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 相羽です。

 『ヒーリングっど♥プリキュア』のキュアスパークルこと平光ひなたさん。

 前提として、プリキュアシリーズでは、各作品全体の縦軸のメイン物語の他に、プリキュア一人一人に個人のテーマがある「(個別の)キャラクターの物語」が設定されていて、例年主軸のお話と同時進行で進んでいく作劇を取っていたりします。

 各個別キャラクターのメイン回で少しずつ「(個別の)キャラクターの物語」は進んでいき、だいたい例年冬頃放映の各キャラクターのラストメイン回で決着が描かれたりします。

 『ヒーリングっど♥プリキュア』の平光ひなたさんにもこの「(個別の)キャラクターの物語」はあるようで。

 僕がこれまで視聴しているところから読み取ってみるに。

 第9話「ひなたのカワイイ大作戦!」、第13話「辞める?辞めない?迷えるひなた!」、第18話「ハートにズッキュン!ニャトランの恩返し」、第23話「かわいいってなんですか?アスミと子犬物語(感想)」、などから察するに、ひなたさんが自身の物語として抱えている課題は、(特にお姉さんと自身を比べたりしてしまっての)「自身への無価値感」のようなものです。

 何かと、お兄さんとお姉さん(特にお姉さん)と自分を比べて、「自分には(姉のような突出したものが)何もない」という趣旨のことを語ったりしております。

 現在放映された第23話までで、このひなたさんの「自身への無価値感」のようなものが、どのように解消され得るのか、どのような結末をむかえるのかは、まだ明らかになっていません。

 ここからは、若干の予想と(僕の)願望を交えたお話ですが。
 このひなたさんの「自身への無価値感」に関して、お姉さんとは違う自分自身の「特別」、自分自身の突出したもの、打ち込めるものを見つけて、自分自身の価値の実感を取り戻す……みたいな方向もイイとは思うのですが。

 若干、それだと最近の世相的に、いかにも自己実現! でマッチョすぎないかな? という感覚も個人的にちょっと抱いたりしております。

 厳しきかなリアル社会。自分の個性・本来性に目覚め直してここから新しい夢へGO!できる人の方が、稀と言えば稀でしょうし。

 「私」という「特別」による自己実現は尊い活力的な方向ですが、どこか無理も生じそうで、本作の「癒し」や「ゆるやかさ」の方向からは微妙にズレそうな感覚もあります。

 なので、ひなたさんには「特別」は見つからない。それでも「特別」などない人間なりに生きていこう。そういう人間なりにできることがある……が解答でもカッコいい気がしていたりします。

 最近のプリキュアシリーズ全体としましても。

 「プリキュアにもできないことがある」をテーマの一つに掲げて、できないこととも折り合いをつけていく感じのシリーズ10周年記念作・『ハピネスチャージプリキュア!(感想)』とか。

 昔思い描いていた理想の自分とは違ってしまった現在の現実の自分でも、そういう自分なりに生きていっていいし、それはむしろ可能性とも捉えられるんだっていうシリーズ15周年記念作・『HUGっと!プリキュア(感想)』など。

 と、必ずしも理想の「私」に到達できなくても、生きていこうぜって感じの、独特の良い意味での「ゆるやかさ」も描いてきているのが、最近のプリキュアシリーズのイイところだと思うので。

 名前が「ひなた」なのも気になってます。太陽関係の語なので前向きなイメージですが「日向(ひなた)」だとしたら燃え盛るという方向よりはどことなく「ゆるやか」な印象なのです。ひなたさんは個性もテーマもゆるやかなのでは!?

 「私」は「私」にしかなれないとして。

 そうやって気づいた本来の「私」が煌(きら)びやかなものでなかったとしても、そういう自分なりに胸をはって生きていってイイと思うんですよね。

 平光ひなたさんの憂鬱は晴れ切らないまま、時々自分に無価値感を感じちゃうことがあるとしても、そーいうのも込みで「世界」であり生きていくということだよね……

 みたいなお話でも、ちょうど病気だったということで、理想的・万全的には生きられなかった主人公の花寺のどかさんとの相補関係のお話になって、綺麗だったりするんじゃないかなと思ったりするのでした。



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→前回:『ヒーリングっど?プリキュア』第23話「かわいいってなんですか?アスミと子犬物語」の感想(ネタバレ注意)へ
→次回:『ヒーリングっど♥プリキュア』第24話「いま行きます!お手当てを風に乗せて」の感想(ネタバレ注意)へ
→次回:漫画『ヒーリングっどプリキュア』第1巻の感想(ネタバレ注意)へ
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参考:映画HUGっと!プリキュア ふたりはプリキュア オールスターズメモリーズの感想〜子供の頃に思い描いた理想の自分にはなれなかったとしても(ネタバレ注意)