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 相羽です。

 『ヒーリングっど♥プリキュア(公式サイト@東映公式サイト@朝日放送)』第24話「いま行きます!お手当てを風に乗せて」の感想です。

 ネタバレ注意です。
 ◇◇◇

 『ヒーリング』っど、という作品タイトルであるくらいなので「癒し」はテーマであると思われるのですが、そんな中でも、


●「自然」


 による「癒し」と、


●「人間がつくったもの(消費文明)」


 による「癒し」とが、

 対照として扱われながら物語が進んでいる……という話を、先日発売した漫画『ヒーリングっどプリキュア』第1巻の感想記事で書かせて頂きました。↓


参考:漫画『ヒーリングっどプリキュア』第1巻の感想(ネタバレ注意)


 その観点からは、今回は、「自然」ルートのお話ですね。

 「ルート」という、いわゆるルート分岐があるADVゲームっぽい言葉を使ってみるのは、アバンが興味深かったからでして。

 「人間がつくったもの(消費文明)」の象徴であるひなたさん(ファッションとか、人間がつくったものの癒しを担当)は「めっちゃ人気のカフェ(人間がつくったもの)」に行きたいと最初言うのですが、そっちは棄却されて、(「自然」の象徴側のキャラクターである)アスミが行きたそうにしている「静かな湖畔」に行くことになる……というのが今回のお話の導入なのですね。

 ひなたルート(消費文明ルート)はアバンでフェードアウトして、アスミルート(自然ルート)に入った! ……お話のようにも捉えられるということです(笑)

 今回のゲストキャラクターである樹サクヤ(いつき・さくや)さんも、かなり「自然」ルート寄りの登場人物であった印象です。


 樹木医という彼女の職業や。

 「(鳥のひなは)人が近くにいること自体がストレス」という趣旨の彼女のセリフも、


 彼女は「自然」寄りのキャラクターだなぁという感じなのですが。

 個人的に注目したいのは彼女の「サクヤ」という名前で、これは日本神話の「コノハナサクヤヒメ(木花咲耶姫)」からとっているのではないかと予想したりします。

 というのも、「コノハナサクヤヒメ」の神話も、かなり「自然」とか「生と死」といったテーマに関係しているお話なのですね。

 以下、ざっくりとした「コノハナサクヤヒメ」の神話の説明です(そんなにも興味がなければ読み飛ばして頂けたらと。)。↓


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 稲穂の神・ホノニニギノミコトは、笠紗(かささ)の岬で美しい乙女――コノハナサクヤヒメに出会う。

 ニニギノミコトがコノハナサクヤヒメと結婚しようと彼女の父のオオヤマツクノカミに遣いをおくると、オオヤマツミノカミはおおいに喜んで、コノハナサクヤヒメの姉のイワナガヒメも添えてニニギノミコトに差し出した。

 しかし、ニニギノミコトは醜かった姉のイワナガヒメだけを拒絶してしまう。結果、岩のように固く揺るがない「不死」を授かっていたイワナガヒメを失い、人類は限られた命を生きるようになったのだ。

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 ざっくりとはこんな感じのお話で、人間の「不死の喪失」みたいな題材の神話なんじゃないかと言われていたりするでしょうか。

 『ヒーリングっどプリキュア』という作品は、なんか、「生と死」、あるいはもしかしたら「転生」や「輪廻」みたいな生命の循環みたいな題材も扱っているんじゃないだろうか、という第1話の感想記事を以前書きましたが。↓


参考:ヒーリングっど♥プリキュア/感想/第1話〜輪廻と地球と人体の循環を遠景に再び「犠牲を出さない世界」に挑む(ネタバレ注意)


 「コノハナサクヤヒメ」の神話はかなりこの「生と死」みたいなテーマと関連しているので、今話で「自然」よりの登場人物として「サクヤ」の名前を冠するキャラクターが登場しているのには、意味がある気がするのですよね。もうちょっと控え目に、意味を見出そうと思えば見いだせる、くらいは言えそうです。

 そんな今話のクライマックスは、アスミさんの能力(?)による時空移動です。

 これが「人間がつくったもの(消費文明)」ルートのお話だったら、ひなたさんにフォーカスされて文明の利器のヘリコプターで移動とかになると思うのですが、今回は「自然」ルートなので、「風」の力で時空移動です。

 「時空移動」は「風」(自然)扱いなのか? というのは荒業な気もしますが(笑)、


「風って、自然の想いを届ける力を持っているんじゃないかな」


 というセリフなどに今話の主眼が現れていると思われるので、繋がりからいくと「時空移動」は「風」(の力)的な扱いなのだと思われます。

 そんな感じで、「自然」の力である「風」の力の助けもあって、「自然」とか、もしかしたら「生と死」みたいなテーマもになっているかもしれない「サクヤ」さんも守れて、今話は終劇です。

 「自然」方面の「癒し」要素が多めだったかなという印象の今話ですが。

 コミックス版第1巻の感想にも書きましたが、最終的には「自然」的な癒しと「人間がつくったもの(消費文明)」的な癒しが調和し、両義(同時に成立し、補い合う感じ)になっていくような物語なのかなと予想していたりです。

・僕の「コノハナサクヤヒメ」の神話の解釈は、主にこちらの本を参考にしております〜↓



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→前回:『ヒーリングっど♥プリキュア』第23話「かわいいってなんですか?アスミと子犬物語」の感想(ネタバレ注意)へ
→前回:漫画『ヒーリングっどプリキュア』第1巻の感想(ネタバレ注意)へ
→次回:『ヒーリングっど♥プリキュア』第25話「勇気を出して!とらわれのペギタン」の感想(ネタバレ注意)へ
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