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 『HUGっと!プリキュア(公式サイト@東映公式サイト@朝日放送)』第22話「ふたりの愛の歌!届け!ツインラブギター!」の感想です。

 ネタバレ注意です。
 ◇◇◇

 初代「ふたりはプリキュア」・キュアブラック(美墨なぎさ)さん&キュアホワイト(雪城ほのか)さんがゲストキャラとして登場する回。

 だいぶざっくりやってきて、本人たちも状況をざっくりと捉えてる感じですwわりと、異世界くらいけっこう来てる(劇場版とか)人たちですからねw

 『HUGっと!プリキュア』には「メタフィクション」として『ふたりはプリキュア』という作品を「過去」の象徴として捉えている面があるという話をこちらで書いておりました。↓


参考:HUGっと!プリキュア第19話がジェンダー論というよりメタフィクションである話(ネタバレ注意)


 「過去」とは(ある種の)「共闘」ができるって流れになるのではとは書いたけど、本当に初代がやってきて物理的な意味でも「共闘」するの!? 的な面白さがある前回と今回でした。

 「過去」は「呪縛」としても描かれていると上の記事で書いておりましたが、第21話がそんな感じで、えみるがいざプリキュアになってみたものの、「理想のプリキュア像」が高くて、それに達してない自分に落ち込む話なのですね。

 「プリキュアの資格」という言葉を口にしていましたが、えみるが口にした「プリキュアの資格」が、この場合えみるが勝手に思い込んでる「過去」からの「呪縛」要素なのですね。

 第19話で、兄・正人経由で祖父という「過去」からの「女の子はヒーローになれない」という「呪縛」をえみるがえみる自身にかけてしまっていたように、この二話では「メタフィクション」的に「過去」のプリキュア作品から「プリキュアかくあるべし」という「呪縛」をえみるがえみる自身にかけてしまっているという構図です。

 えみるの先行者であるはなさん自身が「イケてる大人のお姉さん」という「過去」からの「呪縛」的な「かくあるべき」理想像に囚われてる側面がある人として描かれていて、後続のえみるもその辺りを継いじゃってる感じです。

 はなさんが近話でやたらと「先輩―後輩」を口にしていたのも、ここまでストーリーが進むと、「後輩は先輩を敬うべし(ある意味「先輩」という「過去」の「呪縛」)」という固定観念をアップデートして、「先輩と後輩の関係、The、2018プリキュアver(「呪縛」が解かれた「共闘」のようなもの)」みたいなのをここから描いていく前フリだったのだと気づきます。

 そして、えみるが陥っている「過去」からの「呪縛」を解くのに一役買うような役回りをするのが、他ならぬ「過去」のプリキュアであるなぎさとほのか……というような描き方でした。

 えみる的には、(えみるが思い込んでる)理想のプリキュアはケンカなんかしないって「固定観念」だったと思うのですが、なぎさが、いやケンカするしw、本音でぶつかることもあるよと、えみるを「固定観念」から解放します。すごい「メタフィクション」ですよねwなんか、いつの間にか「初代」とか神格化されてたけど、なぎさはケンカもするし恋に奥手だし考えるのとか苦手だしwわりと普通の子なのであった。

 一方でほのかの方も、ルールーさんに(ざっくりとは)心とか、自由でいいからという話をします。ルールーさん側の固定観念・「呪縛」(主には、自分がアンドロイドであることからくるもの)をほのかがちょっとだけ解きます。

 『ふたりはプリキュア(感想)』〜『MaxHeart(感想)』で、最終回で「わたし達の心の中の宇宙は誰からも自由だわ」(プリキュアシリーズのファンの間では有名な台詞)を口にした本人ですからね。ルールーさん指から謎の光線みたいなの出して溶接(?)してるのにすごいナチュラルに話してて、ヤバい、この人の心の宇宙はマジ自由だ! とビビっときたシーンでしたw雪城さんはやっぱりカッコいい!

 ここで、えみるとルールーが「過去」からの「呪縛」から解放された話が、同時進行で描かれていた(失敗しても)「やり直すことはできる」というテーマと重なっていきます。

 一度壊れたギターがツインラブギターとして復活(やり直し)するくだりと。

 パップルさんが失恋して、オシマイダーと思っても、それでも未来にやり直すことはできるはず……とえみるとルールーが抱きしめるくだりとが、(テーマ的に)リンクする流れですね。

 第1話冒頭がはなさんが前髪を切りすぎる場面で、「当初イメージしていた未来が思ったように実現できない」という要素が何重にも描かれている本『HUGっと!プリキュア』という作品。

 えみるのギターも、当初のイメージ通りには全うできなかった(壊れてしまった)。

 パップルさんも、当初のイメージ通りの大人にはなれなかった人(バブル期の理想・妄想が幸せとして実現できなかった的な人ですよね……)で、恋愛も当初のイメージ通りにはいかなかった(失恋した)。

 一方で、「でも切りすぎた前髪は意外と似合っていて、別なカタチで世界を幸せにできた」が物語序盤のエッセンスである作品でもあります。

 えみるのギターはツインラブギターという当初のイメージとは違うカタチになり、違うカタチになったなりにこれから幸せを運んでみたい。

 パップルさんも、未来には当初のイメージとは違うカタチなりの愛とか見つかるかもしれない。

 どうして、そういう違うカタチなりの「やり直し」が可能なのかと言ったら、心は自由だから。なんでもなれるから。未来に関しては、心に自由に描いてオッケーだから。

 ここにきて、本作の「なんでもできる! なんでもなれる!」のキャッチコピーは、初代の「わたし達の心の中の宇宙は誰からも自由だわ」の言い換えというか、その精神性の帰結であるんだなと理解。

 はなさんと重なる二十代くらいの、今、子どもの頃の理想とは違うカタチを(おそらくはけっこう苦しい状態で)生きてる大人視聴者へのメッセージとしては分かるとして、パップルさん年代に対しても、まだ未来は(少し違うカタチなりに)なんでもできる……って、堂々とメッセージにして解き放ってるのは熱いなと思いました。


 「私にはもう何もない」(パップルさん)
  ↓
 「それでも、それでも未来はあるのです」(えみる)

 「あなただって。何でもできる。何でもなれる」


 の流れは泣いたよ。

 またその例かよって感じですが、子どもの頃の理想のイメージ通りに歌手にはなれなかったとしても、これから少し違うカタチで、(たとえば)兼業YouTuberの歌い手になるとかは、オッサン・オバサンで今からでも全然オーケーだと僕も思うよ。

 今まで支えてくれた、当初の理想のイメージ(=ギター)(人によってはそれが初代『ふたりはプリキュア』という作品であったり、元彼氏・元彼女であったり、親とかであったりするのでしょう)よ、ありがとう。その理想のイメージは壊れてしまったけれど。理想通りにはなれなかったけれど、少し違うカタチなりに、ツインギターにしてみたりして、ここからはやり直していってみるよ。何故なら、ここから先の未来をどう想い描くかは、「自由」なのだから。

 「メタフィクション」としては、「過去」からの「呪縛」問題に、先行して「解」を示した回でもあったと思います。

 初代『ふたりはプリキュア』をそのままやるということはもうしない(「過去」からの「呪縛」になるから)。一方で、(心の自由とか)「過去」を受け取りながら、共に戦って、まだ見ぬ「未来」に共に進んで行くことはできるかもしれない(何しろ、未来をどう想い描くかは自由なので)。

 (今話でカットも入った)初代第8話(当時の感想)のケンカエピソードを踏襲してるのですが、それでいてちゃんと今話なりの話になっていて(二人だけの話で終わらず、パップルさんを救うところまで行ったのは大きい)、この「過去」と「未来」の両義……みたいなのをやりたいんだろうな〜と。

 このしなやかさは、この後おそらく「過去」の「呪縛」関係でハリーが(おそらく精神的にも)ピンチになると思われるので、えみるとルールーを経由して意味をもってきそうです。

 第21話の、一瞬ハリーを案ずるほまれさんのカットが入るところとかイイよね。突然のカップリングという風でもなくて、「過去」に傷を負った者として、そして同系の一人で抱え込みがちな人として、ほまれさんはハリーが気になる……的な話なのだと思われ。

 一人で抱え込んでるハリーさんにどういうカタチで「わたし達(ハリーさん含む)の心の中の宇宙は誰からも自由だわ」が届くのか。ハリーさんがどう「呪縛」から解放されるのか。今からちょっと泣きそうですよw

 ◇◇◇

 Rubyさんがお子さんと鑑賞しているTwitterが相変わらず面白いです。

 映画、観に行くしかない案件ですよねw

 めがっさクリエイティブ系の子なんだろうと思ってますw

 そうそう。TJさん(ブログ)がまたアンソロ作られるとのこと。

 『ディケプリ』アンソロの時に密かに「この人ヤバい」と思ってた人(え)とかも参加表明されていて、またヤバいアンソロになる予感がしております。

 僕も参加いたします。すでに『フレッシュプリキュア!』と『仮面ライダーブラックRX』のコラボ(二次創作)小説2Pの原稿をTJさんに渡し済みだったりしますw

→良かった今年の春映画



参考:
▼『映画プリキュアスーパースターズ!』の感想
第1回〜ワンオペ母に手を差し伸べる朝日奈みらいの物語
第2回〜悲しい過去も何とかなる物語
第3回〜「幸福の王子」宇佐美いちかの物語
第4回〜アニミズムとしてのプリキュアシリーズの物語
第5回(最終回)〜過去の思い込みから解放される物語

→ボーカルアルバム

「HUGっと! プリキュア」ボーカルアルバム「パワフル♥エール」
キュアエール(CV.引坂理絵)ほか
Marvelous Entertainment Inc.LDC(PLC)(M)
2018-07-04


→『ふたりはプリキュア』



 ライブドアブログのトラックバック機能がなくなっちゃったので、長年の友人のプリキュア民(笑)たちの感想にもリンク張っておくよ〜↓

HUGっと!プリキュア #22「ふたりの愛の歌!届け!ツインラブギター!」/『真・南海大決戦』
HUGっと!プリキュア 第22話 ふたりの愛の歌!届け!ツインラブギター!/四十路男の失敗日記
HUGっと!プリキュア第22話感想&考察/あおいろ部屋

 あと、何となく今年から実験的にしばらくコメント欄を開けておいてみるので、何かプリキュアの話とかありましたら〜。

Amazon・ビデオでプリキュアシリーズを観る(初代〜ドキドキ!へのリンクまとめ)

→前回:『HUGっと!プリキュア』第20話「キュアマシェリとキュアアムール!フレフレ!愛のプリキュア!」の感想へ
→次回:HUGっと!プリキュア第46話の感想〜ハピネスチャージ以来もう一度「プリキュアは無意味だ」に向き合う(ネタバレ注意)へ
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