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『トロピカル〜ジュ!プリキュア(公式サイト@東映/公式サイト@朝日放送)』の第1クール(第12話まで)を視聴いたしましたわけですが。
ここまでの作中で提示されているテーマ、というか、日々増えていく世の諸問題に対する対応策は、
Act(行動)の質を上げる。
だと思います。
第9話「メイクは魔法? 映画でトロピカる!」
僕は、それまでの自分のイメージ(癒し系など)と違う新しい系統(悪役っぽい)の役づくりに悩んでいる山辺ゆなさんが、自分でもけっこう行動して問題への対応を頑張っていたのに、上手くいかなかった。
一方、「トロピカる部(というか主にさんごさん)」と出会ってから行動したら、上手くいった。
行動しているのは同じなのに、結果に差が出たのは何故なのか、が気になっていました。
● (第9話)トロピカル〜ジュ!プリキュア「メイクは魔法?映画でトロピカる!」感想/穴にハマったアリスたち
そして、昨日フと閃いて腑に落ちました。
前者と後者では、どちらも行動はしてるけど、Act(行動)の質が違うんだと。
後者の方が質が高い。
言葉を変えると、前者は対処療法的なAct(行動)で、後者は本質療法的なAct(行動)です。
さらに、対処療法的なAct(行動)と本質療法的なAct(行動)との違いを象徴的に表現しているのが、さんごさんの『シンデレラ』観が変わったくだりに関する言述です。
いわく、
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あのお話で、魔法つかいのおばあさんからシンデレラがもらった一番のものはなんだったんだろうって。
「綺麗なドレスでしょ?」
「硝子の靴?」
「カボチャの馬車か?」
ちっちゃいころは、私もそんな風に思ってた。
でも、今は、シンデレラが受け取った一番のものって。
舞踏会に出て、自分の新しい運命を切り開く、そのための勇気だったんじゃないかって 。そう思ったんだ。
(『トロピカル〜ジュ!プリキュア』第9話「メイクは魔法? 映画でトロピカる!」より)
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前半のゆなさんのAct(行動)は、綺麗なドレスをもらった、硝子の靴をもらった、カボチャの馬車がやってきた、最終的には「王子様がやってきた(新しい系統の役がやってきた)」という外部要因に関してアタフタして、対処療法的にAct(行動)していただけ。
外部の評価を気にしてるので、振り回されるし、何かにつけて後手後手です。
後半のさんごさんに感化されてからのゆなさんのAct(行動)は、「王子様がやってきた(新しい系統の役がやってきた)」という外部要因はいったん横において、この先どんな役が来ても能動的に対応していけるための、応用力がある根本的な力をつけよう。シンデレラが自分の足で歩みだす(運命を切り開いていく)タイプの、いわば「脚力」をつける方向での、本質療法的なAct(行動)です。
微細な違いかもしれないですが、この違いはゆくゆく大きいです。
対処療法的なAct(行動)と本質療法的なAct(行動)の何が違うかというと、対処療法的なAct(行動)だけだと、今後同じように新たな問題がやってきたらその度にアタフタすることになります。たとえギリギリ対応で何とか能力が身についても、今回の悪役令嬢っぽい役に精一杯対応する力がついただけで、次に違う役がきたら、またアタフタすることになります。
一方で、本質療法的なAct(行動)である、(精神的にも体力的にも)前向きに進む(運命を切り開いていく)「脚力」をつけるというAct(行動)は、この後どんな役がやってきても、応用が可能で、いったん身に付けば今後はバシバシ問題を解決していけます。
いわば、1000の問題に対して1000の解決作を対処療法的にアタフタ生み出すのか、1000の問題に対して1000の問題のコアになっている10の解決作を身につける本質療法的なActに集中するのか、の違いです。
で、未来には無数に降りかかってくる問題群に対して、応用力をもって対応できるコアな本質にフォーカスするAct(行動)……こそが本作における「トロピカる」という概念です。
思えば、第1クール前半の問題意識は、「全ての部活はできない」でした。
言い換えると「全てを選ぶことはできない」で、これは、これから起こってくる全ての問題にそのつど対処療法とかはやってられない、と読み解けます。
だからこそ、全ての問題を解決していくにあたってのエッセンスになっているコア、勘所を押さえるという「トロピカる」をこそやっておこう、というのが「トロピカる」部です。
今、一番大事なことをやる!(キャッチコピー)=「トロピカる」
「トロピカる」部。「トロピカる」という勘所を押さえておけば、実質無数の部活をやったような状態になれる! という発想です。
僕がやってるライター仕事の例で例えてみるなら(え)、『鬼滅の刃』が流行ったので大正ロマン衣装のコスプレをして大正の心を学んでみよう! みたいなのはめちゃめちゃ対処療法的でダメです。悪役令嬢の役がきたから、アタフタ! と同じ。
次に『呪術廻戦』が流行したら? その次の作品が流行したら? その度にアタフタと対処療法やっていくのかと。これからの世の中、親の介護もパンデミックも経済危機もあるんだよ、と。
一方、文章力そのものを底上げしておく。体力をつけておく。といったことがライター仕事の場合は本質療法的なAct(行動)にあてはまります。
こっちがより根本なので、こっちのレベルが上がっていれば、次に何が流行しようと、何でも書いてお金が稼げます。起こらない方がイイですが、災害が起こっても災害に関する文章を書いてお金が稼げます。こういうのが、「トロピカる」的な活動です。
この問題が生きてるだけで増えていく時代、まずは「トロピカる」を押さえて本質療法的な生きていく力をつけていこうぜ! というメッセージを感じます。基本は女児向けアニメというのをずっと大事にしているので、たぶん時代時代に合わせた教導要素は意識してるのですよね。
「トロピカる」活動に関してはRubyさんが既にかなりの程度分析しています。地頭がイイ人が無駄に(え)分かりやすく整頓しているので、ご覧あれ!↓
●(第6話)トロピカル〜ジュ!プリキュア「今はじまる!その名は、トロピカる部!」感想/穴にハマったアリスたち
第6話「今はじまる!その名は、トロピカる部!」。
好きなことをやる、だけでもダメ(次の好きなことが降りてきたら、その度にアタフタと次の技術を身につけないとならないから)。
完璧な計画を立てるのを試みる、もダメ(災害とか、予期せぬ問題はどんどん生じてくるから)。
そこで、現時点ではRubyさんがいう、
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こういった「タイミングが限定され」「先々に活きること」が大事なのか。 漠然と全部やるのではなく、事前に計画するのでもなく、やりたいことをやるのでもない。 将来を見据えた上で、優先順位や機会損失や適切さや妥当性を、適時判断して行動せよ。
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が、
「トロピカる」Act(行動)ということでまずは良いと思うのですが。
そこに、今回僕が書いてきたような、1000の問題の解決策のコアになるようなエッセンス的な対処能力が身につくAct(行動)だととても良い、も付け加えたいところです。
また僕のライター仕事の例に戻ると、最近は漫画ライターとかさせて頂いておりますが、この先1000の漫画、10000の漫画が出てきても、実は神話とかまで遡ると物語類型って10とか、あっても100はないくらいなので、そこを押さえている人にとってはパラメータ調整の範囲で、いくらでも面白い文章は書いていけたりします。
つまり、「10の神話のフォーマットを押さえる」。これが、漫画(というか物語)ライターにとっての「トロピカる」活動です。
こういう、そこを押さえておくと無限に対応していけるようになる……という勘所は、各々の職業、あるいは個人個人の個体差によって、あると思います。
だから、僕は今のところ子供はいないですが、お子さんになんでもかんでもアタフタ習い事とかさせない方イイと思うのですよ。
今後はあんな問題が起こるかも、こんな問題も起こるかも、だから対応するための、アレもこれも全部学ばせなきゃ、習い事は週7日間、みたいなのは、マズい。キリないですから。
それよりも、そのお子さんの固有性にとって、この先1000の事象、10000の事象に応用で対応していけるようなコアな事象を1つ2つまずは磨かせるのが大事でありそうです。
たいてい、本人が喜んでやっていることがソレです(笑) 「トロピカる」ことやらせるのが大事。
『トロピカル〜ジュ!プリキュア』の話に戻すと、
第8話「初めての部活! お弁当でトロピカっちゃえ!」(感想)
の、兵站(へいたん)の確保。も本質療法のひとつですね。
介護、病気、災害、経済危機、戦争、などなど……この先無数に問題はやってくるかもしれませんが、「食べ物を確保する能力」は共通して大事です。応用がとても効きます。兵糧の確保、マジ、トロピカってる〜。
第9話のゆなさんも、シンデレラっていうか、まずは(精神的な)「脚力」をつける……は、マジ、トロピカってます。
シンデレラとか、今回はたまたま王子様がやってきましたが、怪物がやってきたり、疫病がやってきたり、隕石が降ってきたり、異世界転生したり、何が起こるか分からないわけですから、「王子様のお迎え(外部要因)」を前提にした能力を磨くとか本当対処療法的でイマイチで、「脚力」の方が大事なんですよ。
第9話以降のゆなさんは、本質療法的に(精神的な)「脚力」が身についたので、悪役令嬢にもなれるだろうし、何なら今度は異世界転生勇者役にも果敢に挑めますよ。人間じゃない役もイケます。トロピカってます。
TJさん(ブログ/Twitter)の漫画とか、めちゃめちゃ突然に怪獣出てきたりするじゃないですか(え) 現実もそんな感じになってきてるので、マジで、応用力がある本質療法的なAct(行動)、「トロピカる」が大事なんですよ。
僕も仙台在住なので、いつ『ガメラ2』みたいになるか分からないので、「トロピカる」力をつけていきたい。
世の諸問題に対して、「リソースを追加しよう」の『ドキドキ!プリキュア』には先があったという話です。
参考:プリキュア雑記(2013年9月5日/テーマが光り始めるこの時期)
『ドキドキ』ガチ勢としては、『ドキドキ!プリキュア』が否定されたようで悲しくもあります。
いや、さらなる改善の余地があった、ということなので全然悲しむようなことではないのですが。
『ドキドキ!プリキュア』は、アン王女とトランプ王国民、おばあちゃんとマシュマロ、どちらかしか助けられない、という無条件の前提の世界観がある作品でもありました。
だからこそ、『幸せの王子』理論で、「リソースを追加しよう」という物語が劇的で、ここ七年あまりの人生の指針にしていたくらいの勢いなのですが。
『トロピカル〜ジュ!プリキュア』は、どっちも助けられたかもしれない、みたいな話なのです。
苦悩の色も濃い目な相田マナさんに対して。
夏海まなつ「どちらかしか選べない? トロピカればイイんじゃないかな?」
く、新世代プリキュアのトロピカエネルギーがねたましい。
相田マナさん、前作『ヒーリングっど♥プリキュア 』の花寺のどかさんとも(テーマ的に)相性悪いし、だんだん乗り越えられるべき先輩ポジションになってきたのかも。
ダークサイド相田マナという二次創作妄想が高まりますが、これはそこまで「トロピカる」なActではないので、まだ書かないヨ!
ですが、まなつさんが言っていることは正論です。
相田マナさんを信奉するあまり、ここ数年、「リソースの追加」の方に意識が向きがちな自分がいました。
人員を追加っていうか、人員一人一人に「トロピカる」状態になってもらうことが大事なご時世になってきていた。
一人のスーパーヒーロー任せではなく、一人一人が「幸せの王子」となって立ち上がってくれれば、「リソースが追加」される!(ここまでが『ドキドキ!』)
そして、通常だと1人で10の問題を解決できる「幸せの王子」が、「トロピカる」状態になって1000の問題を解決できる状態になっていけば、原理上増え続ける世の「問題」に対して、相殺して平和や幸せをゲットできるところまで、たどり着けるかもしれない。(これが『トロピカル〜ジュ!プリキュア』)
プリキュア理論が、また進化した!
そうなると、今後僕たちには無数の問題が降りかかってくるし、無数のエンタメ作品も生み出される状況が続いていくと思いますが、まずやっておくことは、あらゆる事象に応用が効く勘所である『トロピカル〜ジュ!プリキュア』を極めることです。
だんだん怪しい文章みたいになってきましたが、Rubyさんみたいに仕事とか結婚とか子育てにプリキュアパワーを応用して成功したみたいな(え)人もいるので、あながち絵空事ではないかもしれません。
今後の十年も色々あるかと思いますので、2021年の今のうちに「トロピカる」Act(行動)をやっておきたいものなのでした〜。
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『トロピカル〜ジュ!プリキュア』第1話〜第7話の感想〜がっかり三人衆(さんご、みのり、あすか)をローラとまなつが元気にしていく序盤(ネタバレ注意) - プリキュアの感想ブログ―The Girlls Fiction Fan Blog(GFFB) https://t.co/PPdc9pf8u6 …ブログ更新です。 #precure #トロプリ
— 寂しいシロクマ(相羽裕司)/仙台市太白区 (@sabishirokuma) April 17, 2021
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→前回:『トロピカル〜ジュ!プリキュア』第8話「初めての部活! お弁当でトロピカっちゃえ!」の感想へ(ネタバレ注意)
→次回:『トロピカル〜ジュ!プリキュア』第13話「ドタバタ校内放送! 響け、人魚の歌!」の感想へ(ネタバレ注意)
→『トロピカル〜ジュ!プリキュア』感想の目次へ
参考:リコ(=Record)が過去を赦して未来に目を向け始める〜『魔法つかいプリキュア!』第1クールのエッセンス