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 相羽です。

 『ヒーリングっど♥プリキュア(公式サイト@東映公式サイト@朝日放送)』第23話「かわいいってなんですか?アスミと子犬物語」の感想です。

 ネタバレ注意です。
 ◇◇◇

 ここ数話続いている、アスミさんが精霊ゆえに素の状態では分からなかった人間の感情とか概念とかを獲得していくシリーズ。今回の獲得対象は「かわいい」。

 短・中期的な物語スパンでのアスミさんの感情や人間性への理解の物語でありながら、長いスパンでのひなたさん個人のメイン物語も兼ねているという、編み込まれた構造を持っている一話でありました。

 地球の精霊だから地球の生物である犬とも仲良くできるのかもというアスミさんに対して、ひなたさんは「私にはそういうのがない」と、抱えている「お姉さんと違って自分は『特別』な人間ではない」という彼女個人の物語の課題をにじませてみせます。

 一方で、「かわいい」を知り、「かわいい」を守ろうとするひなたさんにこそアスミさんは学びのまなざしを向け、ひなたさんが本来性として「持っているもの」をそこはかとなくあぶりだすような感じにもなっています。

 ひなたさんはどうなるんだろうな。お姉さんやお兄さんとは違う彼女なりの「特別」を見つけるのか。

 一方で、「特別」は見つからない。「特別」などない人間なりに生きていこう。そういう人間なりにできることがある……が解答でもカッコいい気がする。

 ひなたさんは消費文明の象徴的なキャラクターだと思っているのですが(「ファッション」とか、まとっている属性がとても「消費」的)、消費されるに過ぎなかったここ何十年かの日本の「かわいい」文化だったかもしれない。それは「特別」に到達できる類のものではなかったかもしれないが、ファッション的なものなり、虚構的なものなりに意味はあったはずだ! みたいなのも『仮面ライダーディケイド』みたいで(え)カッコいい。

 ひなたに学ぶ……それこそが、素の状態では「自然」属性よりのアスミさんが、現代消費文明について学んでいく過程とも捉えられそうだったりして。

 答えなどよく分からないまま、生まれてしまったアスミさんの探求は続く……。

 そんなアスミさんも、グアイワルの(犬とか)下等生物発言にはそれは違うと思ったようで。心が動いたようで。

 アスミが「かわいい」を明確に獲得するのは今話のラストシーンなので、この段階ではまだ(犬とかが)「かわいい」からではなく、どちらかというとキュアアースとしての行動原理で動いているように感じます。

 地球の精霊ですからね。地球の万物万象が愛の対象なのであって、何が下等であるとか、そういうのとは違うと立ち上がるのがカッコいい。

 ひなたとかが犬と同じ扱いなのが逆にカッコいい。

 ひなたの「私は特別な人間じゃない」という焦燥を、「というか地球レベルでみたら特別も何も人間も犬も同じくらい」と相対化する……というのは、解決になってるのかなってないのかよく分かりませんが、スケール感が大きいなりの何かが楽になる風情はあります。

 また、個人的には、アスミさんをめちゃめちゃ気にかけてるちゆさんに癒された回でもありました。生きてる動機が哲学的すぎるゆえに(ちゆさんが目指しているのは「海と空が溶け合った、あの青い世界」)彼女の優しさの源泉がどこから来ているのかまだ分かりませんが、察するに温泉が大好き過ぎる彼女(第14話ではマイクの前で絶叫してたりしてた)は、温泉属性を自身に投影して、そのまま存在を「癒してさしあげたい欲求」みたいなものを携えてしまっているのかもしれません。クライマックスで、温泉のエレメントみたいなのを使うのに期待したい! 機動温泉・沢泉! みたいな展開に期待したい!

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