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 相羽です。

 本日、『トロピカル〜ジュ!プリキュア』の新プリキュア、キュアラメールが6月20日(日)の放送回から登場することが発表されました。

 変身するのは、そう、ローラです。

 こ、これは!

 『人魚姫』モチーフだとしたら、いっとき二本足になるのは、まあそうだよな、という感じです。(原典『人魚姫』でも二本足になって地上にあがるので。)

 ただ、その上で本作が『人魚姫』のストーリーをなぞっていくのかというと、そうではなさそうだと。
 第4話で、ローラ自身がアンデルセンの『人魚姫』には文句言ってますからね(笑)

 ようは、『ドキドキ!プリキュア』で、オスカー・ワイルドの童話『幸福の王子』がモチーフなんだけど、最後に溶鉱炉行きになる原典『幸福の王子』の結末をバッドエンドと捉えて、『ドキドキ!』では物語がそこから分岐する……みたいなのを、今回は『人魚姫』を題材にしてやる感じなんじゃないかと。


参考:プリキュア雑記(2013年9月5日/テーマが光り始めるこの時期)


 『ドキドキ!プリキュア』の第47話相当の、あるいはそれ以上の回が後半に予見されるということで。


参考:ドキドキ!プリキュア感想/第47話「キュアハートの決意!まもりたい約束!」


 しかも、これまでの作劇上だと、その回の中心キャラクターはローラです。まなつさんの立場は(笑)

 原典『人魚姫』は、誤解を恐れつつざっくりと言ってみるなら、「希望は叶わなかったので、転生エンド」です。


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三百年のあいだ、できるだけ善い行ないをするように努めますと、わたしたちも不死の魂をさずかって、人間の永遠の幸福にあずかることができるのです。かわいそうな人魚姫さん、あなたもわたしたちと同じように、心の底からその努力をなさったのね。そうして苦しんだり、がまんしたりなさりながら、いま、空の精の世界へのぼっていらっしゃったのね。さあ、これから善い行ないをなされば、三百年のちには、あなたも不死の魂をいただけるのですよ

(『小さい人魚姫 アンデルセン童話集』著:アンデルセン, 訳:山室 静/KADOKAWA より引用)

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 これを、ローラがヨシとは言わなそうです。

 ローラには既に不死の魂があったりするのか。

 あるいは、300年とか待ってられないから的な方向とかか。

 そもそも、ローラは寿命の方はどうなのか。

 原典『人魚姫』と同じく、300年の寿命を捨ててキュアラメール(二本足)に変身するのか。

 そこまでヒロイックなことをやるのだろうか。やってくれても熱いですし、やらなくてもローラっぽくてそれはそれで面白いですし、もう、約束された勝利の変身です。

 ローラが何を想い描くのか、という点に様々な事象が集約されていくという(そして、おそらく何か想像を超えることを想い描いていくと予想される)、期待ばかりが高まっていく作劇です。

 最近書いておりましたが、『トロピカル〜ジュ!プリキュア』という作品は、近年の混迷している世界の中で、抽象論にとどまらない具体的な生きるAct(能力・行動)を地に足をつけて発信しているフシがあります。


参考:「トロピカる」というAct(行動)の質の向上〜『トロピカル〜ジュ!プリキュア』第1クールのエッセンス


 生きろと。

 「トロピカる」行動で、降り注ぐ問題も何とかなるから、この世界で幸せになれと。そんな感じのメッセージを現在感じております。

 なので、以前の記事でローラの能力は「宗教」と便宜的に表現しましたが、『人魚姫』的な「転生」エンドから、ググっと現世利益(げんぜりやく)的な方向へと、ローラには希望の光を放ってほしい。

 ここ数話でローラに関して描かれていることの一つに、ローラは異文化(異なる価値観)を自身の目的(幸福・希望)のためにわりと自由に吸収していく……というのがあります。「地上の姫の作法」、ふーん、私は人魚の国の次期女王だけど、それはそれとしてやってみるか(第14話)、くらいのノリです。

 当初は「プリキュアにはならない」と言っていたローラですが、そのあたりは状況に応じて方向性を変更してよりトータルでの最善手を追求する柔軟さが彼女には描かれています。

 そして、そういう姿勢はこの前の記事で書いたところの「『トロピカる』=1000の問題の解決策のコアになるようなエッセンス的な対処能力が身につくAct(行動)」に繋がるあり方です。

 不安や不幸はここまでで、ここからの時代は大海原(オーシャン)のターンとばかりに、キュアラメール登場までのカウントダウンが始まりました。

 原典『人魚姫』とは分岐するのがもはやノリの前提なので、この先の物語が何がどうなるのかまるで分かりません。

 例年以上に『ドキドキ』しながら、ここ七年くらい人生の指針にしていた勢いの『ドキドキ!プリキュア』第47話を超えてくれるものを観せてくれるんじゃないかという期待に、恐れおののいているのでした。

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→ローラが歌う「なかよしのうた」も収録

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→アンデルセンの『人魚姫』



→前回:『トロピカル〜ジュ!プリキュア』第14話「おまかせ!保育園でトロピカ先生!」の感想へ(ネタバレ注意)
→前回:『トロピカル〜ジュ!プリキュア』は降り注ぐ無数の問題に対するコア解決力〜5つの「トロピカる」を分けあった5人の物語へ
→次回:『トロピカル〜ジュ!プリキュア』第15話「みのりがローラで、ローラがみのり!?」の感想へ(ネタバレ注意)
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