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 相羽です。

 『スター☆トゥインクルプリキュア(公式サイト@東映公式サイト@朝日放送)』第2話「宇宙からのオトモダチ☆キュアミルキー誕生!」の感想です。

 ネタバレ注意です。
 ◇◇◇

 あなたと私は「違う」ということを描いているパートと、

 あなたと私は「同じ」だということを描いているパートとがあって、

 双方が補い合ってる感じでありました。

 まず、


●あなたと私は「違う」ということを描いているパート

 の話から。

 第1話の冒頭のシーンには、毎年その年のTVシリーズ全体のコアとなるエッセンスが詰ってるのですが、前回、本作『スター☆トゥインクルプリキュア』第1話の冒頭で描かれていたのは、「ポスト」でした。

 ポスト、手紙……

 「手紙」がプリキュアシリーズで大事なモチーフなのは『Yes!プリキュア5GoGo!』最終回の頃からですが、


参考:Yes!プリキュア5GoGo!/感想/第48話(最終回)「未来へ!永遠不滅のプリキュア5!」


 これは、

 「ポスト」=「手紙」が届く場所……ということで、「伝達」とか「疎通」が、本作では大事な要素なんだヨっていう表現なのかなぁと思っております。

 で、前回の感想で書いた通り、本作では「一人の人間の心(想像力)=一つの宇宙」……というニュアンスが描かれていますから、


参考:スター☆トゥインクルプリキュア第1話の感想〜マルチヴァース宇宙観で描かれる大不思議世界への物語(ネタバレ注意)


 本作では、


・(個人レベルでの)一人の人間の心の宇宙と、もう一人の人間(他者)の心の宇宙の「疎通」

・(世界レベルでの)ある宇宙と、ある宇宙の「疎通」


 が大事な物語の要素なんだよってことなのかなと思います。


 「疎通」=「違う宇宙同士の接触」(からはじまる……)


 前回と今回のひかるさんとララさんの接触が、まさに違う宇宙(を心に想像力として持つ者同士の)接触……だったわけですが、

 このひかるさんの心の宇宙と、ララさんの心の宇宙は「違う」ということがまずは描かれます。


・挨拶が「違う」
 →ララさんの方はセンサーでタッチ

・食べ物が違う
 →オニギリとグミで「違う」

・言葉が「違う」
 →ひかるさん以外の地球人とは(フワの謎能力を介さないので)ララさんはまだ言葉でコミュニケーションできない様子が描かれます


 言葉要素的には、前回のラストで一旦通じたものを、再び「違う」と強調してるので、作品の方向としてはグローバル英語派(世界中の人が英語を話せば良いよ派)じゃなく、個別言語(日本語、スワヒリ語、タタール語、色々)大事にしよう派で描かれている感じです。

 こういった「違う」というエピソードを積み重ねた上で、今話のクライマックスでは、


 「私」とは「違う」、「あなた」の(心の)宇宙を守る


 という展開が描かれます。


 「私は私だし、ララちゃんはララちゃんだよ」(星奈ひかる)


 自分はプリキュアになれないと自分の心(の宇宙)に自分で制限をかけていたララの心の宇宙を、ひかるが守る……というのが描かれます。


 「なりたいなら、なればイイんだよ。プリキュアに」(星奈ひかる)


 自分の心(の宇宙)に自分で制限をかけている状態を、心の自傷とでも表現するなら、ひかるさんは明らかにララさんの心(の宇宙)を守っています。

 ここまで、ざっくりと「心の宇宙」という言葉を使ってきましたが、これ、『初代』〜『MaxHeart』の最終回で、雪城ほのかさんが語っていた言葉、守ろうとしたもの……ですよね。


 「わたし達の心の中の宇宙は誰からも自由だわ」(雪城ほのか)


参考:闇夜に浮かんだ虹の架け橋ここに降りて奇跡☆/最終話「扉を開けて!ここから始まる物語」/ふたりはプリキュアMaxHeart感想


 去年の『HUGっと!プリキュア』が15周年記念作品で一区切り、本作は、新一作目、新『初代』みたいなものだから、改めてもう一度「心の宇宙」を希求してるのか? なんて考え始めると、うわ〜っって感じですよね。15年ずっと観てる人自体が、そんなに多くないんですけど!(え)

 第1話、恐怖による思考停止を語るカッパードさんに向かって、心の自由を言い放つひかるさんっていう構図、まんま、初代『ふたりはプリキュア』第5話の、支配しようとするピーサードさんに対して心の自由を語る雪城ほのかさんと同じ構図じゃん……。


参考:第05話「マジヤバ!捨て身のピーサード」/ふたりはプリキュア感想


 しかし、


 「私は私だし、ララちゃんはララちゃんだよ」(星奈ひかる)


 はイイ。

 あらゆるカテゴリによる同調化圧力、自分自身でかけてしまいがちな自分への制約から、他者を救っている。

 『機動戦士ガンダムSEED』第8話のラクスの、


 「あなたが優しいのは、あなただからでしょう?」(ラクス・クライン)


 みたいな。


参考:大昔にHTMLのホームページで書いてた『機動戦士ガンダムSEED』の感想


 星奈ひかるはラクス・クライン。

 ひかるさんはクレイジー気味(え)、ラクスは知性的と、キャラクター(特徴)は違うけれど、言ってることは大体いっしょです。

 ひかるとララの「心の宇宙」は違う物理定数(え)を持っているのだから、ひかるはひかるなりに、ララはララなりに「奇跡」を起こせるはず。

 かくして、「制約」から解き放たれて、ララさん初変身、キュアミルキーが誕生。ララさん、推せる……。既にひかララ尊い(え)。

 ただ、慎重に観ていきたいのは、今話は自分で制約をかけてたララさんがひかるさんをきっかけに解放されてやったーって感じなのですが、どうもトータルでみるとひかるさんがララさんがリードする(導く)といった話ではなく、あくまでひかるさんとララさんは「補い合う」存在でありそうなところです。

 TJさん(Twitterブログ)が第2話の感想で、ひかるさんが「未来」でララさんが「過去」だって書いてたんですが。


参考:スター☆トゥインクルプリキュア 第02話「宇宙からのオトモダチ☆キュアミルキー誕生!」/『真・南海大決戦』


 『魔法つかいプリキュア!』のみらいさんが「未来」担当、リコさんが「過去」担当なのと似た感じの話ですね。


参考:リコ(=Record)が過去を赦して未来に目を向け始める〜『魔法つかいプリキュア!』第1クールのエッセンス


 僕としては加えて、


ひかるさん:無限の想像力を飛翔させる「子供」

ララさん:データや責任も重んじる「大人」


 な感じでもあるのかなと。

 ララさんの惑星サマーンではもう「大人」の年齢という設定はもろに、ララさんが「大人」側なんだヨというサインに見えますし、「過去」(経験・データ)を参照にできる強みは、「大人」の能力という感じがします。

 なので、今話は可能性を閉ざしてしまった「大人」(ララさん)が、無限の想像力(可能性)を宿す「子供」(ひかるさん)に触発される展開って感じなのですが、二人が「補い合う」存在だとすると、逆にひかるさんがララさんに助けられる話とかも今後出てくるんだろうなと。

 星奈ひかるさん、『ムー』とか読んでるタイプの女ですが(え)、ムー的なざっくり感はこの場合、相手の心の宇宙にざっくり許可が出せる点でたのもしい……というのが今話でした。え? UMA、うんうん、いるかもネ!

 でもこれは、行きすぎるとスピリチュアル・バカみたいにもなりかねないですので(え)、データ重視の「大人」なララさんがバディでいてくれるのはありがたいです。え、日本人は「もっともらしい」統計を出されると(自身にそんなにも統計学の素養もないのに)鵜呑みにしがちだって? うんうん、誰か来ちゃうヨ!

 主観宇宙の要素が強いひかるさん(一人一人の違う宇宙、前回の感想でいうマルチヴァース宇宙観)と、客観宇宙の要素も重視してるララさん(この一つの客体(?)宇宙の物理定数は尊重してる)とも言えるでしょうか。


 既存の宇宙(物理法則)の外側まで想像できる女(ひかるさん)と、

 想像を客体的に実装できるかデータ検証できる女(ララさん)


 そのままだと妄想イタ女(UMAはいるんだヨ!)に、現実埋没女(男は年収ヨ!)になりかねない弱点をそれぞれ持ってるので(え)、お互いがお互いを補い合う感じになりそうなのはイイですね。ひかララ、イイね!(また!?)

 さて一方で、ひかるさんの心の宇宙と、ララさんの心の宇宙は「同じ」ということが同時に描かれていたのも今話だったりします。


●あなたと私は「同じ」ということを描いているパート

 最後に、ララさんがひかるさんが(プリキュア)なれたのだから自分もなれると思ったみたいなことを語っているところとかですね。ララさんとひかるさんには、何らかの「同じ」要素もあると。

 「同じ」の一つ目は、これはまあ「友だち」です。


 「宇宙人じゃなくって、私の友だち」(星奈ひかる)


 星空界と地球は、「違う」ということを丁寧に描いた上で、でもその違いとか無化して、「友だち」という意味では「同じ」だヨという考え方ですね。

 これは、既にお父さんがヒスパニック系という設定の天宮えれなさん(キュアソレイユ)がメインキャラクターなのが公式で広報されていますから、そういう「違い」をありのままに捉えた上での「友だち」という「同じ」のレイヤーを大事にする……という意志が感じられるような作品でもありますね。

 ヒスパニックが多いのは南米、中米(あとカリブ海)ですから、壁作るとか言ってるどこかの大統領さんがブイブイ言わせてる時期に、ブチ切れて本作の企画作ってやったゼ感も感じられる部分ですね(え)

 そして、もう一つの「同じ」は「プリキュア」です。

 星空界と地球は「違う」のが当たり前の上で、ひかるさんとララさんは「プリキュア」という「同じ」レイヤーを共有してもいる。

 「プリキュア」が精神的な「共同体」の名称みたいな感じになってきてますね。

 「中国、インド、Facebook」みたいなノリで(中国とインドは「違う」けど、Facebookという「同じ」レイヤーを使ってる)、「星空界、地球、プリキュア」(星空界と地球は「違う」けど、「プリキュア」という「同じ」精神性のようなものを共有してる)、みたいなノリです。

 個別宇宙(これはそれぞれ「違う」。違ってイイ)が、プリキュアというリングで繋がってるイメージ(ここでは「同じ」何か大事なものが共有されている。「プリキュア」の精神性とは何か? はこれまでのシリーズを観てる視聴者にはかなり伝わってるのですが、本作でもどのように描いていくのか楽しみにしたいところ。)。

 「違う」と「同じ」が、それぞれ独立性を保ちながら、連絡し合ってもいる華厳(けごん)の世界です。

 またどんなプリキュア感想ブログだヨって感じですが、仏教方面の華厳経の考え方(というか世界とか宇宙の捉え方)を引用しておいてみますか。


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「これらの無数の楼閣は、互いに侵害し合わない。それぞれが他のすべてと調和して個としての存在を保っている。ここには、一つの楼閣が他のすべてと個的または集合的に融合するのを妨害するものはない。完全なる混合状態にありながら、しかも完全なる秩序を保っているのである」

(『華厳経』の、善財童子が大楼閣の中に無数の楼閣があることを見つけたシーン)

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参考:映画魔法つかいプリキュア!奇跡の変身!キュアモフルン!/感想(ネタバレ注意)

 ただ、あながち飛躍した解釈とも僕は思ってなくて、プリキュアシリーズはブディズム(仏教)チックなところありますよね。

 『映画プリキュアスーパースターズ!』の過去世界への扉は「曼荼羅(マンダラ)」的な表現になっていましたし、


参考:映画プリキュアスーパースターズ!の感想4〜アニミズムとしてのプリキュアシリーズの物語(ネタバレ注意)


 『映画 HUGっと!プリキュア・ふたりはプリキュア オールスターズメモリーズ』のダンスエンディングも「ステンドグラス」がモチーフとは言いながらも、「華厳」の表現に僕には思えちゃったりします。

 『HUGっと!プリキュア』最終回(感想)を振り返ってみるなら、未来に「破綻」が待っているらしい日本、世界。

 まだ「同質化」で世界を支配するヨ! とか言ってるの?(GAFA(Google、Apple、Facebook、Amazon)とかが世界支配圏をかけて拡大競争してるので、我が日本もパワーゲームに参戦じゃいとか言ってる段階なの?) もう、「違う」と「同じ」は補い合ってマルチヴァース(多元宇宙)を形成してるかもしれない話の探求とかに入っていく段階じゃないの?

 くらいのノリで、まずは星奈ひかるさんと羽衣ララさんは出会いました。

 『スター☆トゥインクルプリキュア』。

 続きがとても楽しみな物語なのでした。

 ◇◇◇

 プリキュアっぽいと噂の小説を、

(頂いた感想)

 書いたりしたので、みんな読んでね〜。↓


『少女輪廻協奏曲 ノギクとヴェドラナの愛』/カクヨム


→上北ふたご先生の「オールプリキュアイラスト集」第2弾がもうすぐ発売

 これはすばらしそう。



→コミックス版『HUGっと!プリキュア』第2巻ももうすぐ発売



 ライブドアブログのトラックバック機能がなくなっちゃったので、長年の友人のプリキュア民(笑)たちの感想にもリンク張っておくよ〜↓

スター☆トゥインクルプリキュア 第02話「宇宙からのオトモダチ☆キュアミルキー誕生!」/『真・南海大決戦』
スター☆トゥインクルプリキュア 第2話 宇宙からのオトモダチ☆キュアミルキー誕生!/四十路男の失敗日記
スタートウィンクルプリキュア第2話感想&考察/あおいろ部屋

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→前回:スター☆トゥインクルプリキュア第1話の感想〜マルチヴァース宇宙観で描かれる大不思議世界への物語(ネタバレ注意)へ
→次回:スター☆トゥインクルプリキュア第3話「プリキュア解散!?スタープリンセスの力を探せ☆」の感想(ネタバレ注意)
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