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 相羽です。

 『スター☆トゥインクルプリキュア(公式サイト@東映公式サイト@朝日放送)』第4話「チャオ!きらめく笑顔☆キュアソレイユ誕生!」の感想です。

 ネタバレ注意です。
 ◇◇◇

 天宮えれなさんが初変身するお話です。

 アバンでは印象的に、えれなさんの家族が描かれた「絵」が映ります。

 ひかるさんが内面の想像力を「絵」に具現化したように(第1話冒頭のフワが出てくるところね)、そもそも今作の変身アイテムがペンという「絵」を描くものというように、「絵」は本作では大事な要素です。

 加えて、本作のテーマの一つと広報されている「宇宙」は、物理宇宙にとどまらず、一人一人の人間の内面の心の「宇宙」の意味合いもある作品であるようだという話を、第1話、第2話の感想で書いておりました。↓


参考:スター☆トゥインクルプリキュア第1話の感想〜マルチヴァース宇宙観で描かれる大不思議世界への物語(ネタバレ注意)

参考:スター☆トゥインクルプリキュア第2話の感想〜「違う」宇宙を繋ぐ「プリキュア」というリング(ネタバレ注意)


 総じて、天宮えれなという人間の心の「宇宙」で一番大事なもの=「家族」である……という表現の今話のアバンに思われます。

 天宮えれなさんの最初のメイン回冒頭で、天宮えれなという人間のコアを提示しているのですね。

 天宮えれなさん、「周囲を笑顔にする人」として描かれています。

 一つは、もちろんお店のお手伝いとか妹・弟のお世話とかして、家族を笑顔にしています。

 もう一つは、学校では「観星中の太陽」として周りの学生も笑顔にしているようです。

 素晴らしいことなのですが、翳り(課題)も描き込まれている今話で、たとえば、周りの学生を笑顔にしてはいるけれど、運動部へ入ってくれという勧誘は全て断っているというのが描かれます。

 何故なら、えれなさんは家族(のお世話)を優先しないといけないから。

 家族を優先すれば、同級生(の頼み)は優先できない。

 一人で、全員は笑顔にできない。

 どんなに優秀でも、一人のスーパーヒーロー(「幸せの王子」)では、世界は救えない。

 近年のプリキュアシリーズに盛り込まれている、『ドキドキ!プリキュア』から始まる「幸福の王子と街の人たち」モチーフの物語が、天宮えれなさんを通して、今作でも描かれていきそうです。

 一人のスーパーヒーロー(「幸福の王子」)相田マナさんが身をすり減らして宝石を配って周囲を助けているだけでは、いつか相田マナさん自身は身をすり減らしきって犠牲になってしまう。オスカー・ワイルドの『幸福の王子』で最後は溶鉱炉行きになった「幸福の王子」のように。

 だから、スーパーヒーロー(「幸福の王子」)を手伝ってくれる「街の人」が立ち上がってくれることが大事なんだ。どんどん立ち上がって、リソースを追加していくんだ……という物語モチーフです。


参考:ドキドキ!プリキュア感想/第47話「キュアハートの決意!まもりたい約束!」


 「幸せの王子」(相田マナさんのようなポジションの人)を助けるために「街の人」たちが連鎖的に「立ち上がる」展開は『ドキドキ!プリキュア(感想)』〜『ハピネスチャージプリキュア!(感想)』〜『Go!プリンセスプリキュア(感想)』の柴田P「幸せの王子」三部作でしっかり描かれていて一区切りという感じだったのですが、その後のシリーズでもけっこう出てくるので、最近ではプリキュアシリーズのコアメッセージの一つと解釈しても良さそうです。

 『キラキラ☆プリキュアアラモード』では、宇佐美いちかさんとお母さんの関係がこの「幸せの王子と街の人たち」モチーフでしたし。↓


参考:キラキラ☆プリキュアアラモード感想/第17話「最後の実験!変身できないキュアホイップ!」(ネタバレ注意)


 去年の15周年記念作である『HUGっと!プリキュア』でも、終盤の「街の人」がみんなプリキュア(「幸せの王子」的な人)になる展開は、この「幸せの王子と街の人たち」モチーフを改めて描いているんだよという話は『HUGっと!プリキュア』最終回の感想でも書いておりました。↓


参考:HUGっと!プリキュア最終回の感想〜「やり直し」に必要な居場所としての母(=プリキュア)を描く(ネタバレ注意)


 ……と、踏まえて観てみると今話は能力的にはスーパーヒーロー(「幸せの王子」)じみてる天宮えれなさんが、でも、えれなさん一人では全員助けられなくて苦悩する話でもあるという側面が見えてきます。

 実際、ひかるとララの危機にえれなさんが駆けつけた時、テンジョウさんを前にえれなさんは少し苦悩の表情を見せます。


 テンジョウさんが雄弁に語ります。何でも助けようとしてしまう、天宮えれなさんの生き方を否定するように。


 「守るものが増えれば、その分注意は散漫、力は分散、弱点になる」(テンジョウ)


 実際、揺れてしまうえれなさん。

 家族を助け、学友を助け、またひかるとララとフワを助けたいとこうして駆けてきてしまって、いったいいつまで自分は? いつか、助けられなくなる。いつか、自分の方が滅びる。

 そのえれなさんの「揺れ」に対して、何気ないひかるの言葉が救い(というか覚悟というか)をもたらす……という構成になっていました。


 「私は守る。フワも。ペンも。みんな」(星奈ひかる)


 ひかるさんのこの言葉でえれなさんは行(ゆ)く道を決めます。


 「この子の笑顔を守る」(天宮えれな)


 かくして、変身。

 明らかに、この子=フワと、自分の家族、弟や妹が(えれなさんの中で)重なっている表現になっていました。

 いつか滅びがくるかもしれなくても、私は家族を守りたい。この自分の気持ちは本当だから裏切れない。

 この子はそういう風にしか生きられない。それが天宮えれなさんなんだからしょうがないんや……とこのシーン、視聴しててけっこう涙腺にきてました。


 「守るものがあればあるだけ強くなれる。力が湧いてくるんだ」「みんなの笑顔が力をくれる」(天宮えれな)


 変身後のこの台詞は事実であるというより、「そうあってくれたなら」という「願い」の言葉に感じられます。

 とはいえ、根性論ではどうにもならない部分もあり。

 この問題、

 これまでのプリキュアシリーズで描いてきたこと的には、(一人では全員は助けられないので)「リソース(助っ人)を追加する」が方向性としては目指していくことになります。

 そう思うと注目したいのは、天宮えれなさんは、「境界を無効化する人」としても描かれていることです。


 「よく分からないけれど、そんなの大した問題じゃない。あんた達が誰だろうと。この子がぬいぐるみだろうとね。」(天宮えれな)


 総じて、地球人でも宇宙人でも(境界)関係ない、(一般的な意味での)生命体でもそうじゃなくても(ぬぐいぐるみ?=フワ?)(境界)関係ない、また、お父さんがヒスパニック系という設定から、国とか人種(境界)とかも関係ない、そういう立ち位置の人として描かれているようです。

 「あんた達が誰だろうと」のところでララさん(宇宙人)の表情がカットインするのイイですよね……。天宮先輩は、本当にひかるさん(地球人)とララさん(宇宙人)に「境界」とか関係なくナチュラルに接して、仲たがい(第3話)を取りもってましたからね。

 となると、「境界を無効化する人」であるえれなさんを、助けるために誰かが「境界」を超えてやってきてくれる展開にもっていくのかな、と。

 絶体絶命のところで、もう誰か助っ人に来てくれる伏線もない! みたいな状況で、ヒスパニック系のお父さんの友達です! って謎のマッチョマンが助けにきてくれるとか、遠い宇宙のクトゥルフな感じの(え)人(?)がえれなさんのファンで助けにきてくれるとかの展開だったら熱いナ!

 あとは、「観星中の月」ということで、香久矢まどかさんが「観星中の太陽」のえれなさんを支えてくれたり。(補い合う太陽と月みたいなイメージね)

 妹・弟たちの中でも今話で印象的に描かれていた「とうま君」が「立ち上がって」えれなさんを支えてくれるとかは、今後の展開の本命予想だと思います。

 『ドキドキ!プリキュア』に当てはめるなら、まどかさんが六花さん、とうま君が二階堂君のポジションですかね。


参考:プリキュア雑記(2013年9月16日"二階堂くんのポジション")


 幼少時の相田マナさんは、お祖母ちゃんの元に走っていっている間、マシュマロを守ってくれる人はいなかった。


参考:映画ドキドキ!プリキュア マナ結婚!!?未来につなぐ希望のドレス!/感想(ネタバレ注意)


 でも今回のえれなさんは、フワの元に走っていっている間、とうま君に大事な家族を任せています。

 少しずつ、少しずつだけど、我々視聴者も、普通の「街の人」にも「幸せの王子」の背中を任せられるという方に物語が進んでいるのが分かるのでありました。

 子育ても介護も一人では(どんなに優秀な人でも)無理なので、あわよくば、現実も少しずつそっちに進んでいると、信じたいのでありました。

→上北ふたご先生の「オールプリキュアイラスト集」第2弾がもうすぐ発売

 描き下ろしのマナりつ(1枚目右上)パワーが高くて死んでます。



→コミックス版『HUGっと!プリキュア』第2巻ももうすぐ発売



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スター☆トゥインクルプリキュア 第04話「チャオ!きらめく笑顔☆ キュアソレイユ誕生!」/真・南海大決戦
スター☆トゥインクルプリキュア 第4話 チャオ!きらめく笑顔☆キュアソレイユ誕生!/四十路男の失敗日記
スタートウィンクルプリキュア第3・4話感想&考察/あおいろ部屋

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