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 相羽です。

 どうも、『トロピカル〜ジュ!プリキュア(公式サイト@東映公式サイト@朝日放送)』は、混沌とした現在の世界に降り注ぐ無数の「問題」に対して。

 個別に対処療法でバラバラに対応したのでは間に合わない、という問題意識のもと、それを押さえておけば1000の「問題」も10000の「問題」も解決していける! というような勘所となるコアとなる解決能力(行動)について描いている部分があるようです。

 どうしてそういう物語だと考えたかについては、前回と前々回の記事に書かせて頂きました。↓


参考:トロピカル〜ジュ!プリキュア/感想/第13話「ドタバタ校内放送! 響け、人魚の歌!」(ネタバレ注意)

参考:「トロピカる」というAct(行動)の質の向上〜『トロピカル〜ジュ!プリキュア』第1クールのエッセンス


 で、この全ての「問題」解決にあたって勘所となるコアとなる解決能力(行動)、これが作中の言葉だと「トロピカる」行動ということだと思うのですが。

 どうも、この「トロピカる」行動は1つではなく、メインの5人それぞれに割り当てられている。と考えるようになりました。

 最初に、考えてみたその5つを図示してしまいましょう。こんな感じだと思う。↓


まなつさん:無限のやる気
ローラ:お歌(宗教)
さんごさん:自ら運命を切り開く前向きな心の脚力
みのり先輩:想像力
あすか先輩:体力



 僕的に分かりやすいのからいってみる。


さんごさん:自ら運命を切り開く前向きな心の脚力

 これは、先ほどの、


参考:「トロピカる」というAct(行動)の質の向上〜『トロピカル〜ジュ!プリキュア』第1クールのエッセンス


 で考察した通りです。

 役者さん的に、一つの新しい役がやってくるごとに対処療法で対応していたら、いつまでも新しい役がやってくる度にアタフタしてしまいますが、「自ら運命を切り開く前向きな心の脚力」が身についていれば、どんな役がやってきても本質療法的に対応していけます。

 物語序盤では、周りの空気を読みすぎて「我」を出せないというのが問題だったさんごさんこそが、「我」、「メンタル」面の能力(「トロピカる」)なのは熱いです。

 若干身も蓋もない気もしますが、確かに強靭な精神力を身につけておく……は、無数に降り注いでくるどんな「問題」に対してもかなりの程度有効です。


まなつさん:無限のやる気

 第10話で、まなつさんはいったん「やる気」を根こそぎ奪われてダウンしたのに、後半で、


 「いくらやる気を奪われたってへっちゃらだよ。私のやる気は、じゃんじゃんドバドバ湧いてくるんだから!」(夏海まなつ)


 と言って復活しています。

 ローラいわくも、


 「まなつのやる気は最強なんだから」(ローラ)


 どうしてまなつさんは「無限のやる気」を体現しているのか? というのは物語の核心のひとつっぽいのでこれからのストーリーが楽しみなところですが、これも、降り注いでくるどんな「問題」に対しても「無限のやる気」は有効だよな……というのは分かりやすいです。


ローラ:お歌(宗教)

 これも、


参考:トロピカル〜ジュ!プリキュア/感想/第13話「ドタバタ校内放送! 響け、人魚の歌!」(ネタバレ注意)


 の記事で解説した通りです。

 ここでは「宗教」をかなり広義の文脈で使っておりますが、お歌、つまりもうちょっと抽象化してみると、「人間の精神に希望をもたらすもの」を高いレベルで体現できるのだとしたら、これもやはり降り注いでくるどんな「問題」に対しても有効です。

 思えば、序盤のそれぞれに「問題」を抱えるさんごさん、みのり先輩、あすか先輩に対して、常に「希望」の光をみせるのはローラの役回りでした。↓


参考:『トロピカル〜ジュ!プリキュア』第1話〜第7話の感想〜がっかり三人衆(さんご、みのり、あすか)をローラとまなつが元気にしていく序盤(ネタバレ注意)


 まさに「時期女王」っぽい能力(「トロピカる」)で、これはめちゃめちゃカッコいいと思います。


みのり先輩:想像力

 ここからはまだ考察が深まってなくて、自信がないですが。

 第7話で、ローラが見つけられなかった紛失した風呂敷包み(女王様からの贈り物)を、「想像力」で見つけ出したあたりからの連想です。

 これもやはり降り注いでくるどんな「問題」に対してもかなりの程度有効であろうというのは一般論として感じられます。


あすか先輩:体力

 ここが一番まだ検討中という感じですが、オープニングでもダンベルで筋トレしてるし、何かとフィジカル(肉体)のトレーニングしてるし、これかなと。

 一番身も蓋もないというか、でも、やっぱり体力はあらゆる「問題」へ対処していくにあたっての、土台中の土台です。

 また、近年スウェーデンの研究で、子供にスマホの知育アプリを与えていたところ、あんまり知力は育たなかった、というデータが出始めていたりします。

 ちゃんと知育玩具で体を使って格闘的にやらないとダメで、やっぱり人間という存在にとって「体」大事なんだよな、と。(知力の定義が難しいところですが。知育アプリ的ないわゆるスマホ脳方面の子供の方が、デジタルネイティブで新時代の知性なんだという見解をもつ人もいるので。)

 プリキュアシリーズはイイ意味で児童向けにこだわっているので、教育観も混沌としている時代で、一定の教育要素は考え抜いてい入れていっているという印象です。

 まあ、子供に運動はさせた方がイイですよね。


 以上。

 総じて、『トロピカル〜ジュ!プリキュア』は降り注ぐ1000、2000、10000という無数の問題に対するコア解決力〜5つの「トロピカる」を分けあった5人の物語なのです。

 「5人」などとうっかり人魚を人扱いすると「ちょっと待って」と後ろから肩を叩いてくる恐い大人である(え)Rubyさん(ブログTwitter)がこのブログを見てるので、正確にはこの記事のタイトルも「4人と1匹の物語」にした方がイイのかもしれませんが。

 そもそも「人魚」って、漢字だけだと「人」と「魚」並列ですから、人間なの、魚なの、どっちなの、と。

 僕はそこまで「人魚」が「人」か「魚」かにはこだわってないので、そのあたりの追求は他の誰かに任せたいところです。「分業」も『トロピカル〜ジュ!プリキュア』の題材の一つですよね。

 人類史における人魚概念の成立に関しては、なんかRubyさんが最近研究してるらしいので、彼の報告を待ちたいと思います。

 ただ、今回あげた5つの「トロピカる」に対して、さらにエッセンスとなるような1つの「トロピカる」概念があるような感覚は抱き始めています。

 5つの「トロピカる」自体が、無数の「問題」を解決していくにあたってのコア的なエッセンスなのですが、そんな5つのコア的なエッセンスのさらにコア的なエッセンスですね。

 そんな、全ての「問題」を解決していくにあたっての、原初の基礎概念みたいなものは、何なのか?

 そう、「人魚」です。

 全ての「問題」解決にあたっての、コアに位置する概念、「人魚」。

 「人魚」を究めれば全ての「問題」に対する解決力が身につく。

 本当か。

 また、かなり怪しい文章になってきてる!?

 いわゆる「古典を読め」の文脈から、人類史の長い競争力に晒されて現在も生き残っている(昔も今も、子供は何故か「人魚」好き。)、強く普遍的に人間の精神を惹きつける概念が「人魚」である……くらいは言えそうですが。

 「人魚・ザ・すべての『トロピカる』のエッセンス説」はまだ仮説なので、この話は またおいおい。

 「人魚」万能説はともかく(え)、『トロピカル〜ジュ!プリキュア』はこのままいくと、終盤、1000の問題、10000の問題が降り注ぎ絶体絶命と思われた時、コアな解決力〜5つの「トロピカる」を持った5人のAct(本質療法的な行動)が補い合いながら展開され、無数の問題を一網打尽に解決するという作劇が予想されます。

 何それ超観たい。

 今年も健康を大事に、お金を稼ぎ、天命も読み解いたり(え)して、ぜひ『トロピカル〜ジュ!プリキュア』の最終回を目撃するまで生きないと! ですね。

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→たぶんRubyさんが読んでる

人魚の動物民俗誌
吉岡 郁夫
新書館
1998-09-24


→ローラの偶像



→前回:『トロピカル〜ジュ!プリキュア』第13話「ドタバタ校内放送! 響け、人魚の歌!」の感想へ(ネタバレ注意)
→次回:『トロピカル〜ジュ!プリキュア』第14話「おまかせ!保育園でトロピカ先生!」の感想へ(ネタバレ注意)
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