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 相羽です。

 『トロピカル〜ジュ!プリキュア(公式サイト@東映公式サイト@朝日放送)』第13話「ドタバタ校内放送! 響け、人魚の歌!」の感想です。

 ネタバレ注意です。
 ◇◇◇

 「問題解決」にあたって、ちょうど昨日書いたこちらの記事↓


参考:「トロピカる」というAct(行動)の質の向上〜『トロピカル〜ジュ!プリキュア』第1クールのエッセンス


 の内容がドンピシャで当てはまっているのが今回の第13話で、書いてた僕がエエっ!? と思いました。タイミングが良かった!

 「問題」が連続して噴出してくる今回のお話。

 象徴的には、後半「お悩み相談」というカタチで、「問題」っていっぱいあるよね……というのが描かれるのですが。

 前半の前提段階で、今回のお話の母体になっている「放送委員」自体が「問題」を抱えている構造のエピソードだという点には注目したいところです。

 放送委員さん、


・お昼の放送を聴いてもらえてない。
・放送に反応がない。



 という「問題」を抱えておられます。

 これは、身も蓋もなくビジネス用語で言い換えると、放送委員さんには「コンテンツ力」と「マーケティング力」がない、という「問題」です。

 「中学生のお昼どきのお喋りタイムの話題」なんて、まさにコンテンツ激戦区です。

 日々生まれてくる最新ゲームの話題か、昨日のVtuber同士のコラボの話題か、星野源さんと新垣結衣さんの結婚の話題か。

 これら、圧倒的な「コンテンツ力」と「マーケティング力」で展開される「中学生のお昼どきのお喋りタイムの話題」に対して、放送委員さんは食い込めていない。

 我々視聴者としては、自分のYouTubeの再生数が伸びないとか、ブログのアクセス数が少ない(笑)の悩みに通じるものがありますので、共感しやすい「問題」です。

 そこで、「問題」解決に投入されるのが我らが「トロピカる部」! という作劇のお話が今回です。

 ここからの、「問題」ラッシュが熱いです。


●放送委員のトーク担当の小森いずみさんがジャンボパフェで胃痛リタイア!

●読めない漢字に出くわす!

●虫襲来!

●生徒さんのお悩みとしては、勉強ができません!

●トロピカルメロンパンが買えません!


 特に後半部分、生徒さんのお悩みの「勉強ができません」「メロンパンが買えません」に対して、あすかさんが「勉強をがんばれ」「買えるまでがんばれ」と答えるのですが。

 これは、昨日書いた記事で書いたところの「対処療法」で、あんまり有効でないのですね。無限に「問題」は出てくるので、そのつど「個別事象に対してがんばる」で対応していたら、キリがないのです。人間は、そんなに頑張り続けられない。

 噴出し続ける「問題」に対して、「計画」で対応するのも無理です。

 パンデミックだ! 経済危機だ! 戦争か!? という最近のリアル世相がそんな感じですが、予想外の問題が起こりすぎるので、あらかじめ全てに準備はできません。そのような「計画」の限界を象徴するように、今話では「台本」は早々に破棄されています。

 そんな、想定外で連続噴出という末法の世状態の「問題」に対して、本作が代案として提示しているのが、


 無数の問題のコアとなるような、勘所となる解決方法(解決力)を押さえておく。


 という解法です。

 これを、昨日書いた記事では「本質療法的なAct(行動)」と呼んでみました。

 この、「本質療法的なAct(行動)」こそが、本作でいうところの、「トロピカる」行動です。

 では、今話で描かれた、全ての問題を解決するコアになり得るような、「本質療法的なAct(行動)」、「トロピカる」が、何だったのか?

 そう、ローラのお歌です。

 作中解を体現する我らが時期女王、ローラが高々と宣言します。


「みんな、悩みは色々ね。悩んでる時って気分だだ下がりよね。そんな気分を上げたい時は、私の歌を聴きなさい」


 た、確かに。

 「歌で元気になれる」は、無数の問題全てに対してコア的に有効です。

 実際、ジャンボパフェを無理して食べて胃痛で倒れた小森いずみさんは、「現代消費文明のマーケティングに翻弄されて病気になるくらいダメージを受けた人」の象徴かと思いますが、彼女が「私も保健室であの歌を聴いてたんだけど、感動で痛みを忘れたわ」と言ってます。

 万能の療法。

 全ての問題解決のコアとなる、「本質療法的なAct(行動)」。「トロピカる」行動。

 堂々たるそのひとつこそが、「人魚の歌」。

 まただんだん怪しい文章になってきましたが、あえて言い切ってみるなら、

 人魚は全てを解決する。

 事実、前提「問題」だった放送部さんのコンテンツ力のなさとマーケティング力の無さは解決して、ローラ! ローラ! の大反響です。コンテンツ イズ キング。人魚のコンテンツ力は、全てを解決する!

 ここでの「ローラの歌」は、一種の「虚構(表現)の力」を意味するので、メタに「プリキュアシリーズ」という作品……もかけていそうです。

 た、確かに、実際「プリキュアで救われました」みたいな話はよく聞きます。

 「ローラの歌」にしろ「プリキュアという映像作品」にしろ、ようは人間の心に働きかけるということですから。

 心に前向きな影響が出ると、脳が変わることも最近の研究では分かってきています。脳が変わると身体も変わるので、免疫力が上がったり、レジリエンス(回復力)が上がったりは、あながち的外れとも言えないかもしれません。

 プリキュア制作陣さん、『ハピネスチャージプリキュア!』の頃は、しょせん虚構(フィクション)である『プリキュア』は現実の「問題」に対しては無力だ……という悲壮感を作品に盛り込んだ作品づくりをされていましたが。↓


参考:映画ハピネスチャージプリキュア!人形の国のバレリーナ/感想(ネタバレ注意)


 今回は、明らかにローラの歌、イイだろ、(現実でも)意味あるだろ! というノリノリ感を感じます。

 この六、七年で、作り手の方々も心持ちが変わったというか、さらに進化したのか。

 あるいは、実は『プリキュア』に足りなかったのは「人魚」で、「人魚」が加わった今、全ては解決したのか。

 前人未到の領域を切り開き始めている『トロピカル〜ジュ!プリキュア』さん。

 とりあえず、現状自分はマーケティングに翻弄されてダメージを受けてる小森いずみさんくらいのポジションなので、対処療法になってしまってないかに気をつけつつ(マジで、自戒も込めて人間、個別「問題」に対してそのつど個別対応で「がんばれ」とか、無理筋なことをつい言ってしまいがちなのです!)、本質療法である「ローラの歌」を聴いたりしながら、今後も降り注いでくる「問題」群に備えようと思ったりしたのでありました。

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→前回:「トロピカる」というAct(行動)の質の向上〜『トロピカル〜ジュ!プリキュア』第1クールのエッセンス(第9話〜第12話の感想)へ
→次回:『トロピカル〜ジュ!プリキュア』は降り注ぐ無数の問題に対するコア解決力〜5つの「トロピカる」を分けあった5人の物語へ
→次回:『トロピカル〜ジュ!プリキュア』第14話「おまかせ!保育園でトロピカ先生!」の感想へ(ネタバレ注意)
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