『ドキドキ!プリキュア』で剣崎真琴役を担当された後、一時活動休止されていました。「イメージしていた通りの未来」とは違う時間だったと推察します。
でも、それでオシマイダーなのか。今、当初のイメージとは違うカタチかもしれませんが、本作の主題歌を歌っておられます。とても、今のカタチなりにカッコいいです。
リアル視聴者さんたちも、15年前に初代プリキュアさんを観ていた人たちとか、我々おじさんw視聴者とか、「イメージしていた通りの未来」を実現できている人は少数です。
でも、それでオシマイダーなのか? 今の視聴者さんたちも、「前髪を切りすぎてる」感じで滑稽かもしれませんが、それはそれなりのカッコ良さはあるでしょ。
子供を育てていたりするかもしれないですし、親の介護をしていたりするかもしれません。一人だとしても「前髪を切りすぎてる」なりの意味でのカッコよさは、「見え方」次第できっとあるはずです。
◇◇◇
この「当初イメージしていた未来が思ったように実現できない」なりのカッコ良さという話が、最近のプリキュアシリーズの流れ的に「代役」のヒーロー像と繋がってきます。
前作、『キラキラ☆プリキュアアラモード』の宇佐美いちかさんも「代役」のヒーローでした。
剣城あきらさんから見て、妹のみくちゃんの「代わり」として描かれていたりします。
でも、「代わり」なりに彼女は必要だったし、「代わり」なりにカッコいいのです。
この辺りの話は、『キラキラ☆プリキュアアラモード』の感想を参照して頂けたらと思います。去年は、第18話までしか感想書いてなかったけどネw↓
参考;『キラキラ☆プリキュアアラモード』の感想
「代役」のヒーロー像は、明示的に登場してきたのは『ドキドキ!プリキュア』からかと思います。
「幸せの王子」の「代わり」ですね。いくら「幸せの王子(=ヒーロー的)」な人でも、一人で全ては解決できないので。
「代役」、「街の人」的なヒーローがこの世界には必要になる。「幸福の王子」相田マナさんの代わりにマシュマロを助けにいってあげられる人が必要になる。
この辺りの話も、『ドキドキ!プリキュア』の感想を参考にしてやって〜。↓
参考:『ドキドキ!プリキュア』の感想
で、今作のはなさんも「代役」のヒーローなのですね。
はぐたんの本当のお母さんではありません。「代役」のお母さんです。当初のイメージ通りの「本当のお母さんに育ててもらう」は実現しなかったのです。
今話では、「代役」すら務まらずに、「代役」の「代役」たるはなさんのお母さんがはぐたんには必要でした。
「心臓の音」「お腹の中を思い出す」という要素がでてきますが、いずれも、はぐたんにとって本当のお母さんの「心臓の音」でも「お腹の中」でもありません。でも、代わりでもイイという「世界観」です。今話のはなさんのお母さんは、カッコいいですよね。
◇◇◇
「当初イメージしていた未来が思ったように実現できない」としても、それなりにカッコいい。
「代役」のお母さんでもカッコいい。
この二つから連想するのは、
意固地にならないでしなやかに。
というようなことかな〜と思います。
一つの未来にこだわりすぎなくてイイ。一人で子育てしなくてイイ。
「一人で大変でしょう。困ったことがあったらいつでもきて」(野乃はなさんのお母さん)
すごい、カッコいいです。
しなやかさ。余裕。育児の話とか介護の話とか、労働環境が厳しい話とか、今、必要なのはこれです。
当初の夢と違うカタチになってもイイ(=「なんでもなれる」)。
一人で仕事も子育てもできるカッコいい私とかじゃななくてイイ(=むしろめっちゃすぐw頼った方がカッコいい)。
長年のプリキュア視聴者ガチ勢wの友人たちも子育てとかしているので、くれぐれも、このカッコ良さを忘れるんじゃないゾ。
これ、大都市部でワンオペ子育てまじ無理! いよいよヤバい……とかなったら仙台に(え)来るんじゃゾ。寝床とご飯くらいは用意するゾw 当初イメージしていた未来と違うカタチになっても、別にオッケーなんじゃ。
そういう自分に許可を出すんじゃ。
時期的に冬季オリンピックに僕はほとんどピンときてないのですが(え)、世界観が古い(え)からかなと思ってます。プリキュアの方がしっくりくる。
メダルはもちろん凄いですが、それだけが価値ある未来として固定されてるみたいなのは共同幻想だから。
当初イメージしていた未来(=金メダル)とは違っても、六位とかでも全然カッコいいからw、というか競技者としては挫折して街でインストラクターやってる人とかでもめっちゃカッコいいからw
ただ、当初イメージしていた未来と違うカタチに進む時ってけっこうエネルギー(元気)が必要で、「応援」は必要だから。だからキュアエール。
さあやさんも、ほまれさんも、挫折、一度「イメージしていた未来」と違ってしまったなりに、もう一度今のカタチで進み始めるために、野乃はなさん(キュアエール)が必要だったというような物語であるのでした。
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ライブドアブログのトラックバック機能がなくなっちゃったので、長年の友人のプリキュア民(笑)たちの感想にもリンク張っておくよ〜↓
● HUGっとプリキュア! 第3話「ごきげん?ナナメ?おでかけはぐたん!」/穴にハマったアリスたち
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あと、何となく今年から実験的にしばらくコメント欄を開けておいてみるので、何かプリキュアの話とかありましたら〜。
→Amazon・ビデオでプリキュアシリーズを観る(初代〜ドキドキ!へのリンクまとめ)
→前回:薬師寺さあやさんが野乃はなさんに青い鳥を見る理由〜HUGっと!プリキュア第2話の感想(ネタバレ注意)
→次回:輝木ほまれさんが今話でまだ跳べなかった理由〜HUGっと!プリキュア第4話の感想へ
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