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『スター☆トゥインクルプリキュア（公式サイト＠東映／公式サイト＠朝日放送）』第10話「キラッキラ☆惑星クマリンへようこそ！」の感想です。
ネタバレ注意です。
◇◇◇
今回は例年TVシリーズ本編の主題も圧縮されている春映画から示唆されていた、ひかるさんたちの「観えて」はいるけど「理解」はしていない……という要素に関して、マジで「理解」浅かったよね……と突きつけられる展開という感じでありました。
参考：映画プリキュアミラクルユニバースの感想〜分断された宇宙を接ぎ直す物語（ネタバレ注意）
面白いというか上手いのが、この「理解」が浅かったよね要素、遠い惑星の他者や敵さんたちだけじゃなく、自分の星の身近な人達にも向けられてる感じなのですよね。
「そんな生き物地球にいるんだ」（星奈ひかる）
自分の星のことでさえ、クマムシのことを知らなかった。自分のこと、自分が住む星のこと、自分の身近な人のことさえよく「理解」していない。クマムシと同じように、自分の家族のこと、友だちのこと、自分の街のこと、国のこと、「理解」してないのかもしれない。考えてみると、例年物語全編のキーが圧縮されている第1話（感想）が全てふっとばしていきなり「宇宙」で、街の人たちとか自分の街の身近なモブキャラクター的な人たちが一切出てこなかったのも、こういうテーマに繋げていくための示唆だったのかもしれません。
これまで、ざっくりとした言葉では「多様性」を推してきたひかるさんだったのですが、素でけっこうイイ線までは行ってたんだけど、まだまだしょせんはファッション「多様性」を語ってるに過ぎなかった……と突きつけられたのが今話という感じです。自分や自分の身近な周囲が「理解」しようとするとけっこう奥深いのに、その表面だけをなぞってる状態で「多様性」大事みたいなことを言っても空虚ですからね……。
今回は実は「理解」していなかったっぽいネタの連打ですね。
クマリン星人さんに対しても、ひかるさんの表面的なイメージが大きかったのが強調されていて、クムさんを実際に観た時「イメージと違う」と言ってしまってますし。（「観」て「イメージ」を持つこと自体は良い面もありますし作中でも否定していないですが、今回はたとえば被災地にボランティアにきてみたものの、「イメージ」していた助け合いと充実感（クマのぬいぐるみのイメージ）とかじゃなくて、過酷な瓦礫撤去作業（クマリン星人の姿）だった……みたいな話として機能してる）
さらに特に重要だと感じたのが、敵さんたち。今回のカッパードさん、テンジョウさん、アイワーンさんの台詞が連続するところ。
「ぬくぬくとした環境で生きるオマエが、知った風な口を！」（カッパード）
「おこちゃまには、わかんないわよね〜」（テンジョウ）
「全宇宙をのっとって、あんたらにとって代わるっつーの！」（アイワーン）
どうも、彼・彼女らは修羅場くぐってるっぽいですね。その点で、ひかるさんも視聴者も、カッパードさんたちのことをまだまだ「理解」していなかったという「メタ」も含めたネタになってる。
アイワーンさんの「とって代わる」発言は重要で、どうもこの人達、宇宙の支配者層側じゃなくて、（みんな異形なのが特徴的だったりするし）宇宙のスタンダード側からは排斥されていた人達が、反動でルサンチマンを爆発させて宇宙を支配しかえそうとしてる感じなのだろうか。
春映画のボスキャラが、かなりの程度リアルでいうならテロリズムの犯人のような位置づけだったので、その流れはありそうです。ひかるさんの方が恵まれた側で、そんな人たちが排斥されていた人たちに対してどうするのか……というような題材が組み込まれている作品っぽい。リアルに写像してみるなら、ひかるさん側が日本の大都市側で、むしろ春映画のラスボスさんとかアイワーンさんたち側が、紛争地域とか被災地とかそういった側っぽい。
「星にはその星の良さがある」（星奈ひかる）
「厳しいからこそ綺麗なの」（星奈ひかる）
今話では全てファッション「多様性」的に響く感じになってしまってます。虚しい。被災地や過疎地域にはその場所なりの良さがある。言葉としては綺麗ですが、自分は大都市のオール電化マンションでメディアで「観て」、ちょっと（今話は特に）ノリでボランディアにだけきてみた……みたいな状態なので、今話のひかるさんは虚しいです。打ちひしがれるパートです。
加えて、やはり春映画から続いて「分断」が意識されるエピソードになっていたと思います。
ひかるさん、ララさん、えれなさん、まどかさんの四人の繋がりは強くなってるのですが、しょせんまだ四人感があって、たとえばまどかさんとまどかさんのお父さんの間は「分断」されたままです。身近な家族とも「分断」された状態で、（プリキュアシリーズの文法的にも）どのくらいの力が出せるのかという話で、今回は意図してひかるさんの軽率さが描かれているわけですが、もうちょっと踏み込むと、ノリだけで「分断」されたまま危険地域に行くっていうのもどうかという話だよねという話ともとれそうです。
そこが、今回「あのお方」からバックアップを受けているカッパードさんたちとの対比になっている。「バックアップあり」VS「バックアップなし」ですから、これは（プリキュアシリーズの文法的にも）負けます。
こっからどうやって立ち直るのかという感じですが、次回のサブタイトルにもなってる南十字星（サザンクロス）は、第6話、
参考：スター☆トゥインクルプリキュア／感想／第6話「闇のイマジネーション！？ダークペン出現！」（ネタバレ注意）
で、4人の繋がりの比喩、ひいてはそこから繋がる人間関係の比喩、想像力の比喩というのは判明していますから。
十中八九「理解」の進展を通して「分断」が少し回復し、そこから助力を得る……という展開な気がします。
これ、自分の身近な場所、人、存在などを「理解」していなかったゆえの「分断」なわけですから、今話の流れ的には次回はクマムシフォームが登場しそうなノリですよ（え）。自分の星のことなのに、クマムシのことも、まだ知らなかった……でも今は、ちょっとだけ「理解」した……クマムシさん、力を貸して、クマムシフォームッ！ ……ノリとしては熱いので、次回楽しみですね。
→カワイイ
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●スター☆トゥインクルプリキュア 第10話 キラッキラ☆惑星クマリンへようこそ！／四十路男の失敗日記
●スター☆トゥインクルプリキュア 第10話「キラッキラ☆惑星クマリンへようこそ！」／真・南海大決戦
●スタートウィンクルプリキュア第9・10話感想＆考察／あおいろ部屋
あと、今年も実験的にしばらくコメント欄を開けておいてみるので、何かプリキュアの話とかありましたら〜。
そして、Twitterなどもやっておりますので、興味ありましたらフォローしてやってください〜。↓
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→前回：『スター☆トゥインクルプリキュア』第9話「友情のリング！スタードーナツ☆」の感想（ネタバレ注意）へ
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今回は例年TVシリーズ本編の主題も圧縮されている春映画から示唆されていた、ひかるさんたちの「観えて」はいるけど「理解」はしていない……という要素に関して、マジで「理解」浅かったよね……と突きつけられる展開という感じでありました。
参考：映画プリキュアミラクルユニバースの感想〜分断された宇宙を接ぎ直す物語（ネタバレ注意）
面白いというか上手いのが、この「理解」が浅かったよね要素、遠い惑星の他者や敵さんたちだけじゃなく、自分の星の身近な人達にも向けられてる感じなのですよね。
「そんな生き物地球にいるんだ」（星奈ひかる）
自分の星のことでさえ、クマムシのことを知らなかった。自分のこと、自分が住む星のこと、自分の身近な人のことさえよく「理解」していない。クマムシと同じように、自分の家族のこと、友だちのこと、自分の街のこと、国のこと、「理解」してないのかもしれない。考えてみると、例年物語全編のキーが圧縮されている第1話（感想）が全てふっとばしていきなり「宇宙」で、街の人たちとか自分の街の身近なモブキャラクター的な人たちが一切出てこなかったのも、こういうテーマに繋げていくための示唆だったのかもしれません。
これまで、ざっくりとした言葉では「多様性」を推してきたひかるさんだったのですが、素でけっこうイイ線までは行ってたんだけど、まだまだしょせんはファッション「多様性」を語ってるに過ぎなかった……と突きつけられたのが今話という感じです。自分や自分の身近な周囲が「理解」しようとするとけっこう奥深いのに、その表面だけをなぞってる状態で「多様性」大事みたいなことを言っても空虚ですからね……。
今回は実は「理解」していなかったっぽいネタの連打ですね。
クマリン星人さんに対しても、ひかるさんの表面的なイメージが大きかったのが強調されていて、クムさんを実際に観た時「イメージと違う」と言ってしまってますし。（「観」て「イメージ」を持つこと自体は良い面もありますし作中でも否定していないですが、今回はたとえば被災地にボランティアにきてみたものの、「イメージ」していた助け合いと充実感（クマのぬいぐるみのイメージ）とかじゃなくて、過酷な瓦礫撤去作業（クマリン星人の姿）だった……みたいな話として機能してる）
さらに特に重要だと感じたのが、敵さんたち。今回のカッパードさん、テンジョウさん、アイワーンさんの台詞が連続するところ。
「ぬくぬくとした環境で生きるオマエが、知った風な口を！」（カッパード）
「おこちゃまには、わかんないわよね〜」（テンジョウ）
「全宇宙をのっとって、あんたらにとって代わるっつーの！」（アイワーン）
どうも、彼・彼女らは修羅場くぐってるっぽいですね。その点で、ひかるさんも視聴者も、カッパードさんたちのことをまだまだ「理解」していなかったという「メタ」も含めたネタになってる。
アイワーンさんの「とって代わる」発言は重要で、どうもこの人達、宇宙の支配者層側じゃなくて、（みんな異形なのが特徴的だったりするし）宇宙のスタンダード側からは排斥されていた人達が、反動でルサンチマンを爆発させて宇宙を支配しかえそうとしてる感じなのだろうか。
春映画のボスキャラが、かなりの程度リアルでいうならテロリズムの犯人のような位置づけだったので、その流れはありそうです。ひかるさんの方が恵まれた側で、そんな人たちが排斥されていた人たちに対してどうするのか……というような題材が組み込まれている作品っぽい。リアルに写像してみるなら、ひかるさん側が日本の大都市側で、むしろ春映画のラスボスさんとかアイワーンさんたち側が、紛争地域とか被災地とかそういった側っぽい。
「星にはその星の良さがある」（星奈ひかる）
「厳しいからこそ綺麗なの」（星奈ひかる）
今話では全てファッション「多様性」的に響く感じになってしまってます。虚しい。被災地や過疎地域にはその場所なりの良さがある。言葉としては綺麗ですが、自分は大都市のオール電化マンションでメディアで「観て」、ちょっと（今話は特に）ノリでボランディアにだけきてみた……みたいな状態なので、今話のひかるさんは虚しいです。打ちひしがれるパートです。
加えて、やはり春映画から続いて「分断」が意識されるエピソードになっていたと思います。
ひかるさん、ララさん、えれなさん、まどかさんの四人の繋がりは強くなってるのですが、しょせんまだ四人感があって、たとえばまどかさんとまどかさんのお父さんの間は「分断」されたままです。身近な家族とも「分断」された状態で、（プリキュアシリーズの文法的にも）どのくらいの力が出せるのかという話で、今回は意図してひかるさんの軽率さが描かれているわけですが、もうちょっと踏み込むと、ノリだけで「分断」されたまま危険地域に行くっていうのもどうかという話だよねという話ともとれそうです。
そこが、今回「あのお方」からバックアップを受けているカッパードさんたちとの対比になっている。「バックアップあり」VS「バックアップなし」ですから、これは（プリキュアシリーズの文法的にも）負けます。
こっからどうやって立ち直るのかという感じですが、次回のサブタイトルにもなってる南十字星（サザンクロス）は、第6話、
参考：スター☆トゥインクルプリキュア／感想／第6話「闇のイマジネーション！？ダークペン出現！」（ネタバレ注意）
で、4人の繋がりの比喩、ひいてはそこから繋がる人間関係の比喩、想像力の比喩というのは判明していますから。
十中八九「理解」の進展を通して「分断」が少し回復し、そこから助力を得る……という展開な気がします。
これ、自分の身近な場所、人、存在などを「理解」していなかったゆえの「分断」なわけですから、今話の流れ的には次回はクマムシフォームが登場しそうなノリですよ（え）。自分の星のことなのに、クマムシのことも、まだ知らなかった……でも今は、ちょっとだけ「理解」した……クマムシさん、力を貸して、クマムシフォームッ！ ……ノリとしては熱いので、次回楽しみですね。
→カワイイ
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