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 相羽です。

 『トロピカル〜ジュ!プリキュア(公式サイト@東映公式サイト@朝日放送)』第14話「おまかせ!保育園でトロピカ先生!」の感想です。

 ネタバレ注意です。
 ◇◇◇

 周囲の児童といっしょに遊ばずに一人で虫という「異質(という言い方を便宜的にしてしまいますが)」に惹かれているワタルくんは、幼少時代にみんなと同じ色の花ではなく、紫色の花という「異質」が好きだったさんごさんと重なる存在として描かれています。

 その上で、成長過程で一見「問題」があるように見えても、それは美しく羽化する過程にすぎないのかもしれない……という視点が今話では提示されます。

 アオムシは一見「問題」があるように見える(蝶と比べると美しくないし、液はくさいし)かもしれないけれど、それはその時の状態なりに意味があるものです。

 その流れで、幼い頃からのさんごさんの「周囲に合わせて我を出せない」というこれまで描かれてきた「問題」は、今話では「自然に周囲に合わせられるから、かけっこが遅い児童に自然に寄り添うことができる」と、長所に反転して描かれています。

 いっとき「異質」にみえること、いっとき「問題」にみえること、それは長い目でみると「たまたまその時自然にその状態だった」だけかもしれないので、いちがいに判断する側の思い込みでどうこうしようとしてるとしたら、気をつける必要がある。

 ルリちゃんが、同じ虫という「異質」に惹かれているワタルくんの存在が気になっている……のにさんごさんが気づくシーンは感動的でした。

 さんごさんの幼少時も、さんごさんが気づかなかっただけで、たぶん紫色の花が好きだった、「異質」を好きだという子は、他にもいたはずだったんだ。いや、世界レベルに広げれば、必ずいるでしょう。

 同時に、ローラは比喩的に「足が不自由な(不自由にみえる)『異質』」として描かれる。(言い方があれですが、いわゆるひょこひょこ歩きなど。)

 ローラの能力はおそらく「人間(動物とか魚も含むか)の精神に希望をもたらす」(こちらの記事を参照)。

 「足が不自由」とか、だから何? 蝶の前のアオムシと同じく、女王となる前のいっときの「異質」など、むしろ「希望」だといわんばかりのローラのあり方に、ワタルくんとルリちゃん、二人に自分を重ねているさんごさんはまた救われる。

 ローラがつくる国では、アオムシも、虫が好きな人も、紫色の花が好きな人も、足が不自由といった障害がある人も、みんな「希望」をもって暮らしていける国なのでしょう。さすが時期女王。

 そして、この作劇だと、くるるんは「アオムシ」と重なるように描かれている。

 なんかいっときの今は役に立たない気がするし、「異質」だし。

 だが、そんなくるるんをローラはわりと大事にしている(戦闘で避難しなきゃというシチェーションで、ちゃんと探している)。

 さんごさんの「周囲に合わせて我を出せない」といういっけん「問題」に思える特性が今回役に立ったように。

 いっけん「異質」と感じられる「アオムシ」に、蝶へと羽化するための意味があったように。

 間違いなく、今後くるるんが鍵となるエピソードがくる。

 ワタルくん、ルリちゃん、それを守るローラを、さらに守るキュアコーラル……という絵がとても感動的な一話でした。

 紫色の花という「異質」が好きだった。そして、それを「問題」と考えていた。かつての自分(と重なるワタルくんとルリちゃん)を、さんごさんが守る。

 一人で「問題」と考えていたさんごさんの時よりも、二人で虫という「異質」を共有しているワタルくんとルリちゃんは、少し進んでいる。ソレは、守りたい。

 涼村さんご、ローラが目指す国での姫騎士のごとく。

 紫色の花が好きな自分が「希望」を持って暮らしていけるように、虫が好きな人とか、足が不自由な人とかが「希望」を持って暮らしていける国が、「居場所」があり得るなら、私はそれを守りたい。盾になりたい。

 いつかくるるんに「何か」が訪れるかもしれないように。そのいっとき「異質」で「問題」に思えたことは、未来で何かをなすためにあったのかもしれないのだから。

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